【タイトル】
メン・イン・ブラック2（原題:Men in Black II）
【概要】
2002年のアメリカ映画
上映時間は88分
【あらすじ】
Kの引退後、なかなか相棒に恵まれないJが殺人事件の捜査をしていると、25年前にKが解決したはずの事件が関連していることが判明する。
【スタッフ】
監督はバリー・ソネンフェルド
音楽はダニー・エルフマン
撮影はグレッグ・ガーディナー
【キャスト】
ウィル・スミス（J）
トミー・リー・ジョーンズ（K）
リップ・トーン（Z）
ララ・フリン・ボイル（サリーナ）
ロザリオ・ドーソン（ローラ）
【感想】
大ヒットした前作の続編は大型予算がつぎ込まれたが、前作よりも1億4千万ドルほど売り上げを落とした（それでも4億4千万ドルの大ヒット）。また、前作の出来に感銘を受けたマイケル・ジャクソンがバリー・ソネンフェルド監督に出演を嘆願し、わずかな出番ながら出演することになった。それから、当初サリーナ役はファムケ・ヤンセンで撮影もされていたが、彼女の家族の不幸により降板しララ・フリン・ボイルが引き継いでいる。
また、2001年6月に始まった撮影はアメリカ同時多発テロの影響を受けて撮影が遅れたり、いくつかの場面は作り直されたりした。当初のエンディングはワールドトレードセンターをバックに撮影されていたが、自由の女神に変更された。
エンドクレジットを除けば80分程度の非常に短い作品である。やっていることは基本的に前作と同じで、異なる箇所はメインキャラクター二人の役割が逆転していることくらいだろう。
Kの記憶が元に戻るまでに映画の半分くらい（といっても約40分）を費やしているので、Kをエージェントに復帰させるところも映画として非常に重要なところであろう。前作はKがJをリクルートしたが、本作ではJがKをリクルートする形になる。ではそれがうまくいっているのかと言われれば決してそうとは言えない。
JはKの引退後、5年もの間に新たな相棒を迎えてはうまくいかずに相棒を取り換え続けてきた。そんな彼にとって初めての相棒であり、MIBでも伝説的エージェントとして崇められるKを再び「こっち」の世界に連れ戻さなければならないのだ。ここは脚本的には見せ場だと思うが、Jが努力するわけではなく、旧知のエイリアンの持つ装置を使って記憶を呼び戻すという設定になっている。確かに前作でKがJをあっさりリクルートできたわけなので、本作でもそれと同じテイストなのは理解できるが、せっかくの見せ場なんだからJが努力する描写は必要だったと思う。少なくとも5年間でエージェントとして成長した様子は画面からは伝わってこない。
Kが記憶を取り戻してからは特段これと言って印象に残るものはない。25年前に解決したはずの事件についても説明を受けたところで「ふーん」という話だし、Kが犯した過ちをJにしてほしくないという設定もまるで心に響かない。
宇宙の危機を人々が知らぬ間にエージェントたちが救っていたという話自体は良いと思う。ただ、人たちが散々見ている前で大暴れして、最後に自由の女神を使った「ピカッ」をやるとなればただの刑事アクション映画と何も変わらない。そこはたとえスケールアップしたとしてもある程度は守るべきポイントじゃないだろうか。
前作から5年が経過しているが、CGのレベルが格段に上がったとかそんな印象はない。前作以降に流行したワイヤーアクションまで本作で取り入れられているがこれも必要性を感じない。気軽に見られる一本ではあるが、それと同時にほとんど印象に残らない一本とも言える。
【関連作品】
「メン・イン・ブラック（1997）」…シリーズ1作目
「メン・イン・ブラック2（2002）」…シリーズ2作目
「メン・イン・ブラック3（2012）」…シリーズ3作目
「メン・イン・ブラック:インターナショナル（2019）」…シリーズ4作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
＜Amazon Prime Video＞
言語
├オリジナル（英語）
【ソフト関連】
＜BD＞
言語
├オリジナル（英語）
├日本語吹き替え
音声特典
├バリー・ソネンフェルド（監督）による音声解説
映像特典
├もうひとつのエンディング
├NGシーン集
├『MIBⅡ』のアフレコ風景
├『MIBⅡ』をデザインする
├リック・ベイカー：エイリアン・メイカー
├グシャッ！ペチャッ！バシャッ！：『MIBⅡ』の特殊効果音
├ダニー・エルフマン：宇宙のシンフォニー
├バリー・ソネンフェルド：コメディーの法則
├エイリアン・ドキュメンタリー集（8種）
├サーリーナ・アニマティック・シークエンス
├マルチアングル機能によるシーンの解体（5種）
├ミュージック・ビデオ："Black Suits Comin' (Nod Ya Head)" by ウィル・スミス
＜4K Ultra HD+BD＞
収録内容
├上記BDと同様
