吉増剛造さんは、現代日本を代表する詩人のひとりである。
イギリスで行われていた詩人の集まるイベント、レドバリー・ポエトリー・フェスティバル に参加され、私の所属する団体がその活動に助成金を授与した。
彼は、詩の朗読パフォーマンスの先駆者としても知られ、海外でもライブを展開。ロンドンでも彼の朗読パフォーマンスをお願いした。彼は、ご自身の詩と組み合わせた多重露光を使った写真でも有名であり、またロンドンでは薄い銅版のオブジェ作品を持ち込んで、それをハンマーでたたくなどのパフォーマンスをしてくださった。
©Gozo Yoshimasu
(ロンドンで、パフォーマンスをなさる吉増さん。広い部屋よりも、お客さんに近い、ここで床の上で、とおっしゃって・・・)
初めてお会いしたが、優しい目をした温厚な紳士で、彼の初期作品、エクスクラメーション・マークを連打した躍動するような詩からは、少しイメージが違う印象であった。また、お客様の中には、詩人の白石かずこさん(「浮遊する母、都市」)のお嬢さんと言う方も見えていて、吉増さんとの再会を喜んでおられた。
吉増さんは、74,5歳にはなろうか、しかしかくしゃくとした方で、広いほうのレクチャールームよりも、少し狭い階下のギャラリーでお話をしたい、と希望された。その方が、オーディエンスと近いから。また、窓が大きく、外のリージェント・パークの緑が気持ちがいいから。
『黄金詩篇』『王國』などの初期作品では、疾走感あふれる詩 を多数発表、中期以降は読点とリーダーを多用しての、ポリフォニー的構造を持った独特の文体へと移行したそうである。(詩にはあんまり詳しくないので、受け売りです・・・)
still image from the film series 'gozoCiné', 2013 ©Gozo Yoshimasu
先ごろ 文化功労者として選出 され、11月5日に顕彰式が行われると言う。詩人が選ばれることは非常に稀なことだというので、ご本人も大変に喜ばれている、という。
吉増さん、本当におめでとうございます!
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