【作品#0720】フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

フロム・ダスク・ティル・ドーン(原題:From Dusk Till Dawn)

【概要】

1996年のアメリカ/メキシコ合作映画
上映時間は108分

【あらすじ】

指名手配中のゲッコー兄弟はメキシコへの逃亡を計画していた。立ち寄ったモーテルで居合わせたフラー一家を脅迫して逃亡に加担させることにする。

【スタッフ】

監督はロバート・ロドリゲス
脚本はクエンティン・タランティーノ
音楽はグレーム・レヴェル
撮影はギレルモ・ナヴァロ

【キャスト】

ジョージ・クルーニー(セス・ゲッコー)
クエンティン・タランティーノ(リッチー・ゲッコー)
ハーヴェイ・ハイテル(ジェイコブ・フラー)
ジュリエット・ルイス(ケイト・フラー)

【感想】

当初はクエンティン・タランティーノが監督する予定だったが、出演に専念するために監督は辞退した。また、クエンティン・タランティーノはジョン・トラヴォルタへ出演依頼していたが、ヴァンパイア映画に興味はないとして断り、代わりに「パルプ・フィクション(1994)」へ出演することを選んだ。

本作の最も大きな特徴は途中でジャンルが変わってしまうところだ。中盤までは指名手配犯の逃亡にとある一家が巻き込まれる様子を描いていたが、メキシコの酒場に行くと突然ヴァンパイア映画に変貌する。ヴァンパイアに噛まれたらヴァンパイアに変身してしまうように、本作も中盤で別のジャンルに変身してしまう。

本作を見て思い出すのは「サイコ(1960)」である。この映画は途中でジャンルが変わる訳では無いが、当初主人公だと思っていた人物が中盤であっさり殺され途中から別の人物が主人公になっていくという当時としては変わったタイプの映画であった。また、同じくモーテルも登場する。

そんな感じでジャンルがガラッと変わるので、それを観客が受け入れられるかどうかにかかっている作品とも言える。というか、ここまで前後半でジャンルがここまで変貌する映画があるだろうか(私が知らないだけ?)。映画が始まってから終わるまでの間にあらゆる裏切りは試みられたが、これくらい自由でも良いんだと思えるほどに清々しい。

本作の主役を担うのが、TVシリーズ「ER」でブレイクしていたジョージ・クルーニーである。映画初主演とは思えぬ貫禄で、すでに映画界でスターだったクエンティン・タランティーノを弟役に従えるとは。紛うことなき犯罪者なんだが、人としての魅力はあるキャラクターである。

そして、彼の弟を演じたのが本作の脚本を担い、当初は監督予定だったクエンティン・タランティーノである。事あるごとに人を殺しまくり、目の前に女がいれば良からぬことばかり考える狂人である。クエンティン・タランティーノがこの役を演じることに集中するために監督を辞退したのも頷ける存在である。

それから、彼らの逃亡に協力させられるフラー一家の父親を演じたのが、タランティーノ監督作に続けて出演してきたハーヴェイ・ハイテルである。殺し屋や掃除屋を演じてきた彼が本作で演じたのは妻を亡くした牧師である。ちょっと大人し目の役回りかと思えば、ヴァンパイアが登場してからは子どもたちだけでなく周囲を守る頼れる存在として活躍していく。

他には、ジュリエット・ルイスやサルマ・ハエック、ジョン・ホークス、チーチ・マーチン、ダニー・トレホ(なぜかシリーズ3作品皆勤)などなど、当時の有名キャストから後にブレイクする俳優まで多数出演しているところも本作の魅力の1つだろう。

最終的に生き残るのは主人公の男とヒロインの女というオーソドックスな組み合わせである。自分の家族を襲ったことが原因で巻き込まれて、ケイトは父親も弟も失ったのに、ケイトはセスに連れて行ってくれと嘆願する。ところがセスはそれを断って車で走り去っていく。ケイトにとって必要な父なる強い存在がまさに父からセスに変わったのだろう。ただ、そんなに納得感はないかな。

【関連作品】


「フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996)」…シリーズ1作目
「フロム・ダスク・ティル・ドーン2(1999)」…シリーズ2作目
「フロム・ダスク・ティル・ドーン3(2000)」…シリーズ3作目



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