He is not fighting against Nathan.... | ロンドンつれづれ

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スケートアメリカを見ていて、夫が一言。

 

Hanyu is not fighting against Nathan.  He is fighting against judges....

(ハニュウの戦っているのはネイサンじゃないよ。 彼が戦っているのはジャッジたちなんだよ)

 

 

スケート・アメリカでは、規定に満たないようなエレメンツにもジャッジがレベル4をつけたりしていることが気になりました。 スケーターたちは皆頑張って良い演技をしていたのに、本当に残念なことです。 

 

ところで、スケート・アメリカが終わって、ISUが通知を出しましたね。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/df638644d5b6e902617e250fd56a5a7fc36c8262

 

「得点は世界歴代最高や自己ベストなどISUの公認記録に反映しないと明らかにした。」

 

konnkino 

 

ISUの公認国際試合のはずのスケートアメリカでああいったジャッジング、スコアリングをしていることで、一応今季のGPSは最初から選手の世界ランキングなどには影響されないと銘打ってあったにせよ、万が一これが世界最高得点の記録や自己ベスト記録として使われるのならあまりにも不公平、という危惧をもった選手たちやスケートファンは多かったのでは?

 

おそらくISUにもかなりの数の問い合わせが入ったのでは、と想像します。

 

あとはロシア、中国、日本でのGPS開催ですが、おそらく日本を除いては自国の推し選手への爆盛りスコア大会になるでしょう…。 曲がりなりにもGPS, そうあってはいけないはずですが、今それを止めたらアメリカだけのやりたい放題の逃げ切りになります。

 

今季は四大陸選手権ももう中止になりましたし、スウェーデンでの世界選手権もどうなるか、まったく予断を許しませんが、もし開かれるようであれば、ぜひぜひきちんとした国際基準の公正な審査をお願いしたい。

 

フィギュアスケート競技は私の記憶する限り50年以上にもわたって審査に対しては常に疑惑の目を向けられてきました。 ある意味大変に政治的、と言ってもいいでしょう。 古くはロシア、今では北米勢も加わって、いわゆるフィギュア大国と言われる国たちがお金(スポンサー)と権力を駆使して政治的に牛耳ってきた、という歴史があります。 あるいは逆にお金と権力に利用されてきたのでしょうか。

 

そんな中でそういった後ろ盾もない日本人選手が個人の才能と努力だけでメダルをもぎ取ってきたことは称賛に価すると思います。 古くは伊藤みどりさん、荒川静香さん、高橋大輔さん、浅田真央さん、そして羽生結弦選手らは、有無を言わさずに100%自分たちの実力だけで勝ち抜いてきました。

 

北京オリンピックに向けて、選手たちだけでなくスケートファンも、気持ちよく心から全ての戦う選手たちを応援できるよう、スポーツの本質やスポーツマンスピリットとは何かに立ち戻った競技会にしてもらいたい、と心から願っています。

 

もしかしたら羽生選手がひとりのアスリートとして戦っているのは、ジャッジたちですらないかもしれません。 もっと大きな、オリンピックスポンサー企業という巨大な利権なのかもしれません…。

 

フィギュアスケートという競技では、選手一人一人が戦っているのは本来自分自身です。 自分が積み重ねてきた努力をここぞ!という本番でどこまで100%に近く出せるかは、ライバルがどうこうではなく、自分自身の問題です。

 

しかし、その努力にランダムな採点がなされる可能性があると知っていたら? 努力する意味がない、と思ってしまったら?

 

選手や私達スケートファンが望んでいるのは、選手の演技を正確に評価するフェアでプロフェショナルなスコアリングだけなのです。 それがあってこそ選手の努力が報われ,競技としての価値が認められ、スポーツとしての発展があるのです。

 

採点され、競技者の間で優劣がつけられるのは、バレエなどのパフォーミングアートと違い、フィギュアスケートがスポーツである一つの証でもあります。 その中で、アスリートであるスケーターたちは、1点でもスコアを上げるべく努力をするのです。 「勝ちたい!」と渇望するわけです。

 

そういったアスリートの純粋なモチベーションを保つためには、そしてファンの興味を保つためには、フェアなジャッジングは必須事項でしょう。 

 

 

しかし、あるいは羽生選手の興味はもう勝敗にはないかもしれませんね。 そして、彼はどこからも「勝て」というプレッシャーは受けていないでしょう。 2度のオリンピック・ゴールドメダリストは、もうその責務を押し付けられる立場にはいません。

 

彼はすでに飄々としてただ一人、自分の道を極めるのみというステージに入っているようにも思えます…。 たとえ採点で負けたとしても演技という芸術作品では勝てるという自信の元に、自分の選んだ哲学を通すことのできるステージに。

 

 

そろそろ、新プロの練習動画などを見せてくれるかもしれませんね…ファンのために。 彼の滑っている姿を見たい!というファンの願いが届いて。