クロネコヤマトのドライバーはクロネコか?
みなさん、こんにちは! ココリックです。
ジメジメした梅雨がやーっと終わったと思ったら、夏の暑さが襲ってまいりました。犬にはツライ時期が続いておりますが、みなさん、いかがお過ごしですか?
ココは、この間、ボーダーコリーのてんちゃんに会いましたよ。
「てんちゃん、こんにちは! 暑くなってきたけど、てんちゃん、どう?」
ココがてんちゃんと並んで歩きながら聞いてみましたら、
「ああ、暑いけどな。へばるわけにはいかないぜ。何しろ忙しいんだからなあ」と、てんちゃんは、相変わらず忙しがっていました。
「ほら、父ちゃんがずっと、テレワークしてるだろ。だから、俺は父ちゃんの仕事を見張ってなきゃいけないんだ。俺が見張ってなきゃ、父ちゃんはろくに仕事ができないんだからさあ」
「そんなことないでしょ?」と、ココが驚きましたら、
「いや、そうなんだ。テレビ会議だって、俺なしじゃできないんじゃないか? だから俺、暑くてマイッタとか、言ってられないんだ。何しろ、家計が俺の肩にかかってるんだからさあ」
そんなことを言いながら、てんちゃんは、忙しそうに、道をあちこち、クンクンと嗅ぎました。
「それにホラ! うち、自治会の防犯委員もしてるだろ。だから、パトロールだって欠かせないし」
(ほら、うち、防犯委員だから、パトロールだって欠かせないんだ)
(公園にアヤシイもんが落ちてないか?)
(アヤシイやつが公園を通った形跡はないか?)
(K町の並木道に、ヘンなもんが落ちてないか? 俺は、いちいち、確認しながら歩いてるんだ)
その時、ブーとトラックが走ってきて、
「アッ!」
てんちゃんは突然、身をひるがえして走っていきました。ココが、あわてて、てんちゃんを追いかけていきましたら、クロネコヤマトのトラックが、どこかの家の前でとまりました。てんちゃんは、クロネコヤマトのトラックに向かって、
「わんわんわん!」と、勢いよく吠えました。
「怪しいぞ、怪しいぞ! クロネコヤマト! わんわんわん!」
ココは、てんちゃんがどうして、クロネコヤマトを怪しがってるんだろうと不思議に思って、
「どうしたの? あれ、宅急便だよ」と教えてあげました。
「段ボールを持って、よくうちにも来るよ。段ボール開けたらね、ココのドックフードが出てきたりするんだよ。オモチャが出てきたこともある。オヤツも!」
そしたら、てんちゃんは、あきれたような顔で、ココを見て、
「そんなことはわかってるんだ。問題はドライバーだ」と、鼻息荒く言いました。
「ドライバー?」
「いいか、ココ。クロネコヤマトのドライバー。あれはきっと本物の黒猫なんだ」
「ええええ?」と、ココは驚きました。
「クロネコヤマトのドライバ-、人間だよ? ココ、何度も、顔見たもん!」
「だーかーら! 人間に化けてるんだ。化け猫っていうだろ? 黒猫が、人間に化けて、トラック運転してるんじゃないかって、俺はそうふんでいる!」
てんちゃんは、通りを走っていくクロネコヤマトのトラックに、さらに激しく吠えたてました。
「ホント~?」
「ああ。匂いをかげば一発だ。クロネコヤマトのドライバー、猫の匂いさせてるだろ」
「ウソー! ココ、前かいだけど、猫の匂いなんてしなかったよ?」
「うっすらしか匂わないから、ココみたいなチビにはわからないかもしれない。でも、俺の鼻はごまかせないぜ。俺はな、ここいらの猫全員に恐れられてる猫払いのてんなんだぞ!」
てんちゃんはそう言って、グッと胸をはりました。
(てんちゃんが猫払い名人だということについて、くわしくはコチラ)
「いつか、うっかり黒猫に戻ったところを抑えつけてやろうと思ってな。それで、俺はクロネコヤマトを追っかけては吠えてるんだ」
てんちゃんは、そう言って、クロネコヤマトのトラックが消えるまで、にらんでいましたけどね。
ホントかなあって、ココは怪しく思いました。
でも、もしもホントなら、ココ、黒猫に人間に化ける方法教わりたいな。
それでもし、ココが人間に化けられるようになったらすごいよ。だって、人間に化けたらレストランに行けるでしょ。ココ、レストランで、お肉注文するよ。ステーキを!
ココは、その考えにワクワクしました。
今度、クロネコヤマトのお兄さんがうちに来たら、人間に化ける方法を聞いてみようっと!
(ココちゃんが人間に化けたら、どんな子になるのかな?)