スケートアメリカ女子ファイナル | ロンドンつれづれ

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宮原選手の優勝でしたが、坂本花織選手の健闘ぶりは見事でした!

 

パワーのあるクリーンな演技。 ジャンプは安定しており、本当に安心してみていられました。

また、表現力もシーズンごと、試合ごとに良くなってきている感じです。ルッツに!がついただけで、ほぼすべてのジャンプで+GOEです。

 

B・ユーロの解説付きの動画を感謝してお借りします。解説者はサイモン・リードとマーク・ハンレッティ。

 

「四大陸で優勝したサカモト選手です。 SP1位のミヤハラに僅差でつけてます」

 

 

演技中「ミヤハラにプレッシャーをかけてますね・・・」とサイモン。

 

This is a gougeous performance....!とサイモン。

 

「大変によく訓練されていなければ、このプログラムをこれだけ最後までパワフルに演じることはできませんよ」とマーク。

 

「ここでタイトルを取るかもしれません、それほどの演技でした!」とサイモン。「パワーがあるだけでなく、芸術性も高いですね!」

 

「昨シーズンはアメリで滑りましたが、ブノワ・リショーがこれも振り付けてます。そのチームワークが成功していますね。たくさんのお花をもらってますね。シーズン初期のこの時期に、これだけ完成したエレメンツ。ジャンプがソリッド(安定)です。」

 

「失敗するとは思えないよね。あともう4分できますよ、っていう感じ」とサイモン。

 

「その通り、その通り。日本人スケーターは本当によく練習しているので・・・。ちょっとぐらい軸がぶれていても、きっと着氷すると思いますよね。カオリのスタイルは、マリン・ホンダの持つ美しさとは違うかもしれませんが、フルパッケージです。 曲の解釈とコミットメントがあります。 そして、トリプル・ループの直後、フォーリング・リーフジャンプ。 ジャンプ前のステップにしろ、プログラムはGOEを高めるためにデザインされています」とマーク。

 

「121点を取る必要がありますが、ロンバルディアでは130をとってます。 ああ、142点!あと二人いますが、今は彼女がリードしています」

 

 

 

 

 

今年、ジュニア1年目のソフィア・サモドロワ選手。

昨年のザグレブのジュニア選手権では表彰台の後で山下選手と仲良く写真を撮ったりして、優しくてかわいらしい選手です。 シニアのGPS初戦。SPでも笑顔がなく、すごく緊張している様子がわかりましたが、この演技! 見事3位に入りました。 バーレスクの曲に合わせてジャッジにアピールする振り付けがあったり、フィニッシュのポーズがかわいくて好きですよ! 最後のジャンプのあとに、ちいさくガッツポーズもでましたね。

「本当にシニアGPS初めての16歳? すごいね!」とサイモン。

「はは、二人の日本人選手があれだけの演技をしたあとでてきて、この演技。たいしたものですね!」

「ロシアのジュニアナショナルでは11位ですよ、これで。昨年のジュニアグランプリで2度優勝してファイナルにも出た。それでもジュニア世界選手権には選ばれなかったんですから。ロシアにはそれだけの選手がいる。16歳って言ったらまだジュニアでもいいはず。もしかしたら、GPSシニアサーキットの方が出やすかったりして?」

ほとんどのトリプルを腕をあげてのジャンプ。

3位が決まって、うれしそうです。ミーシン父さんも、うれしそう。

 

 

 

本田真凛選手。 解説入りの動画は見つかりませんでした。

 

SPはアンダーロテーションはとられましたが、ほぼクリーンに滑りました。 フリーでは、最初のコンビネーションで転倒してから、メンタルに影響がでたんでしょうか。 あるいは、2番目のジャンプ着氷の時、ちょっと膝か足首を痛めたかもしれませんね。 どちらにしても、ダブルやシングルにしてしまったジャンプ以外のほとんどのジャンプで回転が足りずに降りてくるので、進行方向とブレードの向きが合わないための失敗、転倒が相次ぎました。

 

プロトコルにも>(回転不足)や>>(ダウングレード)がたくさん。!(アンクリアエッジ)も二つもついています。 つまり、今回の演技は、ジャンプが問題だった、ということです。ビデオをスローにしてみると、最初のコンビネーションジャンプも着氷時のブレードの向きがほぼ真横、あるいは前向きに降りてから回転をしています。これでは転倒、あるいはダウングレードをとられてしまいます。

 

しかし、その他の部分は美しく、完成すれば、とても素敵なプログラムになることが予想できます。最後のスピンへのランジからの入りも美しいし難しい。 膝の怪我は転倒時ではなく、ドラッグをした時に氷でひっかいたのでしょう。 

 

キスクラでアルトニアンコーチの言葉を聞いている真凛ちゃん。言われてることはわかってるのかな、と夫が心配していましたが、まだ英語でのコミュニケーションが難しいのかもしれません・・・。

 

 

課題ははっきりしました。 要するに、修正中のジャンプがまだまだだ、ということです。 ジャンプ修正は時間がかかります。 次のGPサーキットは11月末のフランスです。 それまでにジャンプをもっと準備してくれば、ここまで崩れることはないでしょう。 SPも、転倒はありませんでしたが、アンダーロテーションはとられていました。それでスコアが伸びなかったのです。

 

しかし、これは予測されていたことかもしれません。ジャンプ修正中はいったん崩れ、そこから上向きになっていくはずです。 ジャンプは練習すればするほど上達するエレメンツです。 きっと大丈夫。 今年はまだ準備ができていなくとも、2,3年かけてオリンピックイヤーまでに間に合わせよう、とアルトニアンコーチは思っているかもしれません。 焦らず、気長に、そして投げ出さずに根気よく練習を重ねてください、真凛ちゃん。

 

ここで負けてはダメですよ! 今がボトム(底)だと思ってください。ここからは上がっていくだけです。

 

フランス、グルノーブルの大会に元気にやってくることを待っていますよ!

夫も私も現地で真凛ちゃんの演技を見ることを楽しみにしていますよ!

 

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この後、日本のスポーツニュースを見て、練習中に右足首を痛めていたと話していることがわかりました。 それは本当に残念でした。 次のグルノーブルまでにしっかりなおして、今度こそ万全の健康で臨んでください!。