エープリルフールの米本さんの嘘には、騙されそうになった。情報発信前にもう一度、読み直したところで、嘘であることに気がついた。
かつて、私は出資法違反の疑いのある事業に騙されるなど、もともと騙されやすい人なのは確かだ。また、父から人に迷惑をかける嘘はついてはいけないと強く教えられたこともあるのだろう。米本さんへの信頼が高かったことと、また、嘘がそれだけ秀逸だったとも言えると思う。

 

昨日、読んだ記事で、非常に気分の悪くなったものがあった。
「ユナイテッド航空、乗客引きずり下ろしで非難殺到」

「なぜこんなことに? 米ユナイテッド航空はなぜ乗客を引きずりおろした」

「乗客を引きずり下ろし ユナイテッド航空CEOが従業員に送ったメール」

ここ数年で、これくらい胸ぐらを悪くしたのは、日立ハイテクの杭打ち中抜きと、大津市のいじめの事件くらいだ。

ユナイテッド航空で、搭乗済の乗客が飛行機から強制的に引きずり降ろされた。
映像の力とは凄いものだ。記事で読んだときは、酷い話だと思ったくらいだったが、さすがに映像を見せられたときは、感情的になり冷静さを失った。

 

今日の記事のテーマは騙されやすい人です。

 

取り上げるのは、ユナイテッド航空のCEOです。
本記事でユナイテッド航空の従業員を批判するつもりはありません。
私はユナイテッド航空のCEO、この人物は嘘つきだと見ています。

彼は先月、広報業界誌「PRウィーク」に2017年の「米国一優れたコミュニケーター(伝達者)」に選ばれたと言いますが、2枚舌です。

 

彼は今回の事件に、ツイッターでこのように投稿しました。

「これはユナイテッドの全従業員にとって心がかき乱されるような出来事だ」と

 

一方で、従業員にこのようにメールをしています。

「乗務員から降機を頼まれた乗客はだんだん声を荒げ、より挙動不審で好戦的になっていった」。また「乗員は定められた手順に従って対応した」と行動に問題のない認識を示しています。

 

彼は、調査をすると言っています。
一体、何を調査するのでしょうか。
もう、彼の中では、事件の主要な内容は把握できているのです。

こういうとき、会社の責任者は嘘をつきます。
「調査する」と。

 

みなさんは、騙されましたか?
米本さんのエイプリルフールの記事より遥かに社会性の高い問題に対して、みな疑いもせず騙されるのです。
このことは、この事件が、ユナイテッド航空にとって、大きな事件ではなく、社会の注目を浴びたから問題となっただけの、早くもみ消したい事件であるわけです。
実際、どのような調査結果が発表されるかに注視すれば、CEOの本音が見えてきます。

 

これは、私が度々取り上げる日立ハイテクノロジーズについても同様です。
横浜のマンション傾斜の件で、日立ハイテクノロジーズの責任者は嘘をついたのと同じです。
「調査中です」と。

 

みなさんは、騙されましたか?
しかし、調査結果を公表することはありません。推測で言っては申し訳ないのですが、調査結果が公表されないのであえて言えば、日立ハイテクノロジーズの従業員は現場にはいなく、中抜きをしていたのです。
 

一体、何を調査するのでしょうか。
もう、日立の中では、事件の内容は把握できていたのです。

このことは、この事件が、日立ハイテクノロジーズにとって、大きな事件ではなく、社会の注目を浴びたから問題となっただけの、早くもみ消したい事件であるわけです。
実際、調査結果が一般に公表されないことを見れば、CEOの本音が見えてきます。

見守ると言い日立ハイテクノロジーズの対応を是正しなかった日立製作所も同じです。

 

はじめから、騙されていたことに気がついていましたか?

もしそれが自社にとって重要な問題であれば、旭化成建材のように施工した全3000件余りでしたか、全ての取り扱った物件の調査結果を公表するくらい真剣に取り組むのです。

 

航空券のオーバーブッキングは、通常あることです。
通常は、代替えの航空券、待機するホテル代、定められた金額を提示することで、自主的に他の航空機に乗り換えてくれる人を募ります。それでもダメな場合のため、規程では強制的に降ろすことが出来るとしています。そのまま言えば、拒否した乗客が悪いのです。しかしこれは銃刀法のようなものです。犯罪者を捕まえるため、公道でナイフを持っていれば捕まりますが、だからと言って法律どうり適用して良いものではありません。

今回、CEOが真実であるならばまず、その原因を明らかにするべきです。
 

・なぜ搭乗前に乗客に伝えられなかったのか。
・なぜ金額提示が最高額まで行なわれなかったのか。(最善を尽くさなかったのか)


最近、人員オーバーでフライトした航空機が問題となりました。
もしかしたら、定常的に乗務員が乗ることで、定員オーバーのフライトが行われていたのかも知れません。「調査する」のが、本気ならこのあたりが明らかにされるかも知れませんが、まず公表されないでしょう。

 

ここで、ユナイテッド航空CEOの嘘をもう少し、あばきましょう。
従業員を乗せるために乗客を降ろしたと説明すれば、非難は避けられません。
だから、彼らを乗せなければ、次の飛行機は飛ばせなかったと説明します。
しかし、これは詭弁です。
なぜか? それは会社には裁量というものがあるからです。

客室業務員の一人が体調を崩せば、フライトが中断されるのでしょうか。

他の飛行機の従業員を振り返ることもできるはずです。

空港近辺には、到着した従業員が次の飛行機に乗るため、待機しています。

従業員の予定変更とお客様の予定変更を天秤にかけたと見れます。

さすが「米国一優れたコミュニケーター」です。

何が言いたいのかというと詭弁だということです。

 

余談ですが、航空券のキャンセル待ちの話をしましょう。
繁忙期の航空券は早く申し込まないと予約が取れないです。
キャンセル待ちの場合だが、キャンセル待ちの一番最後につけるか、キャンセル待ちの先頭につけるかは、旅行会社の裁量で操作できるのです。(世一旅行社の話)

ユナイテッド航空が詭弁などを巧みに使っていることが見えてくるでしょう。

 

では、あなたがCEOならどうするというのか。理想論を書くと、

問題を明らかにして真摯に対応する。誤りがあれば自分の責任として対応して改善する。

それは会社に損害を与えるように見えるかも知れないが、長い目でみたとき、それが会社の発展につながると考える、これが哲学というものではないでしょうか。

後天時代、正午定着。このような2枚舌は通用しないというのが私の見方です。

 

みなさん、騙されないように気をつけましょう。
でも、あえて騙されたふりをすることも大切なことかも知れません。

 

(追記) 2017/4/12 20:00

ユナイテッドのCEOが謝罪した。株価が一時、時価総額で約1000億円失われたからだろうか。今後の調査結果の発表をみることで、本音が見えてくる。

「米ユナイテッド航空CEO、「恐ろしい」事態と謝罪 株価一時急落」

やはり、金で動く人たちか。そう言えば、日立ハイテクもアナリスト向けの会見しかしなかった。

 

(追記) 2017/4/12 21:00

ユナイテッド航空は、2014年、規制当局から乗客に課す各種手数料の開示を提起されたとき、米運輸局に「航空券を購入したすべての乗客は追加料金なしで座席を割り当てられる」から開示の必要はないと説明した。CEOは「定められた手順に従って対応した」と言っているが、そもそもその手順は米運輸局を欺いている。

「ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと」

 

(追記) 2017/4/12 22:00

余談だが、私は1つ心配していることがある。よく批判で取り上げる日立についてだ。

なぜよく知らない企業のことが、こんなに気になるのか。不思議でならない。

だが1点、ずっと前から持っている素朴な疑問がある。

それは原発の輸出だ。

普通、商品を売るときは自分が良いと思うものを他者に薦める。

だが、今の日本で稼働している原発は2基だけだ。

なぜ日本政府は自国では良いと思われていないものを輸出できるのか。

この心理構造は、悪徳商法の場合と似ている。

悪徳商法であることを知って人を誘う場合、自分に身近な人は誘わない。

東芝が巨額の損失を抱えた。

勝ち組と言われる日立と言えども同じ道を歩まないとは言えない。

もし日本が輸出した原発が海外で事故を起こせば、日本は非難を免れる道はない。

心理構造からいうなら、もう日立CEOは問題に気がついているのかも知れない。

今後、7年くらいで日本を含め、世界の利権構造は大きく変わるだろう。

どのような企業が生き残るのだろうか?

 

(追記) 2017/4/13 10:00

ユナイテッド航空CEOは、謝罪し4月30日までに対処方法を見直して報告すると発表した。

 

みなさんは、騙されたことに気がつきましたか?

この人、本当にたぬきです。

彼はこれまでの謝罪で、繰り返し原因を徹底追及すると言っていたのです。だが調査結果の発表は約束しないのです。

 

原因を究明して、それに対して再発防止策を立てなければ、問題解決には至らない。このCEOの本音は、ただこの場を上手く乗り切りたいだけということが見てとれます。

これは信仰者にはよく分かることです。悔い改めなければ、悔いなければ、本当の意味で改められないのです。

 

これは、日立ハイテクについても同じです。問題を明らかにせず、うやむやにするので、形を変えてまた同じ問題が起きてきます。

 

今回、映像があることでユナイテッド航空の行動が悪質に見えますが、悪質さから言えば、日立ハイテクの方が悪質だと私は見ます。映像に騙されていませんか?

どちらも一人の人の人権を犯したのです。

暴力で強制的に飛行機を降ろさせたか、

マンションの傾斜に対する自社の責任を下請けの一人の担当者に押し付けたかです。

マスコミの非難を見れば、日立の行為の方が遥かに人権を蹂躙する結果を引き起こしました。

 

私は、ユナイテッドも日立も社内の事情や雰囲気は知りません。ですが外に現れた現象から分かることは、どちらもコンプライアンス意識が低く、特に人権に対しては、世の中の要請より遥かに遅れているということです。そのことが今回のユナイテッドの行動の原因にあり、それをCEOの発言が裏付けたし、同じくそのことが日立ハイテクの中抜き行動の原因にあり、それをCEOの調査結果を発表しないという行動が裏付けていると言えます。

 

(追記) 2017/4/13 13:00 (20:00 修正)
気になったので、原発の輸出について検索してみた。
万が一、輸出先の国で原発が事故を起こした場合、その費用は日本政府が負うということのようだ。つまり福島同様、国民の税金で負担し続けるということになる。

文部科学省によると、国際原則ではメーカーに請求が及ぶことはないのだそうだ。

原発メーカーからすれば国内販売の出来ない中、海外輸出は都合の良い話だ。
一体、このことをどれだけの日本国民は理解しているのだろうか。

ちなみにインドの法律では、原発メーカーも責任を負うらしく、輸出に躊躇するのだという。
http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/3a2985ff0478608bd575a9df55ee8b05

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201702/CK2017022302000127.html

ちょっと古いが

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO62265460X01C13A1000000/

 

(追記) 2017/4/13 20:30

また余談だが、ちょっと関心を引いた記事があったので紹介したい。
私も少しは勉強をするべきだと思った。
もう1年以上前に、予見する人ははっきり予見していた。
見るべきポイントは、組織がちがっても変わらないようだ。
「東芝、生き残ることは恐らく難しい…OB&老人経営、改革の意思も勇気もゼロ」

 

(追記) 2017/4/13 22:00
被害男性の弁護人が12日、証拠保全の申し立てをイリノイ州の地裁に起こした。
以下はその記事。
「ユナイテッド航空機から降ろされた男性、証拠保全を裁判所に申し立て」

この記事に紹介されたユナイテッド航空CEOの発言が面白い。
「旅費を払った乗客で、私たちの機内で、私たちの座席に座っていたのだし、誰だろうとあのような扱いを受けるべきではない。議論の余地はない」とCEOは言明したという。

これは、先に紹介したNewsweekの記事を受けた発言と見ていい。あえて記事を意識して「議論の余地はない」と言わなければならなかったのだ。議論をする余地があれば、当局から各種手数料の追求を受けるからだ。とても分かりやすい人だ。

 

誰が、強制的に乗客を排除する指示を出したかは分かっているはず。なぜ、排除の実行者が処分されて、強制排除を指示した責任者は処分されないのか?

問題をすり替えられ騙されていたことに、みなさんは気がつきましたか?

 

このあたりをいい加減にすればモラルハザードに陥る。会社の改善は期待できない。

もし部下であれば処分をし、代読ででも謝罪させCEOも自分の責任として共に謝罪する方が、よほど好感を得られるのではないのか。

もし機長の指示だったのなら、ユナイテッドに搭乗する機長の再教育を実施するとくらい言ってほしいところだが、このあたりになると力関係もあるから言えないのか。それでも正義と公益を考え、英断してほしい。

指示した人物を個人攻撃するのではなく、そのような判断に至った誤りがどこにあったのか。また、誤った指示に対して、他の従業員は声を上げることはできなかったのか。何か統一教会のカインアベルを見るようだが、それら仕組みの改善と意識改革がなされることを期待したい。

 

(追記) 2017/4/14 14:00
まだ腹の虫が収まらないので、もう一つ書く。

まず、ユナイテッド航空の従業員を擁護する意見だ。
これは、CEOのずさんなメールが外部に流出したこと。
これは内部告発と見れるだろう。
この出来事を良心が許さない従業員の行動があったということだ。

それに対して、日立ハイテク。
あの連日の横浜マンション傾斜の杭打ちの報道の中、
黙り続ける日立ハイテクからは、何一つ内部告発がなかった。
恐ろしいほどの情報統制だ。
日立の従業員の良心は腐っているのか?
ちがう? 死んでいるのだ。会社が恐ろしくて。
おそらくISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などが、
情報の隠蔽にうまく機能しているのだろう。
 

(追記) 2017/4/14 21:00
ずいぶん、記事の本題とズレましたが、ユナイテッド航空の件がうまく整理されてます。

「ユナテッド航空の乗客引きずり降ろし、残る3つの疑問」

 

(追記) 2017/4/15 22:00

こちらも参考。今期、日立も原発事業で損失を出していました。
「日立、700億円の営業外損失見通し 米国の原発事業で」
 

 

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