【作品#0873】スコルピオンの恋まじない(2001) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

スコルピオンの恋まじない(原題:The Curse of the Jade Scorpion)

 

【概要】

 

2001年のアメリカ/ドイツ合作映画

上映時間は103分

 

【あらすじ】

 

1940年のニューヨーク。保険会社で調査員として働くブリッグスは、社内改革のために入社してきたフィッツジェラルドと対立していた。ある日、誕生パーティの余興で呼ばれていた催眠術師によってブリッグスとフィッツジェラルドは催眠をかけられてしまう。

 

【スタッフ】

 

監督はウディ・アレン

撮影はチャオ・フェイ

 

【キャスト】

 

ウディ・アレン(C.W.ブリッグス)

ヘレン・ハント(ベティ・アン・フィッツジェラルド)

ダン・エイクロイド(マグルーダー)

シャーリーズ・セロン(ローラ)

 

【感想】

 

トム・ハンクスやジャック・ニコルソンにC.W.ブリッグス役をオファーしたが断られ、その役が自分に合っていないと思いながらもウディ・アレンが演じることになった。ヘレン・ハントはどのタイミングでキャスティングされたか分からないが、本作で「恋愛小説家(1997)」以来となるジャック・ニコルソンとの再共演はさすがになかったはずだ。

 

上述のように本作の主演がトム・ハンクスでもジャック・ニコルソンでも違和感はない。ただ、いつものウディ・アレンって感じもするので、彼自身が不本意ながら主人公C.W.ブリッグスを演じていたとは少し考えにくい。なのでいつものウディ・アレン監督、主演作を楽しみたいのであれば期待通りのものは見られるのではないだろうか。

 

気の強い女性キャラクターがウディ・アレン演じる主人公に酷いことを言わせ、自分のコントロールできない事態に主人公がたじろぐ。ウディ・アレン自身の女性関係をあたかも自分で皮肉っていますよという姿勢が鼻に付く人には全く合わない作品だろう(それは他のウディ・アレン監督・主演兼任作品にも言えることだが)。しかも、催眠にかかった状態とはいえシャーリーズ・セロン演じる美人でセクシーなローラの誘いを断るというのもやや鼻に付くところかな。

 

最終的にはベティ・アンを催眠にかけたまま映画は終わる。これで良いんだろうか。仮にブリッグスが催眠にかかったままでベティ・アンが催眠の解けた状態でブリッグスを好きだという本作と逆の結末だったらさすがにやりすぎになるだろう。かといって両者ともが催眠の解けた状態で惚れあっているのも違う。そう考えると本作の結末は消去法で考えても仕方のないものかと思う。

 

ただ、ベティ・アンがマグルーダーと不倫しているという設定はちょっとできすぎかな。いくらベティ・アン本人に男を見る目がないと言わせたところで社長と不倫して、その社長に離婚を迫っているという設定は現実味に欠ける。ファンタジー映画こそ、それ以外の場所はリアリティがあるものであってほしいが、本作のこの箇所こそファンタジーのような嘘っぽい設定になっている。主人公である自分には美人の女優を用意しておきながら、ヒロインのヘレン・ハントに用意した不倫相手がダン・エイクロイドかよ。ヘレン・ハントはキレて良いレベル。

 

 

 

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【ソフト関連】

 

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言語

├オリジナル(英語/フランス語)

├日本語吹き替え

映像特典

├予告編