どういう人選 | ロンドンつれづれ

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オリンピック組織委員会が14日、開会式の楽曲の担当者を発表した。

 

ところが、昨日その小山田圭吾氏というミュージシャンについてのニュースを読んで、ビックリした人は多いのではないだろうか。 私は彼のことは良くは知らないが、たしかヨーコ・オノと組んでプラスティック・オノ・バンドというのに関係していたことがあったのではないか、と思う。 その程度の知識だった。

 

なので、彼の過去の経歴などについては全く知らなかったのだが、ニュースによると小学校から高校生にかけて複数の「いじめ」を行っており、しかもそれを大人になってからとある雑誌のインタビューで、まるで武勇伝のように自慢そうに語っているものが残っているというのである。

 

さらに、その「いじめ」はどれも障碍を持つクラスメートがターゲットであり、インタビューでは複数の名前が出てくるのである。 また、その内容の詳細は最後まで読むことが耐えられないほどの残虐な身体的、性的、そして心理的暴行と虐待であり、簡単に「いじめ」という子どもの遊びのような言葉で表してその犯罪性を覆い隠してはいけないほどの、えげつないハラスメントであった。

 

これは明らかな暴行であり、著しい人権侵害であり、障害のある人に対する差別であり、未成年だったから犯罪に問われなかっただけのことだろうと思った。 まったくもって、五輪憲章の理念とは相反するものであることは明白である。

 

このインタビューの内容は既に翻訳され、英語圏のツイッターなどで話題になっているが、こういった人物をオリンピック、パラリンピックの開会式の音楽担当に選ぶという感覚は、国際的な常識からは考えられないことだと思うのだが、いかがだろうか。 組織委員会はどういうつもりで、こういう人選をしたのだろうか。

 

たとえ小山田氏が今は著名な音楽家になっていたとしても、この「いじめ」については本人が語るインタビューであり、謝罪の言葉もつい昨日やっと自身のソーシャルメディアで発表しているが、はたしてそれで組織委員会は幕を引いていいのだろうか。

 

中には「何十年も前、子どもの頃にやったいじめでしょう。それを今になってほじくりかえしてネットリンチをするのはいかがなものか」などといって擁護する著名人もいるようだが、それは違うんじゃないか。

 

人々が問題にしているのは、子どもの頃(とはいっても高校生の頃まで)の愚かな行為について、26歳にもなって得意そうにその目も当てられない詳細を雑誌にとくとくと述べている事実であり、成人しても自分が障碍のある人に対して加害者として犯した恥ずかしい行動を反省もしていないような人間にパラリンピックの開幕式の音楽をのうのうと担当させることに対して、人々は異を唱えているのである。

 

少なくとも、パラリンピアンとして東京に集う選手たちは、こういう人物の作った音楽で幕を開けるオリ・パラリンピックを心から嬉しいと思うだろうか。

 

私はこれを知った以上、この人物の作った音楽を聴いて感動を呼び覚まされるとは思わない。 オリンピック・パラリンピックの理念をまったく理解していない人物ではないか。


いったい組織委員会は、どういう基準で人を選んで仕事を任せているのだろうか。 そもそも、エンブレムの盗作から始まり、女性タレントをブタにするアイデア、そして今度は障碍のあるクラスメートを裸で縛り上げて排泄物を食べさせるという虐待者である。 森氏の男尊女卑発言が色あせて見えるほど次々とおぞましい人々がでてくるではないか。


問題のインタビュー記事は、「ロッキング・オン・ジャパン」(1994年1月号)と「クイック・ジャパン」(95年3号)に掲載された。小山田氏が通っていた私立小学校から高校で、障害者とみられる同級生2人をいじめていたと明かしたそうである。

 


小山田圭吾さん、過去の「いじめ告白」拡散 五輪開会式で楽曲担当 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
 

クイック・ジャパンの記事には「この場を借りて謝ります(笑)」との記述もあるそうだが、(笑)って、どういう態度だろうか。

以下、日刊スポーツでは当該誌から一部抜粋し「小山田氏が障がい者として紹介するAさんに対し、言語障害と決めてバカにしたり、段ボール箱に閉じ込めて粘着テープで縛り「黒板消しで『毒ガス攻撃だ!』ってパタパタやって」という行為を行ったりした小学生時代を告白。高校でも続き「みんなで脱がしてさ。(局部を)出すことなんて(Aさんにとって)別に何でもないことだからさ」と笑っていたことや「障害がある人とかって図書室にたまる」「きっと逃げ場所なんだけど」と認識しながら「みんなで見に行こう」と通ったこと、体育倉庫で「マットレス巻きにして殺しちゃった事件とかあったじゃないですか、そんなことやってたし、跳び箱の中に入れたり」と悪びれることなく明かしており、また近所の特別支援学校のダウン症の生徒を友人らと笑いものにしていた話が載っている。ほかにも排せつ物を食べさせたり、全裸にして性的虐待を加えたりしていたことを武勇伝的に語った雑誌もある。

 

上記の2冊の雑誌のインタビューがそのまま読めるサイトもあり、はっきり言って「靴を隠す」とか「ランドセルにゴミをいれる」というレベルの「いじめ」ではないことは一目瞭然であり、おそらく被害者に障碍があったために暴行や虐待が明るみにでなかったのではないかと思う。 それを重々承知でやっていたんだろうという点でも悪質の度が高い。

 

しかし、インタビューを掲載した雑誌では、いじめがあってから10年も経っての企画で被害者の自宅まで押しかけて母親や本人と会ったりしていて、常識を疑うのだ。 その中の母親のひとりは「当時自殺も考えた」と話しており、いかに被害を受けていた人々の心を苦しめていたかが分かる。 まだ社会復帰できていないという被害者もいたが、いじめが原因じゃないのか。

 

加害者にして見れば「何十年も昔の話」であり、いつまでもそのことで批判されてはたまらないという気持ちかも知れないが、被害者(やその家族)にして見れば、自分の一生を台無しにした相手である。 大昔の子どもの頃の話なんだから、今はもう関係ないと口を拭って済ませるようなことではないはずだ。

 

障碍のあるクラスメートをターゲットと決めて徹底的に虐めていた、暴行や虐待を行っていたという自覚と反省が自分にあるならば、なぜパラリンピックという、その行ないとはまったく相いれない国際的なイベントの楽曲を引き受けたのか。 恥を知らないと言うしかない。

 

これまた、まったく自分の過去のふるまいに対し反省も何もしていないからに他ならないだろう。 少しでも自分の行いを後悔していたなら、恥ずかしくて引き受けることなどできないのではないか。 もっとも少しでも反省していたなら、26歳にもなって2冊の雑誌に自分の恥ずべき行為を得意そうに話すことなどしていなかっただろうが。

 

 

ここで何よりも私が腹を立てたのは、組織委員会の態度である。

 

小山田某という人物が、ゲスなク●野郎だということは分かった。 残念ながら、世の中にはそういうクズも一定数存在するのだ。

 

しかし、そういう人物に、世界中に放映されるオリンピック・パラリンピック開催式という国際的な一大イベントの楽曲を任せ、こういう過去の行為が明るみに出ているというのに、「謝罪したのだからもういいでしょう」といって、そのまま仕事を続けさせようという組織委員会の姿勢である。

 

東京五輪・パラリンピック組織委員会は「小山田氏本人はこの取材当時の発言については後悔し、反省しており、現在は高い倫理観をもって創作活動に献身するクリエーターの一人であると考えている。開会式準備における小山田氏の貢献は大変大きなものであり、1週間後に開会する東京2020オリンピック開会式に向けて、引き続き最後まで準備に尽力していただきたいと考えている」と、辞任は求めない意向を示したという。

 

いくらツイッターで「深い後悔と責任」と謝罪したとしても、それは被害者に対して真摯に謝ったものとは取れなかったし、いじめから10年も経ってからの雑誌のインタビューに詳細を得意そうに述べたものが出版された時点で、すでにもうどんな謝罪も取り返しがつかないだろう。 

 

ツイッターで謝罪して、高い倫理観? 高い倫理観があるなら、最初からこの仕事は引き受けないだろう。

 

 

 

組織委員会、それでいいの?

 

本当にそれでいいの?と思っている国民はごまんといるでしょう。

 

 

こんなこと、子どもたちにどう説明するの?

 

「学校で障害のあるお友達がいたら、言語障害といってからかってもいいんだよ。段ボール箱に詰めてもいいんだよ。体育館でマットでぐるぐる巻いて、バックドロップしてもいいんだよ、死ぬかもしれないけど。 みんなで寄ってたかって、裸にしてしばって自慰行為をさせて、う●こ食べさせてもいいんだよ。 そんなことしても、大人になったらオリンピック・パラリンピックという晴れ舞台で、音楽を作らせてもらえるんだよ!」

 

 

組織委員会の言っていることって、そういうことなんだな。

 

彼をかばうようなことを言う人たちは、これが許されない人権侵害であるということに目をやろうとせず、子どもだったからしかたがない、あるいは時がすべてを解決するようなことを言うが、まったく的外れである。 いじめに時効などないのだ。 そしていくら子どもであっても、障碍を持つ相手に徹底的な攻撃を加えることが正しくないことぐらいわかるはずだ。 そして彼の場合、いじめといっても限度を越している。

 

抵抗できない相手に対し、複数で残虐な暴行と心理的虐待という人権侵害を繰り返し、「いじめ」というひらがなで言い換えて、罪の意識を軽くすること。 今回の件で人々が嫌悪し、怒っていることは「ネットリンチ」なんかじゃない。 裁かれる相手をすり替えてはいけない。 元インタビューを読めば吐き気がするほどの内容、薬物乱用やひき逃げよりもたちが悪いと思うだろう。

 

 

才能のある音楽家は他にたくさんいるのに、なぜよりによって、こんな人を選び出してきたのか。また電通か、あるいは誰か権力者のつながりの人なのかと勘繰りたくなる。 椎名林檎さんや野村萬斎さんを追い出しておいて、ブヒーブヒーの後はこれである。 まったくいったい何をやっているんだろう。

 

 

国際的にも理解を得られない、そして看過できないこういった背景が明るみに出たにも関わらず、上記のようなおためごかしの説明だけでそのまま進めようとする、五輪・パラリンピック組織委員会の情けなさ、恥ずかしさ。 

 

何よりも、組織としてまったく機能していないではないか、ありとあらゆる点で。 リスク管理能力がゼロといってもいいだろう。 丸川さんも嫌々なったとはいえ、一応担当大臣なんだから、もっとしっかりしろよといいたい。このままでは日本人のモラルってその程度、日本って国の人権意識ってその程度かと思われるだろう。 怒っている一般人の方がずっと良識がある。

 

日本の民意を無視してIOCと政府が強行する東京オリンピック・パラリンピックは、そもそもテレビでも見る気は最初からなかったけれど、こういう体たらくで恥ずかしいニュースが次から次へと出てくるから、黙っていられなくなるのである。 国際的に恥をさらすから・・・。

 

なにしろ、私が告げなくとも夫が英語のツイッターを出してきて、こんなのウワサになってるよ、と言ってくるんだから。 森さん発言も、豚のアイデアも、今回の凄惨な障碍者虐待・人権蹂躙の話も、みっともなくて私が夫にはわざわざ言わなかったことを、夫は英語圏のニュースやツイッターで読んで、私に知らせてくるのだ。

 

 

今回のパラリンピックは、小山田氏起用のせいで、世界中の障碍者、パラリンピアンから批判を受けることになるだろう。 インタビューのあのひどい元記事が、すでに英語になって出回っているようだから。 Sputnik Musicという音楽のサイトでは詳細を入れてすでに話題にしている。

 

JOC、ひいてはIOCの常識と良識が疑われることになるだろう…。 なぜ、これほどふさわしくない人物を起用して、オリ・パラの開会式の音楽を任せたのか。 そもそも、どういう基準で誰がこういう人選をしているのか、それすら私たちにはよくわからないのだ…。 ロゴのデザイナーにしても、ちゃんと公募すればよかったのに。

 

いくらもう人を取り換えるのが遅いと言っても、このまま進めてしまってよいわけがないのだが、そこの理解ができないのが日本の組織委員会なのである。

 

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この件に関して、ネットニュースで可笑しなコメントを見つけたので、いくつかご紹介。

 

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今年の五輪はどれだけ国民を逆撫で出来るか?という
ゲームでもしてるのだろうか?

 

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JOC内部に五輪大失敗するように動いてる人が大勢いるとしか思えないくらいの体たらくぶり。
これからも想像のはるか上をいくトラブルが起こりそうで、
オラわくわくしてきたぞ!

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組織内に五輪撲滅派がいるのでは
推進したい人選のはずがない

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ロゴパクリ疑惑、森の失言騒動、開会式ブタ演出と組織委員会はコンプラ意識と危機管理が駄目過ぎる。
正に日本の凋落を示すような大会になったね。

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何よりも
・コロナ騒動
さらに列挙すれば
・前JOC委員長の五輪招致贈賄疑惑
・メインスタジアム設計取り消し
・各会場設置案の迷走
・コンパクト五輪の破綻
・エンブレム盗作疑惑
・歴代都知事の相次ぐスキャンダル
・森前五輪準備委員長の女性蔑視発言
・開会式での渡辺直美ブタ仮装案
でもってついには
・今回の音楽担当者による過去の障害者イジメ
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小山田氏個人の問題以前に、起用決定の原則、ルールの緩さの問題だろう…

起用する前の身体検査も確認せずに、悪評が報道されてもまた確認しない…

国家的行事に関わる人について、いったいどうやって採用起用しているのか…?

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開会式作曲の小山田圭吾氏障がい者いじめ告白雑誌を入手 五輪理念に逆行(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

 

批評家の東浩紀氏「超法規的リンチよくない」小山田圭吾の過去いじめ問題で(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

 

過去のいじめ加害発言、小山田圭吾さんが謝罪 五輪開会式の作曲担当(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

いじめ過去謝罪の小山田氏 組織委は辞任求めず 開幕まで1週間 代えきかず(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

Tokyo Olympics opening ceremony music leader under fire for past bullying - The Mainichi

 

Tokyo 2020 unveils concepts behind Games’ Opening and Closing Ceremonies (olympics.com)

 

Cornelius Olympics Controversy | Sputnikmusic