徒然なる枕草子VII 40「散る桜」(心の中へ478) | isaoのブログ

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09:28
昨日は朝から、春の陽気に誘われて
昭和の流行り歌を口づさみながら
ついつい調子に乗って
気が付けばいつも飲酒する
倍近くの量のアルコールを摂取して
お昼頃には
完全に酔いつぶれてしまっていた。
そして夕刻に目が覚めると、
嘗ての横綱・曙が亡くなったとの訃報が
テレビで繰り返し流されており
目覚めから
何だか心穏やかではなくなってしまった。
歳を重ねて行く毎に懐かしさが増すばかりの
「昭和」の灯りが霞んで
段々と遠退いて行くが哀しい。


幕は突然降ろされて(心の中へ478)
04:12
11:16
後悔の念と懺悔の想いで脳裏の中で
繰り返えし上映される
在りし日の娘との
思い出のひとコマひとコマ。
お気に入りのその場面は
世間で何年と年が過ぎようとも
けしてフィルムの色が褪せる事は無い。
娘を失った7年前の今頃。
私はまだ職場復帰をすることも出来ず
部屋に籠りっきりで
ただ世間を恨み、拗ねていた。
歌を聞けず、活字を読めず、
勿論テレビを観る事なんて出来ず
じっと部屋の片隅で
膝を立てたまま耳を澄ませて
今にも止まりそうな
弱々しい呼吸だけを辛うじて続けていた。
流石に今は飯を喰らい、酒も飲むけれど
心に受けたダメージは
少しだって癒えてはいないのだ。
あの時のまま、時は止まったままでいる。
けれど私は生きている。
不思議と今日も生きている。
喜ぶ気持ちを失い、
悲しみだけが積もって行く
残酷過ぎる残りの人生を今生きている。
「散る桜 残る桜も 散る桜」
「明日ありと 思う心の 仇桜」
「散る桜 追いかける子の 影愛し」
「またいつか 優しい嘘に 散る桜 」
そして最後は内匠頭辞世の句。
「風さそう花よりもなほ我はまた
春の名残をいかにとやせん」