去る7月16日に、英国の貴族院の一室で、広島と長崎の被爆者について語り合う集まりが開かれた。
貴族院顧問のレイアード卿主催の平和に関する集いで、戦後70周年を記念しての行事には英国議会の上、下院からの議員を含め、80人の聴衆者が集まり、日本とスカイプで繋いで、被爆者の声を聞いた。
日本大使館の公使が大使からのメッセージを読み上げ、また来週から行われる広島からの絵画の一部を展示して出席者に見てもらった。
被爆体験を証言したのは、84歳になる梶本淑子さん(84)。爆心地から2・3キロにあった学徒動員先の軍需工場で被爆し、爆風で倒壊した建物の下敷きになったという。
英国議会の一室と,広島平和記念資料館の一室を繋いで通訳を介してイギリスの聴衆に訴えた。
私は帰国中でこのイベントに参加することはできなかったが、うちの組織と共催ということで段取りの部分で随分と協力をしたのだ。参加した部下の報告を聞いたところ、議員を含め多くの人が集まって大盛況だったという。
広島の生徒たちの描いた絵も数点展示し、当時の子どもたちの気持ちも伝わったのではないだろうか。
英国は核兵器の保有国ではあるが、議員の中にもこうやって核廃絶と平和のための活動に力を入れる人たちがいることこそ、政治が健康なバランスを保っている証拠ではないかと思う。
多くの日本のメディアがこのイベントを取材したので以下にご紹介する。
読売新聞
日経新聞
時事通信
また、BBCでは広島の「被爆した路面電車」を取材し、8月の頭に放映するという。
広島県立美術館では、「戦争と平和展」を行っており、前にもご紹介した英国人フォトグラファー,カーク・パーマーによるビデオインスタレーション、"Hiroshima" と "War's End: An Island Of Remembrance"も展示されていると、カークから連絡が入った。
お近くにお立ち寄りの際は、ぜひでかけてください。
「忘れない」
そして、人類は歴史の中から何を学んだのだろうか。
それが一番大切なことなのではないだろうか。