【作品#0321】ハード・トゥ・キル(1990) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ハード・トゥ・キル(原題:Hard To Kill)


【概要】

1990年のアメリカ映画
上映時間は96分

【あらすじ】

ある上院議員が殺人を依頼する現場を撮影することに成功した刑事のストームだったが、それがバレて家で妻が殺され、自身も被弾する。息子は逃げることに成功し、自身は搬送先の病院で意識不明の状態のまま7年の時が過ぎ…。

【スタッフ】

監督はブルース・マルムース
音楽はデヴィッド・マイケル・フランク
撮影はマシュー・F・レオネッティ

【キャスト】

スティーヴン・セガール(メイソン・ストーム)
ケリー・ルブロック(アンディ・スチュワート)
ウィリアム・サドラー(ヴァーノン・トレント)

【感想】

スティーヴン・セガールの映画出演2作目になった本作は、彼のトレードマークであるポニーテール初お披露目になった作品である。ちなみにストームを助ける看護師アンディを演じたのは当時のセガールの妻だったケリー・ルブロックである。

ストームは意識不明のまま7年が経過した時にようやく目を覚ます。ここでのセガールの白目演技は不覚にも笑ってしまうくらいに下手である。ちなみに長い時を経て目を覚ますといえば、本作と同年製作の「レナードの朝(1990)」を思い出す。また、セガールは後に主演した「奪還 DAKKAN アルカトラズ(2002)」でも仮死状態から奇跡的に回復するキャラクターを演じている。

セガールと言えばアクション俳優であるが、彼はムキムキではない。上半身裸になる場面があるが、80年代のアクションスターであるシュワルツェネッガーやスタローンと比べると遥かに貧弱に見える。それでも後に太ってしまう彼を考えるとこの頃はスマートだし、193センチある長身で、革ジャンにジーンズというシンプルな服装でも驚くほどにカッコいい。

そんなセガールが演じたストームは家族思いであるという設定だ。ただ、ストームがアンディとあっさり恋仲になる流れがその設定をぶち壊すものになっている。その相手役がいくら当時の妻だったとしても、病院を辞める覚悟で名もなきジョン・ドゥーを助けるのにはさすがに無理がある。

というか遡ると、店主と馴染みの仲であるストームはその店で4人組の強盗と居合わせる場面で、店主はショットガンで殺されてしまう。その後のシーンでストームは会計前に持っていたシャンパンとぬいぐるみを持って帰っている。死んだ店主を思いやる場面すらない。この演出はセガールの責任ではないだろうが、他人の命を別に何とも思っていない冷たい人物に見える。家族思いの男という設定にするなら、馴染みの店主の死を思いやる場面も入れるべきだっただろう。

肝心のアクションシーンだが、可もなく不可もなくといった印象。特に終盤のアクションシーンはある程度の流れが用意されているのに途切れ途切れになっているのがもったいない。終盤こそ畳みかけるようなつるべ打ちのアクションにした方がきれいにまとまったのではないかと思う。

本作のラストカットはストームが撮影した映像にトレントの顔が映る場面である。せめてストーム含む3人のカットで終わるべきだったとは思う。ただ、当初の結末では、ストームがトレント議員を殺し、その後にオマリーの葬儀に参列するシーンが予定されていたそうなので、その影響でこんな終わり方になったのかもしれない。というか、オマリーは殺される必要がなかったと思う。

絶賛するほどの面白さこそないが、当時のアクション映画っぽさが満載である。音楽もなかなか良いし、髭面仙人セガールを見られる貴重な作品。




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