【浪漫の残党】 -4ページ目

【気になる木.124】

 「今回は、いきなり首都圏を攻め落とされちゃったんで、早々に政府も諦めたワケ。云い方悪いけど、『しっぽ』(!?)と違って、『東京』は切ったり捨てたり出来ないっていう大前提が連中には在るモンだから、こんなにも簡単に降参したんだよ。お役人の非道なエゴで、地方の人たちはただただ小羊みたく、感染待ちの――日本人なら誰しも大好きな!――行列に並ばされてる、ってゆうのが今の状態。だいたい国が本気なら、海外便だけだなんてヌルい事云ってないで、陸海空全ての交通網も徹底的に規制するはずじゃない? だけど今回、それを野放しにしてるでしょ? 既に『都』が墜ちちゃったから、後は皆さんお好きなように、生きようと死のうとどうぞご自由に、だけども、間違ってもよそ様んトコへ行って、伝染したりとかするんじゃないよ、そうじゃなくたって、最近の日本は、ウォークマンがアップルに負けて以来、どうにも肩身が狭いんだから!……な~んて云ってるようなモンなんだよっ! 全く、国民をナメてるとしか云い様が無い。この無責任な手前勝手が官僚たる条件なんて、半ば本人たちも本気で信じ込んでいるんだから、こんなフザケた国ったら他に無いですよ。

【くじ】

 交通事故が起き、俺の目の前で男が倒れた。驚く間も無く、男の体が縮み(?)始める。やがてすっかり消え去り、後に残ったのは、薄い唯の板切れ一枚。拾い上げて見ると、そこには『アタリ』の文字が。駄菓子屋にそれを持って行くと、もんぺ姿のお婆さんが、店の奥から新しい男を持って来て、当たり前のように交換してくれた…
 翌日、今度は俺が事故に遭った。運ばれた集中治療室で、医師は俺のレントゲンを見ながら、悲しそうに首を振っていた…昨日の男だった! 薄れゆく意識の中、チラと覗いた写真には、『ハズレ』の文字が白く浮かんで…

【気になる木.123】

 「じゃ、私の(?)北海道と沖縄とは、とりあえず無傷なんですね?」
 「はい、しかし加藤さん、それもただ単に、時間の問題と云えるでしょう。この奇病には、凡そ聖域などというものは存在しません、現在も尚、約一時間に一県のスピードで、着々と感染は拡大していってるんです! それともう一つ、こちらまだ未確認なんですが、政府は航空各社の海外への便を、急きょ全面的に凍結させたとの、そんな情報も入って来ています。恐らくは、来月に控えた大阪サミットを睨んだ上での、国際的な配慮からでしょう。このように、今後何らかの収集が着くまで、我々市民の日常生活にも、様々な制約が出てくるものと思われます」
 「これね、仮に地方が発生源だったとしたら、国の対応も大分違っていたろうね」穏やかに云うのは、しかしキレたら止まらないスッキリの論客、勝谷さんだ。