『君の名は…Twitter ver.』① | porcorosso381の隠れ家

porcorosso381の隠れ家

2030年頃まで皆様との繋がりを持続可能にする為にブログを開設しました


 

全9話 朝の恋愛小説

『君の名は…Twitter ver.』①

 

第一話 モダンガール

 

連立方程式の解き方は教えて貰えても、恋の連立方程式の解き方は学校では教えて貰えない

 

そもそも、恋に連立方程式が成り立つと聞いた事はない

 

しかも、答えは一つとは限らない

 

つまり

割り切れないのだ!

 

だけど、何か法則のようなものがあるのかも知れない

 

 

あれは、桜が散り初めた大学2年生の春

 

その頃の俺は、誰と付き合っても長続きせず恋愛に悩んでいた

 

今、つき合っているジュンコとも別れの気配を感じていた


https://youtube.com/watch?v=LgyoOePQtg0&feature=shares



 

 

 

 

 

 

第二話 風を感じて

 

ある日、先輩から合コンの設定を頼まれ、

高校時代の同級生で憧れていたマキを思い出し、連絡を取ってみた

 

マキは神戸の女子短大に合格して、一人暮らしと聞いてる

 

電話してみると

以外にもマキは あっさり承諾してくれた

 

「あ、それでさぁ…   合コンする場所なんだけど

『ちょっと下見しておいた方がいいよね!良かったら今度の土曜日に行かない?』

 

話しを先回りするところは変わらないなぁ…  と、思いながら、待ち合わせ時間を決めて電話を切った

 

なんだ、こんな事ならもっと早く誘ってみれば良かった

 

それとも、俺に良い風が吹いてきてるのかなぁ

 

何かが動き出した気がした

 

https://youtube.com/watch?v=shaT-wkbrz0&feature=shares


 

 

 

 

 

 

第三話 君に会うまでは

 

合コンが終わった後も俺とマキは、たびたび逢ってはディスコで踊っていた

 

マキと逢っている時だけが、本当の自分でいられるような気がした

 

その日も夜遅くまで踊って

 

「そろそろ帰ろう… 駅まで送るよ

 

店を出て腕を組んできたのはマキだった

 

『ねぇ、今日はこっちから帰らない?』

 

そう言って誘導された

 

煌めく街の灯り、人影のない歩道橋、マキを横目で見ながら歩く道

 

"愛おしい

これが恋と言うもの?💦

 

歩道橋の真ん中でマキが立ち止まる

 

時間も止まったのだろうかと思うほど、音のない世界へと溶けて行く

 

ただ、マキの唇だけが艶やかに光り、そっと肩を抱き寄せて口づける

 

その夜、二人は…   結ばれた

 

https://youtube.com/watch?v=oqqI41r3lp8&feature=shares


 

 

 

 

 

 

第四話 愛という名のもとに

 

ある日、マキとドライブしていたら

 

『パパにあなたの事を話したら、そいつに決めろって言うのよ(笑)』

 

ジョークかと思った

 

マキは短大だから来年の春に卒業

 

俺は2年後に卒業して、社会人としてマキを養って行く自信が付くのは何年後なのか

 

「今はちょっと考えられないな^^;」と苦笑いした

 

マキは少し寂しそうな顔をした

 

 

それから暫くの間、何故か逢えなくなっていたマキからの連絡

 

明日の飛行機で渡米して、アメリカ在住の日本人と一緒にサンフランシスコで暮らすと言う

 

意味が分からなかった

 

夜中だったが急いでマキのマンションへ車を走らせた

 

「大学はどうするの?」

『中退する

 

あとは何も言えなかった

 

夜明けまで無言で窓の外を見ていた

 

『また連絡するね』と、マキが呟く

 

なぜ素直に頷けなかったのだろう

 

マキの瞳に映った自分から視線を逸らすように踵(きびす)を返して部屋を出た

 

https://youtube.com/watch?v=sBASx8lTlJ8&feature=shares


 

 

 

 

 

 

第五話 ラストショー

 

マンションの玄関から外に出ると

 

そこには潮の香り、鳥の声、緩やかなカーブを描く海岸線の道

 

全てが美しく、愛おしく、切なかった

 

いつもなら三階の窓から手を振るマキに、笑顔で応えて帰るのに、今日は振り向く勇気さえない

 

もう逢うこともないのか

 

そんな事を考えながら駐車場への登り坂を歩いて行く

 

降り出した雨に急かされるように車に乗ってエンジンをかけた

 

どうやって帰宅したのかも覚えていないほど動揺していたと思う

 

雨は激しさを増していく

 

ただ、マキとの楽しかった日々が脳裏を駆け巡っているだけだった

 

https://youtube.com/watch?v=dA8tUZBFPeM&feature=shares