<GK>

■ウーカシュ・ファビアンスキ(アーセナル)

5試合程度しか出てない人間を選ぶのも何なのだが、わたしゃビックラこいちまっただよこいつのパフォーマンスには。宇宙的なポジショニングでポロポロ点を決められる様はかのデイヴィッド・ジェームズをはるかに上回る。


<CB>

■リチャード・ダン(マンC)

近年の好プレーは何だったのかというふらふらっぷり。とくに売りだった平面の強さが失われてしまった。ありえない体の硬さから繰り出すオウンゴールは職人芸。


■ウィリアム・ギャラス(アーセナル)

気合い逆噴射ボンバー。話題性を買った。


<右SB>

■ポール・マクシェイン(ハル→サンダーランド)

グリフィンとの激しい争いを制してランクイン。つなげない。抜かれる。遅れる。「穴とは」という好例。いつのまにかサンダーランドに戻っていた。


<左SB>

■アンドレア・ドッセーナ(リヴァプール)

クロスが売りのはずではなかったのか。


<CM>

■トム・ハドルストーン(トッテナム)

守備における進歩の無さ。


■ジェルソン・フェルナンデス(マンC)

向いてないアンカーをやらされたのは不運だったが、去年の良さが1mmも出なかった。


<右ウィング>

■デイヴィッド・ベントリー(トッテナム)

だから行くなとあれほど(ryいきなり下手になって、足にボールがつかないことつかないこと。


<左ウィング>

■フロラン・マルダ(チェルシー)

一流のいらいら師。CLのバルサ戦のような試合では良さが出るのだが。判断が遅く、流れを止めがち。相手を抜けないのも苦しい。


<FW>

■アフォンソ・アウベス(ミドルズブラ)

やっぱり今年もダメだった。良く動くのはいいが大事なとこで遅れすぎ。ふかしすぎ。


■ロビー・キーン(リヴァプール→トッテナム)

がっかり買い物大勝枠。


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次点


<GK>

■エウレーリョ・ゴメス(トッテナム)

グローブに油を塗って臨んだプレミアリーグ1年目。当然失敗(ある意味成功)


<CB>

■リオン・バーネット(WBA)

普通に下手くそ。サボろうとしすぎ


■ライアン・ネルセン(ブラックバーン)

足がついていかなくなってる。


<右SB>

■アンディ・グリフィン(ストーク)

相変わらずドリブルに弱いのなんの。彼がキャプテンでよく残留したもんである。


<左SB>

■ニッキー・ショーリー(アストン・ヴィラ)

くさびのパスが良くて好き。しかし今シーズンは明らかに移籍に失敗してちょっとヤケ。完全にルーク・ヤングにポジションを奪われる。


<CM>

■ポール・スコールズ(マンU)

しまりのないパフォーマンス。らしくない。反応、予測がいちいち遅かった。


■ダニー・ガスリー(ニューカッスル)

ドリブルで前に運べるしし、パスも通せる。パフォーマンスよりもフェイガンの足をへし折ったことで評価。


<右ウィング>

■ナニ(マンU)

そして誰も覚えていなかった。


<左ウィング>

■モルテン・ガムスト・ペデルセン(ブラックバーン)

地味にどうでもいいパフォーマンス。クロスの狙いどころはいやらしくて○


<FW>

■ベンジャニ(マンC)

絶望的な頼りにならなさ、プライスレス。どうせ前向いたって抜くほどのスピードないんだから素直にポストしてろ。しかもポストも後半からじゃないとエンジンがかからない。


■ディーン・アシュトン(ウェストハム)

試合出て。

ポイント

・代替不可能性

・個人のパフォーマンスの高さ>チーム成績


<GK>

■エドウィン・ファン・デル・サール(マンU)

多少鈍くなってもミスは少ない。無失点記録は立派。攻守の切り替え、最後尾からの攻撃のコントロール。


<CB>

■ネマニャ・ヴィディッチ(マンU)

リオと迷ったがリオ欠場時のパフォーマンスを買って。連係ミスも減ったし、予測が抜群に良い。

■ジョン・テリー(チェルシー)

なんだかんだで最少失点。気合いが入った時のノーミスっぷりは鬼。捌きは年々向上も、やはり無難にはたくだけに終始しているのは残念。


<右SB>

■ジョゼ・ボジングワ(チェルシー)

クロス、ドリブル、シュートで大暴れ。SBにマークが必要かどうか、というのは相手の戦術を大きく変えられるポイント。EUROで見られたマーキング能力の不安も大きく破たんせず。


<左SB>

■マイノール・フィゲロア(ウィガン)

黙々と左サイドを走る鉄人。押し込まれた後の反発力。


<CM>

■マイクル・キャリック(マンU)

やっぱうまいよねー。スペースをさりげなく埋めるので身体を張ってるように見えない。

■スティーヴン・アイルランド(マンC)

守備が大きく向上。タックルランキング3位、アシスト2位タイ、9ゴール。ムラのないハイパフォーマンス。シティ最高の選手。


<右ウィング>

■ケヴィン・デイヴィス(ボルトン)

涙の運動量。チェックしてハイボール毎回競って(しかも勝って味方に落とす)、取られたら戻って、奪ったらまた押し上げて。しかも11ゴール。


<左ウィング>

■朴智星(マンU)

お互いセカンドトップで中央が薄くなりがちなベルバトフ&ルーニーの2トップを鬼のスタミナ(こればっか)でカバー。ちょっと出場時間が少ないのが残念。


<トップ下>

■スティーヴン・ジェラード(リヴァプール)

やっぱすごいわこいつ。


<FW>

■ウェイン・ルーニー(マンU)

チームの頭脳。いつのまにか普通にパスとか上手になってる。


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次点

<GK>

■マーク・シュウォーツァー(フラム)


キャッチポロポロ病を克服。


<CB>

■ブレーデ・ハンゲラント(フラム)

ひどかった1年目から成長、きれいなラインコントロールと安心感。コンビを組んだヒューズも良かった。賢いコンビ。


■リオ・ファーディナンド(マンU)


割愛。強いて言えばおなじみのくっだらないミスがなかった。


<右SB>

■アルバロ・アルベロア(リヴァプール)

フォローのタイミング。クロスもそこそこ。守備でも速い。


<左SB>

■レイトン・ベインズ(エヴァートン)


ドリブルのキレ。クロスのいやらしさ。カバーもいい。


<CM>

■フランク・ランパード(チェルシー)

結局チェルシーはこの人次第。前線~中盤からの守備を統率するという点でも出色。


■リー・カッタモール(ウィガン)


タックル大好き血管破裂ボーイ。もともとパスもそんなに悪くないので、今後中盤から散らせていけると代表は確実。


<右ウィング>

■ディルク・カイト(リヴァプール)

量に質が伴ってきた。


<左ウィング>

■ロベルト・コレン(WBA)

ゾーンの間で浮いてもらってスルー。パス志向のWBAの中でも目立つ技術。ブラントだとクロスというオプションはあるが、パス回しに参加できない。FWにクロス用の選手もいない。


<トップ下>

■ティム・ケイヒル(エヴァートン)

前線でキープして散らせて飛び込んで、を一人でできる


<FW>

■ロビン・ファン・ペルシー(アーセナル)


苦しい時に必殺ロングパス飛び出しでチームを救う。

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惜しかった人

■タイタス・ブランブル(ウィガン)

■セバスティアン・バソン(ニューカッスル)

■ダレン・フレッチャー(マンU)

■スコット・パーカー(ウェストハム)


<的外れ補強選手権>

イングリッシュ・プレミアリーグのボトム10のあいだで冬の移籍期間に行われる「味のある補強選手権」はともすればビッグ4の間だけの関心ごとでしかない優勝争いよりもはるかに熾烈で、エキサイティングなものとなっている。

2007/08シーズンはダービー・カウンティがダントツの勝利を飾ったが、私がその立役者であることはこの1年半の間私とダービーの首脳陣だけの秘密だった。先日ようやく先方からの緘口令が解除されたので、僭越ながらここに自信の輝かしい功績を書かせてもらうことにする。



あれは12月の曇った、寒い日の午後だった。ダービーの移籍担当者、ジョージ・コンスタントプロスは私に電話をかけてくるなりこう切り出した。


「今回のチャンスは絶対逃すわけにはいかん。これを逃せばあと5年は昇格のチャンスはないだろう。」


「確かに、今年のダービーは今すぐチャンピオンシップに組み込まれても残留争いを演じそうには見えるな。」と私は皮肉を言った。


「そんなことは始まる前からわかっていたことさ。コリン・トッドとロビー・アーンショウで残留を果たせようなどといったい誰が思うかね?我々にとってはこちらの方がよっぽど重要なんだ。うかうかしてはいられない。サンダーランドはすでにラデ・プリカを手に入れたというし、ウィガンはホンデュラス人2人と話をつけたということだ。」ジョージの口調からは焦りがはっきり伝わってきた。


「それでいったいどうしようというんだい、ジョージ?」


「今すぐ新戦力を買い入れる必要がある。なるべく過去に活躍して、今は一線から遠ざかっている選手がいい。ビッグクラブにいたやつが望ましいね。たとえば、ここ数年のボルトンの偉業を知っているだろう?ピエールなんたらとフレディ・ボビッチを買ってくるだなんて、誰にも思いつかなかったことだ。」


「そういえば、フラムがヴィンチェンゾ・モンテッラを買ってきたことがあったな。」


「あれはあのシーズンの優勝をさらっていった。みんな感心したものさ。」


「年を食ったやつじゃなきゃだめなのかい?」私はまだ要領をつかめなかった。


「いや、そうじゃなきゃダメだということではない。どこかの国の有望な若手を買ってきてリザーブで遊ばせておいてもいいし、一人一人は有能でも全体として方向性がしっちゃかめっちゃかになっていてもいい。大事なのは、我々がそんな奴に頼ろうと考えるほど頭がおかしくなってしまった、と人々に思わせることなんだ。」


「フランシス・ジェファーズとマイクル・ブリッジズはどうだい?」


「フラニーはダメだな。あまりにも悪いイメージがつきすぎてる。みんなに受け狙いに走ったと思われてはダメなんだよ。あくまで補強の体をなしてなきゃならん。

ブリッジズが戦力になると思う奴は今やおらんだろう。今や我々は世界最強のフットボール・リーグだが、それでもやはりどこかに90年代の神秘的なにおいが残っている、と感じさせることが大事だ。」とジョージは力説した。


「ヨハン・エルマンダーは?」


「話にならんよ。それじゃ思いっきり普通の補強じゃないか。」私はちょっと悔しくなって、手もとの選手名鑑をぱらぱらとめくった。


「それじゃあ、エンリコ・キエーザは?」


「君もわかってきたようだな。しかし今は怪我をしていてまったく試合に出ていないはずだ。医務室に通わせるために35歳の男を買ってくることはできんよ。」


「カメル・メリアンなんかいいと思うがね。」


「悪くない。マンチェスター・シティは2年前にジャメル・アブドゥンを買ってそれっきりだったからな。しかしインパクトという点では少し弱いな。」


「どこかのイラン人を3人ばかり買ってきたらどうだろう。」


「中東は移籍金が高いんだ。しかしそのアイディアは悪くない。一応頭に入れておこう。」


「ディエゴ・トリスタンはどうだ。彼にジェラード・ロペスなんかつけたら優勝はもらったようなもんだぞ。」


「トリスタンはどこかイタリアのチームにとられちまったんだ。向こうはシーズンの初めからそれをやってるからね。」


「こうなるともう私にはジェイミー・キュアトンくらいしか思いつかんよ、ジョージ。」


「キュアトンじゃ弱すぎるな。まあいいさ、手を煩わせて悪かったね。」電話口からは彼の落胆がはっきり伝わってきたが、彼もこんなところで時間を無駄にしてはいられないと思ったらしかった。


突然私の脳裏にこの20年だれも思い付いていないような素晴らしいアイディアが思い浮かんだ。

「おい待てよ、ジョージ、いいことを思いついた。ローラン・ロべールとダニー・ミルズを買ってきたまえ。それにロビー・サヴェージを加えれば一丁上がりさ。ブラックバーンはスイス人のMFを買うって話だから、サヴェージくらいどうってことあるまい。この3人を一度に買ったと聞けば、サム・アラダイスだってひっくり返るぜ。」


「それだ!!今すぐ会長に連絡するよ。これで今年のタイトルはいただきだな。そうなった暁には、君をタヒチあたりに招待するよ。本当にありがとう。」


「なに、大したことじゃないさ。」




こうしてダービー・カウンティはプレミアリーグ史上最低勝ち点で降格したが、クラブ内にそのことを悲しむ人間は誰もいなかった。プレミアリーグの歴史上、最高のポイントで「冬の王者」に輝いたからである。