ワクチン接種した | ロンドンつれづれ

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先日、予約してあったワクチンの接種に行ってきた。

 

時間は3時。午前中にシャワーを浴びて、ランチを食べて、必要書類を持って、車で30分のワクチンの会場へ。

 

予定の10分前には入り口に行ってください、とカーパークの係員に言われる。 名前など聞かれて、最後に「NHSをよろしく!」と。 こちらこそよろしく、ありがとう、である。 おそらく、ボランティアで手伝っている人たちであろう。

 

会場に行くと、入り口には4人ほどの人が立っていて、こちらもボランティアの人たちの様子。

 

 

名前とNHS番号をチェックして、あちらの部屋へ、と案内された部屋に。

 

 

椅子に座っている人は4,5人。 テーブルの前で30代の若い男性が長々と時間を使っている。 およそ10分近くも、なぜ自分がワクチンを接種できないのかをやり取りしている…。 テーブルには二人スタッフが座っているのだが、なぜか二人がかりで相手をしている…。これは英国ではよくあることである・・・。どちらか一人は待っている人に対応してくれ…。

 

待たされている中年の男性たちもちょっとイライラ。 でも若い男性はどうやらちょっと知的障害があるようで、それもスタッフが丁寧に対応している理由かもしれないし、男性たちも我慢している理由かもしれない。

 

やっと彼が立ち去って、順番が回り始めた。 3人目の私の番になってテーブルの前に行くと、名前や

NHS番号を又聞かれ、「なぜあなたはワクチンの招待が来たのですか」というので「65歳だからです」というと、「オウ、それならあなたの部屋はここじゃないわ、ここは65歳未満で、他の理由でワクチンをうてる人が来る部屋ですよ」というのである。そういえば、私の直前の男性は「歯医者だからです」と理由を言っていた…。

 

しかし、では、なぜ私をこの部屋に? これもイギリスではまたよくある話である…。入り口の人、私に年を聞いてから部屋を案内してくれ…。おかげで10分以上を無駄にし、見知らぬ4,5人の人と無駄に同席したではないか。 

 

そして大部屋に入ると、見回す限りでだいたい30か所ほどに机を並べ、一つに二人ずつのスタッフがついており、問診を始める。

 

お定まりの、「今日の熱は? アレルギーはあるの? これまでアナフィラキシーショックは?」などの質問と、あとは人種のチェック。 いつも「日本人」というのは項目に無いのだが、今日は担当のナースが「あら、ここかしら、白人で上記以外?」というので、いやいや、日本人ですけど、ここに無いからチャイニーズのところにしておいてください、と言ったのである。 「上記以外の白人」よりも「中国人」の方が日本人に近いだろう…。これもイギリスでよくある。日本人をどのカテゴリーに入れようか、迷うのである…。

 

こうやって性別、人種、年齢でワクチン接種のデータを集めているのだろう。 一人でも多くの人、多彩な人種、年齢層でデータを集めて今後の研究の足しにしてほしい。 

 

アストラゼネカのワクチンは、世界の途上国にいきわたるまでは、利益を出さないで原価で提供すると言っている。 保存温度も2-8度と通常冷蔵で可能。 1回分400円ほどと、他のワクチンに比べてべらぼうに格安だ。

 

 

ナースに「今日はアストラゼネカのワクチンですが、いいですか?」と聞かれる。

 

「もちろん!」と答えて左腕を出して、ようやくワクチン接種。 この時を待っていた!

 

針はインフルエンザのものよりも細いので、まったく痛くもかゆくもなかった。 いつ刺して、いつ終わったのかもわからないぐらい。

 

おかげで、写真を撮るのが遅れてしまった。 「あら、写真が間に合わなかったわね、でももう一回刺すわけにはいかないし・・・」とナースが。

 

 

 

「今日はお風呂に入っても何してもOK. 一緒にご主人が来ているのなら、15分待たずにもう帰ってもいいですよ。 もし体調に異変がでたら、111番に電話してね」ということで。

 

あとは矢印について、建物の外にでるだけ。動線は一方向、だれともすれ違わないようになっている。

 

最初に別室で待たされて10分を無駄にしなかったら、おそらく建物に入ってから5分もしないで出てくることができただろうというぐらい、あっという間だった。

 

出口の前でボランティアの方が、NHSについてアンケートをとりたいといって立っていた。 いくつかの質問に答えた後、「そのほかに何か言いたいことがありますか?」と聞かれたので、「こうやってコロナ関連の前線で仕事をしていただいて本当に感謝しています。どうもありがとうございます」とお礼を言って建物を出た…。

 

大江千里さんが2回目の後に強い副反応が出たというからちょっと心配していたが、翌日に僅かな筋肉痛のようなものがあっただけで、それも意識しなければ気が付かないほどであった。頭痛が出たらパラセタモル(鎮痛剤)を飲んで、と言われたが、それもなかった。

 

 

私の住んでいる地域のカウンティ(県庁)のウェブサイトでは、ワクチン接種を手伝うボランティアを募集している。 看護師、薬剤師の資格を持っている人々だ。さらに引退した医師などにも呼びかけている。その他に今日のように会場でやってきた人々の案内をする役割もボランティアの人々が担っている。 65歳以上の高齢者は募集していないが、50歳位に見える女性も、30代に見える男性も手伝っていた。

 

前回記事にした治験のボランティアもだが、こうやって多くの人々の貢献によって、イギリスではワクチンの接種がかなり予定通りに進められており、今日はニュースでもワクチン接種の効果がおそらくあと数週間で出てくるので、ロックダウンを解く日も近いと報道していた。 90%以上ワクチンが行きわたった高齢者施設に家族が面会に行ける日が近い、お母さんお父さんにハグしてもいいんですよ!と言われて涙ぐんでいる市民の映像も流れた。 

 

しかし、まだ「夏のホリデーの予約はいれないように!」とジョンソン首相が言っていた。これはジョークではなく、まだまだ浮かれるには早い、ということである。 マスクも手洗いも、ソーシャルディスタンスも守ってください、と。

 

 

ひとりでも犠牲者を減らすため、医療現場を守るため、そして社会を元に戻すため、多くの人が我慢して家族にも会わないできた。 そして不安を持ちながらもワクチンを接種することで、いろんなことができるようになっていくことを期待している。

 

 

 

外は少しずつ日が長くなり、春の気配がしているのである。

 

水仙のつぼみがだいぶ首を長くし、プラムの花も咲いている。 池が凍ることは今週になってめっきり少なくなった。

 

 

 

3月になったら、猫のミイナを庭に出し始めようと思っている。

 

次のワクチン接種は5月だ。 イギリスがもっとも美しくなる季節。 

 

それまでに人々が公園を自由に歩き回り、花々を愛でることができているように祈るばかりである…。

 

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副反応について:

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210221-00223746/ 

 

 

 

アレルギー反応、恐れ過ぎないで:

 

アナフィラキシーは「治療法確立」 コロナワクチン接種で専門家の見解は - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

 

 

オクスフォードのワクチンについて:

 

英オックスフォード大の新型ウイルスワクチン、どうやってこんなに速くできたのか - BBCニュース