断捨るために Silhouette考察 | Stone & A Pig Place

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ストーンズのちギターときどきブルースところにより一時ジーンズ、そしてカメラ
からの新テーマ、グローブというか野球カード

結局、気になっていたギターは身動き取れない間に売れてしまったようです。
 
まぁ、ご縁がなかったですねー
 
 
でも、次なる機会に備えて断捨離は進めようと思います。
 
そのためにクリアしておかないといけないお題が・・・
 
それが、
「キースはなぜSilhouetteを使い、そして使わなくなったのか」
 

今日はこのお題に挑戦してみたいと思います。

 
 
キースは81年のツアーで黒のテレキャスターカスタムをノーマルチューニングのメインギターにしていました。
 
このときのSatisfactionは有名ですね。

 
さらにチャック・ベリーのトリビュートライブでも黒テレカスを使ってました。

 
 
その後、ミックとのいさかいの間に初のソロ作品を発表し、ツアーにも出ました。
ここで初めてお目見えしたのが白のMusicman Silhouetteでした。



さらに、ミックと和解を経て89年にストーンズとしてのニューアルバムSteel Wheelsを引っさげて久々にワールドツアーに出ます。
 
ここでもSilhouetteを弾きまくってました。

キース史上一番ギターがうまかった時期と言っても過言ではないかも。。。(?)
 
インタビューでもキースはこのギターを大絶賛。
曰く、
ストラトやテレキャス以来の名作、
とか
ミュージックマンにはグッときたな。万能選手として使い回しがきく。あいつらは煩わしさを取っ払ってくれたよ。
とかとか。
 
ちなみにスタジオ盤ではもっと弾きまくってました。

ストーンズが最もハードロックに近付いた時期と言っていいと思います。
 
 
さらにソロ第二作とツアーでは黒に持ち替えながらもSilhouette愛は変わらず。


そして、Voodoo Lounge発表時のインタビューでも「最愛の恋人」としてSilhouetteを挙げていました。
 
 
ところが。

その後のツアーでは、レスポールやレスポールジュニアシングルカッタウェイにその席を譲り、以降、レギュラーチューニングのギターはES355赤そして黒、フェンダーエクスワイア、レスポールジュニアで分け合う形になりました。
 
あんなに大絶賛していたのに、なぜ。。。?

という疑問を多くのキースファインが抱えているんじゃないかと思います。
 
 
まず、そもそもなぜSilhouetteをこんなに絶賛していたのでしょうか。

Silhouetteの魅力として、キースフリークの第一人者、筌尾正氏は
・メイプル指板にハムバッキングピックアップ(テレカスからの流れ)
・ネックの握り
・軽量
・シンプルなコントロール(1vol, 1tone)
を挙げていました。
 
ネックはキースも褒めていましたが、Silo20を使ってみてわかったのは、Silhouetteのネックって非対称なんですね。
この形状は確かに握りやすいです。
 
軽量なのも大事なポイントで、Voodoo LoungeツアーではSatasfactionでレスポールのヒストリックリイシューを使っていましたが、「レスポールは重いから・・・」と言う理由で(?)、このツアー限りで姿を消しています。
 
ソロでは、バンドのフロントマンとしてボーカルも取りながら、ソロもバッチリ決めることが求められる中で、こういった操作性や万能性が重要視されたんじゃないかと思います。
 
加えてサウンド面でも、HSHのピックアップ構成を見てもわかるとおり、かなり現代的なサウンドというか、ハードロック寄りな音が出ますが、80年代後半は例えばガンズ・アンド・ローゼズのようなハードロックバンドが人気を博した時代でもあり(彼らはストーンズのライブにゲスト出演もしています)、また、ミックとキースが過去のいさかいを乗り越えて新しいことに挑むときに、この、Silhouetteのトーンや使い勝手がフィットしたのだと思います。


 一方でVoodoo Lounge以降、ストーンズはプロデューサーとしてドン・ウォズを迎え入れ、
原点回帰のサウンド方向に向かったため、Silhouette的なサウンドは求められなくなったのでしょう。

また、ベースがオリジナルベーシストのビル・ワイマンからダリル・ジョーンズに替わり、ボトムの安定性が増したことで、キースのギターへの負荷が減り、手数の減った居合抜きのようなギタープレイに変わっていったことも、大きかったと思います。
 
さらに、メイプル指板にハムバッキングというのも、その後重視されなくなったのか、あのSatisfactionですら、ローズウッド指板にフロントピックアップがシングルのままのエクスワイヤで弾かれるようになったりしています。

 これは好みの変化というか、キースは元々レスポールやレスポールカスタム、アンペグのルーサイトギター等ローズウッド指板のギターを好んでいたので、元に戻った感じかもしれません。


そして、ES-355の黒という新しい伴侶を得たことで、ライブ中ノーマルチューニングを一つのギターでまかなうのではなく、ハムのES-355を中心に、シングルならエクスワイヤかレスポールジュニアとギターを持ち替えるスタイルになっていったのだと思います。
 
というわけで、すっかりツアーからは姿を消したSilhouetteですが、ストーンズ展でばっちり展示されていましたし、気まぐれなキースのこと(黒テレカスもその後5弦オープンGチューニング用としてツアー復帰)、また突然ツアーに連れて弾きまくる日が来るかもしれません。

そうなったら断捨離したことを後悔したりして。。。(笑)