10/12、講演会の為、来県した法政大学法学部教授でエコノミストの水野先生とご一緒する機会を得ました。

 

水野先生は、著作も多く、かねてより私の経営のヒントにもなっています。

「国貧論」

「資本主義の終焉と歴史の危機」

「株式会社の終焉」

など難しそうなタイトルなのですが、内容はわかりやすく、多くの方が共感できる主張が書かれてます。

 

その先生の主張のひとつが「経済成長を追いかけ続けることへの警鐘」です。講演でもその”不毛さ”を金利や投資、消費の指数、または貿易収支などのデータから数学的に解説していただきました。

 

こうした数学的分析とは別に、先生の魅力は経済学の社会科学的アプローチにあります。

・資本主義は元来国民のためにあるのではなく、資本家のためのものである。

・どの時代であっても資本主義は周辺から中心に富を集めることであった。

・資本主義は強欲と結びつき、際限なく拡大し膨張を続ける。

 

 

水野先生に以下の質問をしてみました。

私・・・「先生にとって経済学は、数学ですか?哲学ですか?」

先生(即座に)・・・「哲学です!」

 

哲学の目的とは「人間の幸福を探すこと」にあります。また経済の語源は「経世済民」であり、民(国民)を幸せにする仕組みをつくることです。したがって「経済学」は語意は完全に哲学なのですが、学術的に数学化してしまった今日、その本来の目的が忘れらています。

 

会社経営も全く同じ過ちを犯しています。経営が数学化してしまったことで、本来の「社員はじめ取り巻く人たちを幸せにする」という目的が抜け落ちています。それが、水野流に言えば、資本主義の終焉であり、株式会社の終焉であります。

 

では、今後私たちはどこへ向かうのか?先生の言葉では、「21世紀は、よりゆっくり、より近くに、より寛容に!の社会になり、その後世代を3~4世紀重ね、経済成長に代わる次の価値観の舞台が準備されていくだろう」ということです。

 

その詳細などは、次の著作でまとめられているとのことです。非常に楽しみです。