さあ。

今年の野辺山にキリをつけなくては。

ということで、反省文たらたらの 未完走記です。





当日の朝は、見事な満月!(・・・かな?) が まだ空に残っていました。

八ヶ岳のシルエットとともに、車窓から眺め、やる気は満タン!

今年の作戦は・・・・

ずばり、最初から つっこむ!

マジです。

ゆっくりペースだと、走るラインが整わない・・というか、
うまく体重移動ができない。

ある程度のスピードにのらないと、上半身も動いてこないので、
あえて、最初から 少し早いかな、くらいのペースで入ることにしてました。

もくろみ通り。

いつもより、前よりからスタートして、ぐんぐん追い越されてはいるけれど、
キロ7分をキープ。

トイレも42キロまでは我慢する!という作戦で、とにかくロスタイムを減らします。

山に入って、昨年よりもゆるい上りは走れますが、
ガレ場になると もう足があがらない。

ここは無理せず、歩き。

それでも、下りをしっかりと走れるようになったのが、今年の収穫です!

ガレ場の下りも 怖がることなくいけます!
いい感じ。

稲子湯の35キロエイドまで、予定通り 4時間35分ぴったりにつきました。

今までの だいたいの完走ペースです。

山を抜けて、松原湖の激下りも、らく~な気持ちで しっかり上半身を動かして
スピードを殺すことなく 下れたと思います。

42キロのエイドで大目にパンをほおばり、
小笠山エイドのある 松原湖前 43キロ地点で、甘酒をいただき、
ペットボトルの中身を補充。
(今回、携行したのは、小笠山の師匠W氏からいただいたオリジナルブレンドの
メイプル塩水。さらっとしてて、美味しくて、後味が悪くなくて、とても助かりました)

ステンドグラスのトイレは並んでたので、すぐ隣の美術館のトイレをお借りします。
予定通り・・・の「予定」って、前日に記入した大体の通過予測時刻。
「これで走れれば、かなりラッキー」という、タイムだったから、我ながらびっくりです。

この調子なら、完走できるかも!
気分はいい感じ~。

だけど・・・。

この日は、まっこと いいお天気で。
山をぬけると、やはり陽射しが半端ないです。

あげあげな気分とはうらはらに、下りは走れるけど、上りはまるでだめ・・・という走りで、
下り基調の50キロまでは なんとかそのペースで行けました。

50キロエイド通過が 6時間35分。これもぴったりだ!

問題はこのあと。
だらだらした上りが続く、58キロの折り返しまで。
ここをしぶとく走ることが、完走への鍵!

そうわかっているのに、やはり、少しでも坂が上りになると、歩きが混じります。

あれだけ、後半に強かった私は どこにいっちゃったんだろう??

それでも、焦らず。めげず。
淡々と、まずは折り返しエイドへ。

ここで、12:45くらいだったか?

71キロへ 14:30には入りたい。かなりギリギリだ。

61キロまでは下り基調だと知ってるし、そこから先は 上り基調になるから、
ここはしっかり走らなくちゃ、と、気合を入れていく。

その気合は、確かに61キロの分岐まではもった。

・・・けど。。。。

分岐を左折したら、ぱたっと 足があがらなくなってしまった。

少し走っても、すぐに止まってしまう。

一昨年のような、呼吸ができない!ってわけではない。
まだ気持悪くもないし、膝が痛いわけでもない。
口は元気だけど・・・・
あれ?
何がおかしいのか?


63キロのエイドで、たまらず、頭から水をかぶり、テントの下の日陰に
横にならせてもらう。
頭をさげて、ほんのしばらく横になっていたら、少し気分が落ち着いてきた。

たぶん、まだまだ熱中症ではない。脱水でもなさそう。
大丈夫。

さあ。と、身体を起こして、先に向かう。

。。。。やっぱり、走れない。

む~。根性が足りないのか?
ありったけの想像力をめぐらせて、尻を叩く。

が、あがらんもんは あがらない(笑)。

これって、歩き癖がついてしまったのか、
まったく、上りを走る足がないのか、
筋力限界なのか・・・・。

歩いてる分には さほど問題ないので、またどこかで復活することを祈って、
ひたすら 歩く。

65キロの坂の手前で、ことしも自販機でチューハイ購入。
昨年、一昨年、ここで飲んでも美味しくなかったのを思い出して、ちょっと躊躇したけど、
ソフトドリンク売り切れだったので、仕方ない(笑)。

思っていた以上に、べらうま~。

胃腸は大丈夫そうだ。

なんだ? なんだ?このへたれは???

ま、とにかく、ひたすら歩くだけ。

同じように歩いてたランナーさんが声をかけてくれた。

「湖西連峰走ってましたよね!」

そうそう。あのとき、宴会会場で たっくさんのトレイルランナーたちが
野辺山への参戦表明してたっけ。

しばらく、おしゃべりしながら、気分を紛らす。

気分は悪くないんだけど、完走もまだまだ諦めてないんだけど。
やはり走りだすことができない。

そのまま、71キロエイドへ。

14:45頃。

走る足が残っていれば、この時間からでも完走は無理じゃない。
わかっているけど・・・・。

そばを片手に、ファイテンブースに腰かけて、
そばをもぐもぐしながら、マッサージクリームをすりこむ。

そばは あんまり美味しく感じない。あんまり喉を通っていかない感じ。
それでも、無理やりそばつゆ飲みこんで、すぐに腰をあげる。


さあ。いかなくちゃ。

何が何でも、私は 74キロまでは行かなくてはいけないの!


必死で走ってるランナーさんたちに抜かされながら、

黙々と歩く。


もう、下り気味の平坦な道さえ 走れない。。。とほほ。。。


もうすぐかな、って頃、ご自分で焼いた、という湯呑に

湧き水を入れてくれてるご主人に出会う。


深い蒼のお湯のみでいただく。 おいしいお水だ。

気分は生き返る~・・・けど、足は沈没したまんま。。。


すぐそこに、あった。

酒屋さん。

・・・・の・・・建物。。。。


う~ん。。。。シャッターが ぴったり閉まってる。


おばあちゃん、どうしただろう?


シャッターを ガンガン叩いてみる。


どうにも、中に人がいる気配ではない。


・・・・おばあちゃん???



毎年、この酒屋さんで おばあちゃんに会うのが楽しみでした。


昨年は、まだお元気で、お嫁さんと一緒に応援に出てくれてました。


この相木の土地が大好きで、お茶と一緒に飴玉やらお饅頭やら、

持たせようとしてくれたり、

いつだったか・・・丸ごとリンゴもらったことあったな~。


新茶を持って行った、まぼろしの17回大会のときには、

あがりこんで、話し込んでしまったっけ。

あのときは、帰りにそばを一袋いただいちゃった。


お茶をいただくと、ちゃんとおかわりを用意してくれて

「人からもらうお茶は、二杯飲んでいくのが礼儀」と教えてくれたおばあちゃん。


おじいちゃんが亡くなってからも ひとりでがんばってたのに。。。。


どうしただろう?




と、あれやこれや 思いめぐらせながら、お店の前のベンチに座りこんでしまった。


ここで飲むのを楽しみにしてたので、ひとりで仕方なく、自販機から 泡購入。


プシュッとして、おいしくいただきました。




もう、この時点で、完走はあきらめてました。


そして、馬越峠のてっぺんでやめようと、決めました。


がんばって歩けば、次の関門間に合いそうだけど、

とても峠を下る脚ではない。


痛みがあるわけじゃないから、このあと、峠の上り、ゆっくり楽しませてもらおう。


そう決めて、腰をあげました。




のんびりでいい 馬越峠は、実に美しい!





あきらめてないランナーさんたちが、どんどん先へ行くけど、もう気にならない。


ゆっくりゆっくり、おばあちゃんの大好きだった相木の村を見下ろしながら

それでも休まずに歩き続けます。





上り坂まんなかエイドで、初めてここを走ったときのこと話してたら

「13年前なら、私もいたはずだけど」

と、お姉さま方。


すごいな~。ここのお姉さまたち、ものすごい元気のいい喝をくれるので有名だったけど、

ず~~~~っと やってくれているんだ。


もう、この時間なので、エイドの方たちも 時間が無理だとわかってて。


「のんびり上まで行きます」と告げると

「そうね、たまには のんびり行くのもいいわね!」と

明るく送り出してくれました。



最後の2キロは・・・・。


後ろから追いついてきた男性ランナーさんが、話かけてくださり、

お互い、てっぺんでやめることを決めていたので、ペースを合わせて

とにかくしゃべりまくって、上ってきました。


楽しかった!(笑)


そういえば、作戦その2!として、

若い男の子を捕まえて(?) おしゃべりしながら走る。というのがあったっけ。


奥熊野のとき同様、とっても助かりました。

ほんとにありがとう。


ということで。


ちゃんと、関門には間に合わず(笑)。


関門時間に5分遅れて、79キロてっぺんエイドに到着。


ここがゴールとなりました。


涙も出ない、ゲラゲラ笑顔のリタイアでした。


記念写真を撮りまくり~笑。









今年も、バスにゆられて ゴール会場へと戻りました。





着替えを終えて、仲間のゴールを待ってたら、


な~んと、峠の上りでご一緒したランナーさんが ゴールしてきました!


すご~い。あの時間から、間に合ったんだ~!!


聞くと、87の関門が5秒前。そこからダッシュでゴールまで走った、とのこと。


すごすぎる~~~~。



きっとまた、私もこのゴールへ帰ってくる!


そう誓って、今年の野辺山を終えました。