【タイトル】
刑事ニコ/法の死角(原題:Above the Law)
【概要】
1988年のアメリカ/香港合作映画
上映時間は99分
【あらすじ】
ベトナム戦争中に拷問を楽しむ同僚ゼーガンを殴ってCIAを退職したニコは、アメリカに帰国後刑事として活躍していた。ある日、ニコは麻薬取引現場で麻薬密売人を逮捕したが、逮捕した男たちがFBIによって釈放されてしまい、ニコも手を出さないように釘を刺されてしまう。
【スタッフ】
監督はアンドリュー・デイヴィス
音楽はデヴィッド・フランク
撮影はロバート・ステッドマン
【キャスト】
スティーヴン・セガール(ニコ)
パム・グリア(デロリス)
ヘンリー・シルヴァ(ゼーガン)
シャロン・ストーン(サラ)
【感想】
スティーヴン・セガールの映画デビュー作。スティーヴン・セガールがアンドリュー・デイヴィス監督の「野獣捜査線(1985)」を気に入っていたことで本作の監督に抜擢され、彼らは後に「沈黙の戦艦(1992)」でもタッグを組むことになる。
キャスティングもなかなか豪華である。相棒役にはパム・グリア。B級アクション映画に欠かせない存在だったヘンリー・シルヴァが悪役を担い、主人公の妻役はブレイク前のシャロン・ストーン。さらに、酒場にいる男役でマイケル・ルーカーが一言発しており、そこで暴れる男の一人をジョン・C・ライリーが演じ(彼の映画初出演)、インド人の店が舞台になる時に窓から様子を伺う男をマーク・ブーン・Jr.が演じている。
記念すべきスティーヴン・セガールの映画デビュー作。無名の新人デビュー作にして、原案・製作・主演・合気道の振り付けなどこれほどの役割を担うなんてなかなか珍しいことじゃないか。そんな彼も本作公開当時36歳ごろであり、後の太って動けなくなってしまう姿を見ていると、全速力でそこそこの距離を走る姿も見られるし(ちょっと独特な手の振り方がかわいらしくも思える)、「こんな時代もあったね」と思ってしまう。というか、髪はこの当時の時点で少しキテたんだな。
そんな本作のオープニングはまるでスティーヴン・セガール本人の生い立ちを示すように、日本で習得した合気道を見せる場面がある。おそらく合気道はアメリカでも決してメジャーではなかっただろうからそんな観客相手にどんなものかを理解してもらうには必要な場面だっただろう。ちなみに幼少時代の写真はスティーヴン・セガール本人のものらしい。
以降の内容は割と刑事ものとしては王道の物語である。型破りな刑事が命令に従わずに勝手に事件を解決してしまうというものだ。この型破り自体がすでに陳腐化しているきらいもあるが。とにかくテンポも良いし、アクションシーンもちゃんとセガールがやっているのが分かるように撮られている場面も多い(走る車のルーフにしがみつく場面は後の日本で出演したCMでもやってたな)。
惜しむべくはクライマックスか。セガールが強すぎてとてもクライマックスのアクションだったと思えないほどあっさりしている。ただ、やっぱりアクション俳優として「動ける」ことがこれほど重要かと本人が長年かけて実証してしまったのはなんとも皮肉な話である。スティーヴン・セガール主演作品としてはトップクラスだろう。
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【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/スペイン語/イタリア語/日本語/ベトナム語/アッシリア現代アラム語)
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(英語/スペイン語/イタリア語/日本語/ベトナム語/アッシリア現代アラム語)
├日本語吹き替え
映像特典
├オリジナル劇場予告編