イギリスの夏 | ロンドンつれづれ

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今回、ロンドンに飛行機が到着したら、ロンドンは思ったよりも気温が高かったのである。機長が「ロンドンは快晴、気温は27度」といっていたが、車についていた温度計は31度をさしていた。道路上の温度は、照り返しでより高くなるのである。そして、イギリスの車にはエアコンはついていない…。

英国に夏あそびに来られた方はご存知と思うが、ホテルも公共交通機関もタクシーも、エアコンを装備していることはほとんどないのである。私が帰国して以来、イギリスは(ヨーロッパは)ヒートウェイブの襲来で、毎日30度を超す日が続いている。

30度なんて、日本で考えたら「あたりまえの夏」なのだが、イギリスで30度を超したら、もう大騒ぎである。 月曜日から仕事に戻った私は、その朝から列車の遅延、キャンセレーションなどの連続で、エアコンのない地下鉄車内は50度近くまであがり、毎日「シグナル故障」「駅で火災発生のアラーム」、ひいては「運転手が時間に現れなかった」などというとんでもない理由で、顧客は苦しめられているのである。

昨日の新聞には、「イギリスの公共交通は夏の気温に対応できていない。毎日の列車の遅延、駅の混雑でネガティブな経済効果は絶大」と批判する記事が載ったが、まさにその通りである。おとといもキングスクロスの駅には、1時間以上遅延する列車が延々と掲示板に載っており、それを見守る乗客が何百人も掲示板の周りで噴き出す汗を拭いていた。そして、いったんプラットフォームが掲示されると、皆全速力で走りだし、通常よりも両数を減らした列車に乗り遅れないようにするために、熾烈な戦いが起こるのである。 記事には、「あちらこちらで乗客同士の喧嘩が起り、駅はカオスに」と書かれていた。



熱波は今やほぼ毎年欧州を襲うのである。気候変動のおかげである。「ロンドンの交通機関が対応できるのは、5度から25度まで」と記事は揶揄するが、たしかに寒いと言っては列車が止まり、雪が積もったと言ってはキャンセルし、暑すぎるといってはスピード制限をし、レールに落ち葉があるといっては運行を止めていては、話にならない。そもそも、地下鉄の駅も列車も、エアコンをつけてくれ!!! こんな温度の中で家畜を輸送することは、法に反するだろう。きっと動物愛護協会が黙っていないだろう。人間にも同じぐらいの愛情をそそいでもらいたいものだ。

車で15分で職場に到達する夫には私の苦しみはわからないだろうが、この数日、通勤に2時間も3時間もかかっている私が家に帰ると、夕食は作って出してくれる。「もう、仕事辞めたい」と私がいいだすのを恐れているのであろう…。

しかし、人間とは勝手なものだ。「イギリスには夏はない」と文句を言っている人たちが、30度を越して夏らしくなったとたんに、「暑すぎる!」と文句を言うのである。 それにしても、来週から日本を訪れる英国人の友人に「日本はもっと暑いからね!」と警告したら「でも、どこにいってもエアコンがあるでしょ、ロンドンよりましよ!」と言われた。確かにその通りである。列車もバスもタクシーも、そしてレストランもホテルも、一切エアコンがなくて30度を越している英国よりも、エアコン完備で38度の日本の方がたしかに過ごしやすいかもしれない。


しかし、私は夏は暑い方が好きだ。そして、冬は寒くて雪が降る方が好きなのである。はっきりした四季があって、おりおりの植物の変化や、人々のファッションをみたり、季節ごとの遊びを楽しめることが、人生を豊かにすると思っているからである。だから、今日も汗をだらだら流しながら、遅延した乗客率200%の混雑の列車に乗って、通勤をするのである。「ああ、暑い!」と文句をいいながらも、その暑さを楽しむことにしているのである。だって、イギリスの夏は本当に短いのだから・・。

その他の面白いニュースとしては、ポケモンGOと、ソフトバンクの英国企業の買収であった。ポケモンは、ゲームをしながら普段歩かないようなところに踏み込んでいくので、「死体を発見した」とか「地雷原に踏み込んでしまった」などという話題も提供しているようであるが、部屋に座ってじっくりとゲームをしているよりは健康的ではないだろうか。



しかし、このゲームもニンテンドーはキャラクターを貸しただけで、アイデアや企画をしたのはアメリカのベンチャー企業だそうである。なので、儲けはあまり日本には還元されないようで、「交通事故に会ったり、崖から落ちて危険だ!」という悪い評判ばかりがニンテンドーの責任にされないように願っている。

昔、子供たちの夏キャンプを企画運営していた時も、彼らの人気は「宝探し」と「肝試し」であった。その二つを組み合わせたようなポケモンGOは、たしかに人気がでるだろう。しかも、このスマホ専用ゲームは子供ではなく大人をターゲットにしているに違いないが、大人にも受けるのは、ハイテクを駆使しているからであろう。にくいアイデアではないか。日本の企業も、こういう斬新なアイデアを思いつく若者がいて、それを実現する先輩たちのいるのがどんどん出てきてほしいものだ。




さて、我が家のさくらんぼの木は、このところ機嫌が悪くてあまり実をつけないが、今年の収穫です…。

まだ早いんじゃないの、という夫の声を振り切って、つんで食べました。これ以上待つと、鳥にみんな食べられちゃうからね~~。









今年は、受粉作業をまったくしなかったにもかかわらず、洋ナシの実がたくさんなってます。リンゴも今年はけっこうなってるかな。実のなる木は、楽しいですね! もっと、ちゃんと面倒を見なくちゃ。

今、うちの庭はジャングルみたいですよ…。猫が、ライオンみたいにのしのし歩いてます。今週末は、さぼっていた論文をやらなくちゃだし、庭の手入れは、来週以降になるかな…。ああ、やらなくちゃならないことが多すぎる! 腰はまだ痛いし…。