【作品#0360】大脱出(2013) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

大脱出(原題:Escape Plan)


【概要】

2013年のアメリカ映画
上映時間は115分

【あらすじ】

脱獄可能な刑務所化を自ら囚人となって調査するレイは、CIAのジェシカから新たな刑務所調査の依頼を受ける。ところが危険を感じたレイは、ホブス所長に緊急時の避難コードを伝えるが、知らないと言われてしまう。

【スタッフ】

監督はミカエル・ハフストローム
音楽はアレックス・ヘッフェス
撮影はブレンダン・ガルヴィン

【キャスト】

シルヴェスター・スタローン(レイ・ブレスリン)
アーノルド・シュワルツェネッガー(エミル・ロットマイヤー)
ジム・カヴィーゼル(ホブス)
エイミー・ライアン(アビゲイル)
サム・ニール(カイリー医師)
ヴィンセント・ドノフリオ(クラーク)

【感想】

「エクスペンダブルズ」シリーズでようやく初共演したシルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの初ダブル主演作品。

何と言っても本作の一番の見どころはシルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの共演だろう。かつては不仲説もあったが、1991年にはプラネット・ハリウッドというレストランへ共同出資したり、映画でお互いがネタにし合ったりと良好な関係を築いていた。そして、この2人をダブル主演にという企画もあったがなかなか実現しないままであった。本作はそんな2人が当初は反目し合うも、友人になっていく過程が彼らの関係性を示しているようで微笑ましい。

共に80年代から90年代初頭にかけて人気のピークだった彼らの共演作品ということで、その当時っぽい雰囲気で統一してほしかった印象はある。タイトルクレジットは出るタイミングが割と意味不明だが、クレジットの字体とクレジットが出てくる時の音はらしい雰囲気が出ている。ただ、その雰囲気を若干壊しているのが、本作で2度使われている視覚効果でカメラがずっと引いていくショットである。ホブスの刑務所で透明の部屋がいくつもあることを示すショットと、刑務所が船の中であることにブレスリンが気付くショットはいずれも視覚効果が使われているのだが、極力アナログな感じで統一してほしかった。

そして本作は脱獄ものである。冒頭に示されるブレスリンの能力を示すシーンは多少強引だが、描き方としては簡潔で良かった。ただ、そういったレイの能力が生かされるのは割と中盤までで終盤は良くも悪くも大味なアクション映画になっていく。彼らが助かるのは、サム・ニールが演じたカイリー医師の心変わりなのだが、いくらサム・ニールが演じているとはいえ強引にも程がある。また、極悪な監獄という割には情報交換し放題、欲しいもの手に入れ放題、服の中に物を隠し放題という自由が与えられすぎているも気にかかる。もっと主人公に不利な状況からいかに脱出していくかという筋書きを頑張って考えてほしかったと思う。

それから、終盤からのアクションシーンはシュワルツェネッガーにマシンガンをぶっ放すという見せ場が用意されていたのに、スタローン側は割と地味だった。本作の一番の悪役と言えるホブス所長が「してやられた」と感じる結末でないところにやや物足りなさも感じてしまう。

また、一番の悪役とも言えるヴィンセント・ドノフリオが演じたクラークについては、ブレスリンではなく彼の仲間であるハッシュが罰を下している。ここはブレスリンがやるべきだと思うわ。というか、ロットマイヤーの仲間が助けに来るのではなく、ブレスリンのアビゲイルやハッシュが助けに来るべきではないかなと思う。後にロットマイヤー=マンハイムというオチがあるにしてもだ。

ただ、ブレスリンとロットマイヤーの別れ際の握手には熱くなるものがある。良くも悪くも80年代っぽい筋肉映画だとは思うが、せめて終盤くらいは上半身裸で暴れ回った方が良かったんじゃないだろうか。つまらなくはないが、もう少しどうにか出来たのではないかと思う。

【音声解説】

参加者

├ミカエル・ハフストローム(監督)

├マイルズ・チャップマン(脚本)


上記2名による対話形式の音声解説。アメリカとイギリスを繋いで収録したという音声解説だが、両者とも同じ映像を見ながら話しているので特に違和感はない。脚本を作り上げる上での構想、演者によるアドリブ、ロケ地、演者からのアイデアなどについて聞くことができる。特にミカエル・ハフストローム監督は小さい頃から見ていたスターを起用した作品を監督できたことでの興奮がまだ冷めやらぬ印象である。ただ、2大スターが初めてダブル主演をするという意味合いにおいてもっと深い話ができたはずだと思うし、特段目新しい話もそこまでないので、本作が好きでなければわざわざ聞かなくても良いだろう。

【関連作品】


「大脱出(2013)」…シリーズ1作目
「大脱出2(2018)」…シリーズ2作目
「大脱出3(2019)」…シリーズ3作目



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【予告編】

 

 

【配信関連】

 

<Amazon Prime Video>

 

 

言語

├オリジナル(英語)

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├日本語吹き替え

 

【ソフト関連】

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

音声特典

├ミカエル・ハフストローム(監督)、マイルズ・チャップマン(脚本)による音声解説

映像特典

├メイキング:計画実行
├予告編集
├キャスト・スタッフプロフィール
├プロダクションノート

 

<BD>

 

収録内容

├上記DVDと同様