1980年代、たしか洗顔料のCMの音楽だったと思う。
「エクボの~、秘密あげたいわ~」という澄んだ歌声が印象に残った。
それからしばらくして、テレビの歌番組で、このなんとも無邪気な天使みたいな顔をした女の子が出てきて、とてつもない歌唱力を見せつけてくれたのである。
色白の陶器みたいな肌をして、化粧の薄い、つぶらな一重瞼は、それまでの「芸能人」とは違い、本当にフレッシュにあどけなかった。 しかし、当時でも彼女は髪型から化粧まで、きちんと自分に似合うスタイルにこだわり、あのパステルカラーのフリルのたくさんついた衣装も、彼女のアイデアだというのだから、自分の強みをよく分かってプロデュースしていた、プロだったということだろう。
その後何年、彼女は日本の歌謡シーンに君臨しただろうか。 日本中、老若男女、だれに聞いても「松田聖子」を知らない人はいなかったのではないだろうか。 そのぐらいの国民的人気があった。
「せいこちゃ~ん!」という野太い男子の声援だけでなく、「ぶりっこ」と言われながらも同年代の女子の圧倒的な支持を得つづけて、息のながいディーバの代表となった。昭和から平成にかけて常に現役で走り続けている。
美人じゃないのに、どうしてこんなに愛らしいんだろう。 この一重瞼がまた、可愛かったなあ。