ロンドンつれづれ

ロンドンつれづれ

気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

先日、東日本大震災からもうじき10年という時に、また東北地方で大きい地震があり、日本中が肝を冷やした。 それがあの10年前の余震だというのだから、.被災をした方々は本当に当時を思い出して怖い思いをし、気持ちが乱れたのではなかっただろうか。

 

このところ、福島の原発関係のニュースもいくつか目にし、震災復興は物心両面でまだ終わっていない、忘れてはならないことだと改めて思わされた人も多かったと思う。

 

 

今月の5日に、イギリス人ジャーナリストのお話を記事にした。

 

ITVのチャンネル4ニュースのニュースキャスターのジョン・スノウ氏と、英タイムズ紙のアジア担当、在日25年のジャーナリストのリチャード・ロイド・パリー氏である。

 

彼らは2011年3月に起きた東日本大震災にとても関係の深いジャーナリストたちである。 

 

その二人が、10年前の彼らの体験について語ってくれるイベントが、Daiwa Anglo-Japanese Foundationにより、3月2日にウェビナーで行われる。 

 

 

 

 

トークイベントは、3月2日、日本時間の夜9時から。

 

申し込みは以下のリンクか、上のBook Your Placeをクリックしてください。 氏名とメールアドレスを書き込んで申し込みは完了、無料です。 所属組織やポジションは無い場合はNoと書き込んでください。

 

追って、ウェビナーのリンクを当日までに主催者がメールで送ってきます。

 

10 years from the Tohoku Earthquake and Tsunami - Daiwa Foundation (dajf.org.uk)

 

トークは英語で行われ、質問等も受け付けます。

 

もし彼らに聞きたいことがあったり、事前にご自分の質問内容が分かっているようでしたらこの記事のコメント欄に書き込んでくれれば、ジョンとリチャードに伝えておきます。日本語で結構です。

 

彼らの詳細は私の2月5日の記事で読んでください。 下にコピーペーストしてあります。

 

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2月5日の記事

 

 

いよいよ今年の3月11日で、東日本大震災から10年目を迎える。

 

ここでイギリスのニュース・キャスター、ジョン・スノウ氏と、ジャーナリストのリチャード・ロイド・パリー氏をご紹介したい。

 

ジョン・スノウ氏はイギリスのインデペンデントTV,つまりBBCに対する民放のITVのChannel4 Newsという夜の番組で英国民が何十年も毎日その顔を見ていた有名なキャスターである。 もうChannel4 Newsを引退して今はフリーランスで仕事をしているようだが、まだITVに所属はしているらしい。

 

穏やかで知的、どんなテーマであっても広い知識と良識でコメントをし、イギリスではおそらくもっとも人気の高いキャスターだと言ってよいだろう。 また権力者に忖度せず、穏やかでありながら鋭く切り込むさまは、見ていても気持ちが良い、そういう人なのである。

 

ジョン・スノウ氏は、金曜日に日本で大地震と津波が起きたことを知り、翌土曜日にすぐ現地に飛んだ。自分の目で見てこの未曽有の大災害をレポートしなくてはならないと感じたそうだ。もう若くもない、そして彼ほどのポジションにいた人が、自分で危険な災害の現場に飛んで取材をするということがそもそも異例なのだが...。

 

極東で起きた自然災害を自分の目で見、足であるいて英国に伝え続けてくれたジョンの映像を、多くの英国人はショックと共に見つめた。 特に、日本に関係のある親日家の英国人にとっては、地震と津波、そして福島の原発の爆発という災害の雪崩のような様子を見ることは、耐えられないほどの苦痛、悲しみだったのである。

 

当時、私はロンドンで多くのチャリティイベントに関わったが、実にたくさんの英国人から日本に向けての支援が集まったのである。 小学校の子どもたちも含めて…。 サッカーの選手たちがグラウンドで「君たちは一人じゃない」と書いたペナントを捧げている様子も、小学校の子どもたちが千羽鶴を折って大使館に送ってきた様子も、覚えている。 クイーンのブライアン・メイも、ユーリズミックスのアニー・レノックスもチャリティ・オークションに出品してくれた。

 

アーティストは自分の作品をオークションに出し、音楽家はチャリティコンサートを開いて、日本への寄付を集めていた。ひとりふたりではない、競い合うようにして、支援をしてくれたのだ。

 

下は当時のジョンのレポートである。 10年たってもChannel 4はこの映像をアーカイブしている。

 

 

 

2013年に、ロンドンのジャーナリストのクラブ、フロントラインクラブで、イギリスのジャーナリズムの質の低下についてのトークがあって私はそれに参加した。 ジョンはその司会を務めていた。 自浄作用というか、イギリスのジャーナリストたちはタブロイドを含む自分たちメディアの低俗化を厳しく批判していた。

 

 

その場で私は何も発言できなかったが、あとからジョンにメールを送ったのを覚えている。 

 

「私はイギリスのジャーナリズムを尊敬している。 日本で大震災があった時、すぐにイギリスの高級紙はその第一面に大きく日本に対する応援の言葉を載せてくれた。しかも、日本語で。 私は日本の新聞が海外で起きた震災に対し、現地の言葉で応援の言葉を第一面に載せているのを見たことがない。 あれがどれだけ日本人の心を励ましてくれたかわからない」と。 

 

インデペンデント紙は、金を支払って読んでいるわけでもない日本の人々に向かって、被災者の言語でメッセージを伝えようとしてくれたのである。

 

すると彼はすぐに、「僕は津波が発生してすぐ翌日に日本に向かったので、その新聞のことは知らなかったけれど、教えてくれてありがとう。イギリスのジャーナリズムを尊敬していると言ってくれてとてもうれしい」と返事をくれたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、震災にあった東北の人々は、当時ニュースさえ見ることができず、自分たちの周りがどんな様子かもわからず、手に入る情報も限られていたことだろう。 雪の降る寒さの中、生きていくだけで精いっぱいだったに違いない。

 

しかし海外の日本人や、すぐに被災地支援のために動き出してくれた英国の人々のもとに日本の状況を絶えず伝え続けていたのは、とるものもとりあえず日本へ飛んだジョンを含むジャーナリストの人々だったのである。

 

 

 

そして、ここにもう一人。

 

リチャード・ロイド・パリー氏である。

 

彼は在日20年のジャーナリスト(インデペンデント紙からタイムズ紙に移籍)で、東日本大震災が起きた直後から被災地に通い続けた。 宮城県石巻市大川小学校の遺族に対し、6年に渡る取材を通して、巨大災害が人の心にもたらした余波を「津波の霊たち- 3・11 死と生の物語」という本にした。 だが、これは霊についての本ではない。 

 

子どもを亡くした遺族たちに何年もかけて丁寧に寄り添い、また被災者の言葉を聞いてカウンセリングを続けた僧侶にも取材したルポなのである。 もともとが英語で書かれた本であり、英国人ジャーナリストという第3者の目を通し、日本人の、そして東北人の死生観を冷静かつ繊細な目をもって伝えようとするものである。 

 

筆者は、霊の存在を信じることで子どもの喪失と折り合いをつけようとする遺族に寄り添う一方、裁判や教育委員会、責任の所在などといった面に関しては鋭く切り込んでいる。

 

大勢の子どもが犠牲になった大川小のことは10年経った今であっても、読むだけでも辛い内容であるが、震災の重要な記録として読み継がれるべき本ではないか、と思うのである。

 

私は彼の本が発行された2018年に英語版で読んだが、日本語版も早川書房から出されている。

 

 

 

震災の後、ロンドンで私は何度も震災関連のセミナーを開いた。それは原発のことであったり、海岸線の防波堤のことであったり、被災者のメンタルヘルスのことであったり、福島の被ばくの話であったり、被災した博物館の芸術品の修復のことであったり、被災児童の疎開先でのいじめのことであったり、ボランティア活動のあれこれであったりした。 

 

産業をどうやって取り戻そうか。被災地から去っていった人々をどうすれば呼び戻せるのか。町の復興は。風評被害は。

 

日本人だけでなく、イギリスの大学などが、震災関連の研究に多くかかわっていることが分かった。そして一般の人も、そういった分野に関心があるということも。

 

東北の大震災で失ったものはあまりにも大きく、取り返しがつかない。 しかし同時に、震災を通じて感じられたこと、学んだことも大きかったのではないか。

 

それは日本だけでなく、メディアを通して世界中に配信された映像や、震災をきっかけにして世界中で立ち上がった研究プロジェクトなども含まれるだろう。

 

同じ被害を出さない。 それにはどうしたらよいのか。 忘れないことで、将来守れるものがある。

 

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ジョン・スノウ氏についての過去記事はこちら。

ジョン・スノウ氏 | ロンドンつれづれ (ameblo.jp)

 

下は、パンデミックが始まった時に過去の疫病でも取材をしてきたジョンが、これまでの映像を交えて、コロナに立ち向かう心構えを英国民に訴えている映像。

 

 

 

下は、つい最近のジョンの様子。 

ワクチン接種の取材をしている。