昨日、グランプリファイナルのチケットが、海外のファン用に売り出されたらしい。これは、外人専用のオンラインチケットサイトで、外国のクレジットカードでないと購入できないものだそうである。
ところが、発売になって2分もしないうちに、チケットは売り切れてしまった、と英語のファンサイトで話題になっているらしい。 「人間が手動で座席を選べる前に、チケットが売り切れた!」と書き込んでいる人が大勢いるようである。座席を選ぶと「売り切れ」の文字が出て、別の座席を選ぶとそちらも売り切れになってしまった、という。
これは、チケットなどを買い占めるプロのダフ屋が、それ専門のソフトウエアを使って買ってしまったのではないか、という声も上がっている。 そうだとするとひどいじゃないか。 このチケットサイトは、海外からつないで海外のカードでなければ購入できないというから、日本の旅行代理店のしわざではなさそうだが、やっぱり一人一人の善良な外国人ファンが買っているとは思えないスピードでチケットが売り切れているようである。 では、中国あたりにもチケット買い占めのダフ屋がいるんだろうか、そして高額でどこかで売り出すのであろうか?
買い占められたチケットが日本で売り出されたら、大笑いである。値段をどれほど不当に吊り上げても、日本人ファンなら買うかもしれないと思われて何十万円もの高値で売られるかもしれないのだ。確かに日本でのチケットのデマンドは高いだろうが、そんなことになったら日本で行うグランプリファイナルの会場には、ほとんど外国人のお客様が来られないという競技会になってしまうではないか。 海外のファンは頭から湯気を出して怒るだろう。海外の試合には日本人のファンがたくさん押し掛けるというのに・・・。
これまでも、日本ではチケットの高額転売のおかげで、ダフ屋などのプロがチケットを買い占めてネットのオークションサイトなどで何十万円もの値段をつけて売り出す、という犯罪行為が横行してきた。何度か記事にしたが、ロンドンオリンピックの時のように、一人数枚(多くても家族の分まで)と決めたうえ、本人でなければ入場できないというシステムを徹底したらどうかと思っていた。 うっかりすると航空券と同じぐらい高い入場券である。 空港でやるのと同じぐらいの本人チェックができないわけがないと思っていた。
そしてどうしても当日いけない人たちのためには、公式の転売サイトがあって、定価で他の人にチケットを譲るというシステムを、これもロンドンオリンピックの時のように作るべき、と何度もブログでも書いてきた。
しかし、日本ではこれまでプロがチケットを買い占めてそこで不当な儲けを上げて、一般のファンたちからフィギュアスケートを楽しむチャンスを奪っていたのである。皆さん、もっと怒ってもいいんじゃないかと思っていたが、あんがい一生懸命お金を集めて20万円、30万円というチケットを手に入れたりしているのが不思議だった。
今回、スケート連盟ははっきりとNHK杯のチケットの転売を禁止する公示を出した。そして、その代わりにチケットを買った個人がなんらかの事情があって会場に行けない場合、チケットを「定価で」転売できるというシステムを(やっと!)確立したらしいのである。このルールはきっとGPFにも適用するであろう。
下のリンクに詳しいことが書いてあるので、皆さん行って読んでみてください。
大事なところだけをコピーして書くと、以下のようである。
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NHK杯公式チケットトレード
http://emtg.jp/feature/nhkf17_p/trade/
公益財団法人日本スケート連盟は、一人でも多くのスケートファンの方に競技会をご観戦いただくため、営利目的とするチケットの転売を一切禁止しております。
万が一、公式プレイガイドや公式チケットトレードなど以外で購入したチケットであることが判明した場合は、入場をお断りいたします。ご入場後に判明した際も、ご退場いただく場合がございます。
また、いずれの場合でもチケット返金、キャンセルは一切お受けできません。また、公式プレイガイドや公式チケットトレード以外で購入したチケットによる、売買・入場のトラブルについては、主催者は一切責任を負いません。
なお、チケット購入後に、急遽行かれなくなってしまった場合は、定価でチケットの取引ができる、「2017NHK杯大会公式チケットトレードサービス」をご利用いただけます。
- トレード実施期間
- 電子チケット
【通し券】2017年9月25日(月) 正午〜2017年11月6日(月) 午前11:59
【単日券】2017年9月25日(月) 正午〜2017年11月9日(木) 午前11:59 - 紙チケット
【単日券】2017年9月25日(月) 正午〜2017年11月2日(木) 午前11:59
- 大会前日の午前11:59までトレードが可能です!
- チケットトレードは定価での取引です!
別途、以下の手数料が必要です。
【出品】トレード手数料 ・通し券:1350円(税抜)/枚 ・単日券:450円(税抜)/枚
【落札】トレード手数料 ・通し券:750円(税抜)/枚 ・単日券:750円(税抜)/枚
※別途電子チケットシステム利用料 - 落札されたチケットはすべてスマートフォンの電子チケットで表示します!
第三者へチケットを転売する行為は、理由・目的を問わず一切禁止です。
- 公式プレイガイドや公式チケットトレード以外を利用したチケットは入場をお断りする場合がございます。
- 公式プレイガイドや公式チケットトレード以外で購入したチケットによるトラブルが多くなっています。公式トレード以外への入札は絶対にお止めください。
- トレードは抽選制となります。お客様を指定できるトレードではございませんので、ご了承ください。
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また、チケットを売っているオンラインサイトにも、以下のように転売を禁ずる文章がある。 転売の禁止とは、売る方だけでなく買う方も禁止、ということである。
うっかり怪しいオンラインサイトで何十万円も出してチケットを買っても、入場できないということである。
また、ダフ屋行為は犯罪ですが、それとわかっていて買う方も処罰されることを理解しておいた方がいいでしょう。
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ろーちけHMVより
http://l-tike.com/sports/mevent/?mid=297988
【チケット不正転売について】
チケットの営利目的による不正転売を固く禁止いたします。万が一転売が判明した場合、対象席のチケット所持者は入場をお断りいたします。また入場後に転売が判明した場合も、ご退場いただく場合がございます。
【入場時の身分証の確認について】
チケットの不正転売を防止するため、ご入場の際に予告なくご本人様確認のため身分証明書をご提示いただく場合がございます。身分証明証をお持ちでない場合、いかなる理由でもご入場いただけません。その場合、チケットの払い戻し・交通費等の負担はいたしません。あらかじめご了承ください。
なお、身分証明書については下記のとおりです。
※1点で身分証として認められるもの
パスポート、運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード(写真付き住基カード)、外国人登録証、写真付健康保険証、身体障害者手帳。
※2点で身分証として認められるもの
購入者の名前が刻印されたクレジットカード、健康保険証、住民票、戸籍謄本(抄本)、印鑑登録証明書、年金手帳、社員証、学生証、アイスクリスタル会員証。
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この厳しいシステムがしっかり周知徹底されて、何十万円もする高いチケットが転売されていても、うっかりお金を出して手に入れる人がいなくなることを祈っている。
今後、入り口での本人チェックはかなり厳しくなるだろうから、転売サイトで買ったチケットを持って会場に行くことはかなりリスキーなのである。
まず、そういうチケットを買ったご本人が大変な損をするだろうし(当日、入場できなくても自己責任ということで)、何百枚ものチケットをプロが買い占めて高額で転売することで、そもそも適正な値段でこのスポーツ競技を楽しもうという純正のファンたちから、その権利を奪っているということなのだから。厳しいようだが、正当なチケット購買者であり、スケートファンの我々を守ってくれるシステムであり、長い目で見ればフィギュアスケートというスポーツが公正でクリーンなスポーツでいつづけるためには大切なシステムである。
こういうことは、売春産業と同じことで、需要がなくなれば、供給もなくなるはずである。 買う方がいなくなれば、売る方もいなくなるのである。