今、SNSで話題になっていることがあります。

 それは、「寒いね」と誰かに言われたら、それを「寒いから窓を閉めろ」という命令の意味に捉えて自分が窓を閉めなければならないと思ったり、「そのお菓子おいしそうだね」と言われただけで、相手が欲しがっているから自分が持っているお菓子を相手に渡さなければならないと捉える人がいるというお話です。

 そういった人達は、「人が意図も無いのに、ただ『美味しそう』という発言をするわけがない。何らかの意図があるはずだ。」と言います。

 

 一方、「裏の意味など無く、ただ『寒い』とか『お菓子が美味しそう』という意味で言っているだけで、『要求』と受け取られると、そういう意味で言ったのではないので困る」と言っている人もいます。

 そういった人達は、「寒いですね」「そうですね」とか、「美味しそうだね」「そうだね」という会話で交流が生まれていると捉えています。それは「共感」による交流です。

 そして、もし窓を閉める必要があったり、お菓子が欲しいのであれば、きちんと言葉で「お願いする」という段階を踏むべきであると言います。

 

 では、どうしてこのような認識の違いが生まれてしまうのでしょうか。

 それは、共感を司る「脳のミラーニューロン」の発達の違いです。

 

 「男性的なハートの傷」という記事で触れたのですが、脳のミラーニューロンは、子育ての過程で、健全な大人からの「ミラーリング」によって発達していきます。

 これは共感力のみならず、ハートの発達にも関わってきます。

(霊的進化により、ハートと脳はリンクするからです。詳しくはこちら)

 個人のスピリチュアルな進化にも影響してくるのです。

 

 機能不全家庭で育ち、健全な大人からミラーリングによる子育てを受けられなかった人にとっては、「自分の心の動きを言葉で表現し、それに共感する他者がいるだけで、そこに交流が生まれる」などという事は全く思いもよらないことでしょう。

 そればかりでなく、親等から(非言語的な圧力によって)常に何かを要求されてそれに従わなければならなかった場合、大人になっても「自分が求められていること」を探ろうとしてしまうのです。

 自分が要求されなかったにしても、親同士がそういうコミュニケーションの取り方をしていた場合、それが刷り込まれます。

 例えば、母親が父親から「喉が渇いた」と言われて、母親が飲み物を渡しているのを日常的に見ていた場合。

 しかも、「俺が欲しかったのはお茶じゃなくてコーヒーだ」などと言われて母親が怒られていた場合、子供はいつしか「相手の言葉の裏にある要求」を読む事が、大人のコミュニケーションの取り方であると思い込みます。

 「「不機嫌な態度」で相手をコントロールする人」という記事にあるように、言葉ではなく態度でコントロールしようとする場合もありますので、そういう家庭で育った子供は、無意識のうちに相手の態度の裏にある要求を読む、すなわち顔色を窺うことがコミュニケーションの手段として組み込まれます。

 

 そして大人になり、親から受けられなかった愛情を別の人から得ようとしたり、社会で自分の居場所を確保する為に、そのような要求型の人からの理不尽な要求に従おうとして、必死に「言葉や態度の裏にある相手からの要求」を探ろうとしてしまうのです。

 相手が実際に要求型の人で、それに無意識のうちに従い続けてしまった場合、最初はコントロールされている事に気付かないかもしれませんが、支配従属関係が日常化していき、態度が大きくなったり要求がエスカレートしてきた事に気付いて相手に従うのをやめようとした時にはもう遅く、「なぜ思い通りに動かないんだ」と責められることになります。

 よく、DVやモラハラの被害者が「なぜそういう人だと気付かずに結婚してしまったのか」と言われますが、コントロールされている人は、相手の意図を読み、さも自分が自発的にやっているかのような錯覚を起こしているので、支配従属関係に引き込まれていることに気付かないのです。

 

 もしあなたが意識的でいれば、支配的な人の思惑を知った上で、それに気付かなかったフリをしてスルーすることを選択することもできるはずです。

 支配的な人が非言語的な手段で相手を思い通りにコントロールしようとしても、その思惑通りに動かない人は、「使えないやつ」と認定されますから、支配的な人はやがて諦めて別の人を探して標的にするでしょう。 

 自ら相手の言葉や態度の裏にある意図や要求を探って、その通りに自分が動かなければならないという無意識の信念に囚われている人は、このような支配的な人にとって標的にされることを知っておく必要があります。

 

 もしかしたら被害者側も、別の人に対してはコントロールする側(支配側)に回っているかもしれません。

 これは被害者-加害者プログラムによるもので、役割はフレキシブルに入れ替わります。

 非言語的な歪んだコントロールが人間関係の基盤になっているため、相手にハッキリ言わずに、「察しろよ」と怒りを溜めていることさえあります。

 そうなると宇宙の「原因と結果の法則」で、支配的な人との繋がりが増えていくのです。

 

 そのような状態にある人の周りには必然的に、「敬意を払って言葉でお願いする」とか「お互い譲り合う(互助)」とか「人間が持つ本来の共感力で交流する」という人間関係を築ける相手ではなく、「コントロールするか、されるか」「やるか、やられるか」のような殺伐とした人間関係しか築けない相手が集まってくることになります。

 なぜなら、その人の信念体系の中には、そういった人間関係のイメージしか無いからです。

 

 又、対人関係で相手にきちんとした言葉で敬意を払って「お願いします」と言えないいわゆる「コミュ障」の人が相手だった場合、相手のニーズを読んで先回りして何でもかんでもやってあげていると、それが当たり前になっていくので、その後あなたが敬意を払われる事は無いでしょう。

 なぜなら、「お願いします→ありがとう」という心の交流は生まれず、ただ利用されるだけになるからです。

 その場合、あなたとその人は人間として対等な関係ではなく、「お願いします→ありがとう」も言えないような赤ちゃんの世話をする母親(父親)のような立場に立たされることになるのです。

 これは感謝という見返りを求めるという話ではなく、一方的でない相互の交流が生まれるかどうかの話です。

 

 スターシードは「遺伝的パスカッター」の契約を持っていることが多いので、このような機能不全家庭に生まれてくる確率が高くなっています。

 又、発達障害等で共感性の欠如がある場合は、それをどうにかしようとして、生まれ育った家庭で「親の顔色を窺う」という時に身に着けた「スキル」を発揮して、社会でも支配的な人の顔色を窺い、それで世の中を渡って行く方向にいってしまう場合があります。

 

 ですから、まずは子供の頃に発育不全になってしまったミラーニューロンを活性化させ、健全な人間関係を築く土台を身に着けることで、上昇タイムラインに乗っている人達との共同創造に向けての準備をしていく必要があるのです。

 

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