ダイアナ妃、僕たちの母、その人生とレガシー | ロンドンつれづれ

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英国王室のメンバーは、国民に大変人気がある。

 

女王陛下をはじめ、もう亡くなったがQueen's Mother, 女王陛下の母親、夫のフィリップ殿下、そして嫁に入ってきたダイアナ妃、その二人の息子、ウイリアムとヘンリー、ウイリアム王子の妻のケイト妃など、国民に愛されるキャラクターが揃っている。

 

中でも、女王陛下にとって嫁にあたる、プリンス・チャールズの妻、レディ・ダイアナ・スペンサーは、結婚前から大変な人気であった。 王室とは遠い親戚、子供のころからチャールズのことを知っていたダイアナは、この年の離れた王子と結婚できることをとても喜んでいたという。

 

しかし、結婚してみれば、チャールズは昔から好きだった年上で人妻のカミラ夫人への愛を貫いており、幼いダイアナ妃に相談しないようなことも、カミラには相談していたのである。 夫婦間は数年のことで冷え切っていった。 二人の王子を生み、育てる間にも、チャールズとダイアナの間には、信頼と愛情がはぐくまれることはなかったのだ。

 

ある意味、若くて美しいダイアナに心うつりすることなく、年上でどちらかといえば「醜い」カミラへの忠誠心を持ち続けるチャールズは、純粋だったと言えよう。 カミラは美しくはなかったが、話していると面白い人間的に魅力的な人のようである。 まして、19歳の若妻を得た40歳近い男にとっては、ダイアナの幼さと愚かさは、魅力とは映らなかったようである。

 

しかし、英国民はカミラを憎み、ダイアナに同情した。 夫婦仲が険悪になりダイアナは王室の悪口をメディアにいくらでも漏らすようになった。 夫婦ででかけた渡航先の国々でも、そっぽを向き合うチャールズとダイアナの写真がでまわった。確か日本へ外遊した時も、仲の悪そうな夫婦の写真を見た記憶がある。

 

女王陛下はこの状況に胸を痛めており、口の軽いダイアナの素行を苦々しく思っていたのだ。 そのうちに彼女はいろいろな男性と浮名を流し始める。 これがメディアの恰好の餌にならないはずがない。 いろいろなスキャンダルが英国のタブロイドをにぎわせはじめ、姑としての女王陛下の人気もガタ落ちになってきた。 王室は、ダイアナとチャールズに離婚をせまったのである。

 

そして、ダイアナはドディ・アルファイドというアラブ系の男性と付き合い始めた。父親は大金持ちでハロッズという伝統あるデパートなど英国の由緒ある不動産を買い占めていた人物である。 「ダイアナがドディと結婚して子供を産んだりしたら、ウイリアムとヘンリー両王子に、父親違いのアラブ人の兄弟ができてしまう」と王室は心配したとかしないとか。

 

なので、パリで自動車事故でダイアナがドディと一緒に亡くなった時、英国民は「英国王室が殺したのでは」と噂をしあった。 そして、ダイアナの死亡に関して公式なアナウンスを行わなかった女王陛下の人気は地に落ちた。 女王陛下にとっては、ダイアナは数々のスキャンダルで王室を悩ませ、息子が離婚して縁をきった人間だったのである。 当時のトニー・ブレア首相はスコットランドのバルモラル城まで出向き、女王陛下にテレビで国民に対し、ダイアナの死について公式に一言話した方が良い、と勧めた。

 

そして、チャールズの希望もあってダイアナの遺体は王室専用機によりロンドンに引き取られた。 バルモラル城にいた女王はチャールズやブレア首相の説得もあり、ロンドンに戻ってテレビで国民に向かってダイアナへの弔意を発表、その後王室による準国葬が行われたのである。 

 

一連のダイアナ妃のスキャンダルを通し、英国民の中にはダイアナ妃の行動に呆れている人もいたが、彼女のファッションなどは相変わらず国民の注目の的で、なんにせよ、最初は一生懸命だった19歳の女性がここまで王室に不満を持つのは、やはりチャールズがダイアナを誠意をもって愛さなかったからなのだ、と人々は彼女を悲劇のプリンセスとしてみていたようだ。 そして姑である女王がチャールズをしっかり叱らなかったからだ、と。

 

なので次の王は、チャールズを飛び越してウイリアムにした方が良い、という意見も根強いのである。カミラさんは相変わらず人気がないし。ケイト妃の方が美しくて見栄えがするし。 

 

ケイト・ミドルトンさんは才色兼備で、セント・アンドリューという大学でウイリアムと知り合って結婚したのだが、ダイアナと違って頭がよさそうだともっぱらの評判である。 ダイアナと違って余計なことをメディアに喋らないし、夫婦仲もよさそうだ。たまにミニスカートを女王陛下に注意されるが、ファッションも英国のデザイナーのものを上手に着こなしている。 子供も、王子と王女を上手に産み分けて、きっとあと一人王子を生むだろう、と。

 

ケイトはウイリアムの妃として勤めを果たし、弟のハリー王子とも仲がよい。 この3人の若い王族はいろいろなことを正直に話すので、国民からの支持が高いのである。 女王陛下は「王室のものは、一般人と同じように考えていることを軽々しく口にしてはいけない」と話しているそうだが、あす、24日にはウイリアムとハリーが、彼らの母親であるダイアナ妃について語る番組がITVで放映される。 1997年に亡くなって20年たっても彼女の人気は衰えないのだ。

 

People's Princess と、時の首相、ブレアは彼女を追悼した。 離婚してプリンセスではなくなっても、人々の心の中で、チャールズの妻でありプリンセスであるのは、カミラではなくダイアナなのである。 二人の王子、ウイリアムとヘンリーの母親、ダイアナなのだ。 ウイリアムが王になれば、ダイアナは国母になる。 

 

ウイリアムとヘンリーは王室に新しい風を吹き込んでいる。 ケイト妃も併せて、色々なことを自分たちの言葉で話している。 国民は彼らを身近に感じ、サポートしている。 そのオープンな態度が国民から受け入れられているのである。 つい最近まで現人神でいた日本の天皇家では考えられない自由さであるが・・・。

 

 

Diana, Our Mother: Her Life and Legacy, ITV. Photograph: Oxford Film and Television

 

ウイリアム王子とヘンリー王子が、一人の母親としてのダイアナ妃を語る番組はきっとかなりの高視聴率になるに違いない。