重労働 | ロンドンつれづれ

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4泊5日の蓼科滞在は、初日の私の蜂刺さされが予定外だったが、なんとか目的を遂行することができたと言えよう。

今回はほぼ100%が木でできている築35年のログハウスのメンテナンスに出かけたのである。

この山小屋は昨年亡くなった父から譲り受けたものだが、過去5年ほどはほとんど訪れることもなく、手入れがなされていなかったのだ。

家の外回りに防虫、防腐の塗装を施し、室内に関しても、手入れが必要だった。

しかし、初日に私が蜂に刺され病院に行ってほぼ1日つぶれ、翌日は塗装に必要なツール類ゃ薬剤を手に入れるのに費やされた。

 

また、スズメバチの巣があって、ハウスの周りに刺す蜂がブンブン飛び回る状況での作業は危険、ということで、業者さんが来る3日目の午後まで、何もできない状況。こりゃあ、一体何しに来たんだか...。 ハチめ~!

一方、屋根の裏側まで塗装をするということで、見上げた屋根はかなり高く、手持ちのハシゴをかけても到底、手が届かないことがわかった。プロの業者さんは、家の周りに足場を組み、数日かかって作業をするようで、これを頼むと数十万円、おそらく少なくとも50−60万円はかかるということ。

 

 

 

 

 

どちらにせよ、蜂が飛び回っている間はどうせ何もできないし、お盆休みで塗装業者さんは皆連絡が取れない。ということで、ツール類を揃えてなんとか自分たちで作業ができないか考えた。

まだ蜂が居る2日目と3日目には、日曜大工の専門店に行ってリサーチ。お店の人をつかまえて色々と尋ねる息子。こういうときの息子は頼りになるのだ。何しろ工具好き、そして愛想が良く丁寧な口をきくので、お店の人にすぐに好かれて親切な対応をうけることができる。

20分も相手をしてくれた店員さんは地元の農家だということで、農薬などを噴霧するパワーツールを使うと、かなり高いところまで薬液が噴射できるということがわかった。

この噴霧器が8万円ぐらいするが、私はそれに投資することにした。

 
 

 

クレオソート液は14リットル缶で13,000円ほどである。こちらをとりあえず3缶手に入れた。あとはビニール手袋と噴霧作業専用マスクやゴーグル、柄の長いローラースポンジなどである。



家の低い部分、脚立で届く場所までは、古布やローラーを使って塗装した。知り合いの建築家さんに聞いたら、雑巾が一番良い、というアドバイスをもらったのである。

 

薬液やその他の必要品とパワーツールに、合わせて14万円ほど投資し、4日目に丸1日、3人で死に物狂いに働いて、なんとか大まかな塗装は終了したのである…。
 

 

 


細かなところ、電気の配線やガス釜や湯沸かし器のあるところはビニールの養生シートで覆ったので、その部分は翌日、東京に戻る日、5日目の4時ぐらいまでに雑巾で黙々と手作業をした。
 

 

 
 

 



実は息子は3日目の午後、蜂の巣の駆除後に窓を全開にして青空を見ながら野天風呂気分でシャワーを浴びていたところ、私がその窓側の落ち葉を掃きに行ったらビックリしてギックリ腰になったというのである。そういえば、「うわ!」という声は風呂場から聞こえてきた。

 

 

親に裸をみられたとて、何を驚くことがあろうか、バカなオトコだと叱責したら、ガサガサと音がして黒い頭だけ見えたので、クマかと思ったというのである…。

前日夜中も近隣の山で、野生動物が大声で鳴いており、おそらく鹿かキョンだと思うが、自称シティボーイの息子は、カマドウマを見ても逃げるので、クマだったらとても勝ち目はないと思ったに違いない。情けなし。

 

 

 

 



これで、手を蜂に刺されて腫らした69歳の母と、デカいなりしてギックリ腰の37歳の息子と、63歳の私の妹との3人で、このログハウスの外壁塗装を、たった1.5日でおこなうハメになったのだ...。

 

 

しかし、ヘトヘトになりながらも、パワーツールのおかげでなんとか全館を塗り終えて、室内にはバルサンを焚いて、東京に帰ってくることができたのだ。 

 

 

 

 

 

 

 

今回は避暑、あるいは観光はまったく抜きの、100%作業のための蓼科訪問であった。

 

汗をダラダラかきながら、長袖の作業着(スズメバチがまだ数匹飛び回っていた…)を着て、梯子によじ登って、臭い薬液にまみれながら作業をしたのである。


クレオソートを塗ったところはかなり色が黒っぽくはなるが、これで腐食や虫害を防ぐので、大事な作業なのだ。

 

 

 
 


そしてパワーツールはきちんと手入れをしておけば、3年後にまた使えるのだ。色々と買ったので合計で14万円ほどはかかったが、むだな投資では無かったと思う。

 

 

3-5年おきに60万円かかるよりは、安上がりではないか。もちろん、我々の労働は入れない計算であるが。そしてあと何年、こんな重労働ができるであろうか…。

 

 

噴霧器は、電気で稼働するものではなく、ガソリンのようなオイルを入れ、紐を何度も引っ張ってエンジンをかけるタイプで、バイクのキックスタートみたいなもの。これがなかなか難しくて、何度紐を引っ張っても、かからない。みんなで交代して、暑い中ヘトヘトになって、こりゃーダメじゃないの、使えないよ...となりかけた頃、息子がなんとかエンジンをスタートさせた。もちろん最初はうまくいかないが、あちこち調節し、何度かやり直したあと、やっとなんとか使えるようになった。

機械がうごきだせば、チマチマ手動で雑巾がけをしていた10倍以上の速さで、あっという間に薬液を噴霧し、お店の人の説明通りに7−8メートルの高さのある屋根の裏側にも楽々塗装することができた。一番高いところや屋根の裏側は、ぎっくり腰の息子に高圧噴霧をしてもらった。

 

 

 

 

 

 

 

昨日、渋滞の中央道を深夜に帰ってきて、今朝はもう福岡行の飛行機に飛び乗った。

 

今は、もう息子のマンションでこれを書いている。

 

さあ、今度は息子の転勤に伴う引っ越しの手伝いである。2週間しか無い。部屋の中は引越し業者からもらった段ボールだらけである。

 

やれやれ、私にのんびりと定年後の人生を楽しむ日々は来ないんだろうか。 どうしてこう、毎日が目まぐるしく忙しいんだろうか。

 

8月いっぱいで、後任のマタニティーカバーは終わることになっている。

 

しかし、9月からは、児童保護関係の組織のコンサルをすることになってしまった。 11月には、5月に渡英した専門家らによる、児童相談所やソーシャルワーカー向けのセミナー運営にも関わる。 どちらも今後の日本の児童保護に関する大事な仕事なので、引き受けてしまった。

 

仕事があるということは、幸せなことなのかもしれない。

 

きちんとした仕事をするためにも、熱意だけでなく、体力と気力はとっても大事である。

 

まだまだ私は健康で、かなり自分を追い詰めてもなんとかやりこなすことができている。

 

心身の健康を保つには、質の良い食事と、睡眠と、運動が大切である。

 

さ、明後日は久しぶりのスケートのレッスンです。とっても楽しみ! 

 

福岡での練習もレッスンも、あと1-2回しか機会がないけれど、仲良くしてくれた皆さんにもちゃんとお別れを言ってから引っ越したい。

 

また大阪にいったら、懐かしいスケート仲間に会うことができるから、それはそれで楽しみ。

 

体を動かす趣味があるって、とっても良いことだなあ。

 

スケートをやっていて良かったなあ。