【作品#0327】ラスト・ボーイスカウト(1991) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ラスト・ボーイスカウト(原題:The Last Boy Scout)


【概要】

1991年のアメリカ映画
上映時間は105分

【あらすじ】

かつてシークレットサービスとして活躍していたジョーだったが、現在ではしがない私立探偵に落ちぶれていた。ある日、ダンサーのコリーの警護を友人から依頼されるのだが…。

【スタッフ】

監督はトニー・スコット
製作はジョエル・シルバー
脚本はシェーン・ブラック
音楽はマイケル・ケイメン
撮影はウォード・ラッセル

【キャスト】

ブルース・ウィリス(ジョー)
デイモン・ウェイアンズ(ジミー)
ハル・ベリー(コリー)

【感想】

当時史上最高値の175万ドルと言う値が付けられた「リーサル・ウェポン」シリーズでお馴染みのシェーン・ブラックによる脚本作品(ただ2か月余りで「氷の微笑(1992)」が最高値を更新)。そのシリーズのプロデューサーであり、かつ本作に主演したブルース・ウィリスの出世作「ダイ・ハード(1988)」でもプロデューサーを務めたジョエル・シルバーが本作のプロデューサーも務めた。ただ、監督、プロデューサー、脚本家、キャスト間で意見が対立した作品であり、史上最高値の脚本作品にしては興行的には期待外れに終わった。

主演したブルース・ウィリスは「ダイ・ハード」以降、そのイメージ脱却を考えて色んな作品に出ていたが、本作は割と「ダイ・ハード」のイメージに近い役柄で、妻に愛想を尽かされている設定まで同じである。やっぱり飲んだくれのだらしない男がよく似合う。冒頭の車で寝ている場面だけで「あっこういう奴か」と思わせる説得力がある。ただ、いくらダメ男だとしても自分の娘に銃を向けるシーンはダメだろう。あの1シーンだけで映画全体をぶち壊していると言っても過言ではない。そんなことをされた娘が最後まで父についていくというのも男性側(父親側)のエゴのような設定に感じる。

基本は、ジミーとのバディものになるのだが、白人と黒人のバディものと言えば、本作の脚本家シェーン・ブラックの代表作「リーサル・ウェポン」シリーズである。当時はバディものが人気で、組み合わせを変えたバディものは多く作られていた。ただ、ブルース・ウィリスが良くても、相棒のジミーを演じたデイモン・ウェイアンズにあまり魅力がない(現場でも両者の関係はあまり良くなかったようだ)。しかも、このジミーはジョーに比べると過去についてセリフで説明する場面が多すぎる(ジョーには回想シーンが用意されているのに)。後にブルース・ウィリスがバディものとして黒人と組んだ「ダイ・ハード3(1995)」のサミュエル・L・ジャクソンには到底かなわないものがある。

また、ジョーとジミーという落ちぶれた2人の男が復活する話として見ても弱々しい。ジミーは恋人のコリーが殺されたというのに割とさっぱりしている。基本はバディもののコメディとして撮っているので、人が殺されたという深刻さを考えると非常にアンバランスに感じる。それから、主人公が探偵であるということから少しだけノワールっぽい感じも序盤はしていたのに、中盤以降は普通のアクション映画に様変わりしていくところも若干気がかりである。

見所がないわけではないが、製作時のトラブルがそのまま作品の質に直結してしまったのだろう。バディものとしても、落ちた男の復活の物語としても微妙な出来。




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