毎週金曜日は横浜の病院へ出張のため、同期の齋藤拓と行きの車内で朝食を、病院から帰る際に昼食を、そして今夜は夕食も一緒に食べたので、本日は齋藤拓と全ての食を共にした沖野です。

さて、本日は男子T42(大腿切断クラス)・44(下腿切断クラス)100mの動画です。

初参加はT42の木村寛選手と野田隼平選手(野田選手は股離断)、T44の堀口順也選手です。

新しい義足選手が少しづつですが増えているようです。非常に嬉しい限りです!!



さてさて、私がゴール地点から、後輩の藤田悠介がスタート地点から撮影したので、今回はダブル動画?!です。





結果です・・・。

T42(大腿切断クラス)

1位 山本 篤  12″73 (自己新記録&日本新記録&A標準15″50突破!!!)

2位 木村 寛  24″08

3位 野田 隼平 31″57

T44(下腿切断クラス)

1位 春田 純  11″95 (自己新記録&日本新記録&A標準12″20突破!!!)

2位 佐藤 圭太 12″23 (自己新記録&B標準12″50突破!!)

3位 藤嶋 大輔 12″46 (自己新記録&B標準突破!!)

4位 堀口 順也 15″54

風力 +2.0m(ぎりぎり公認記録です!!)



以下は私の独断と偏見の選手評価です。かなり長く、真面目に語っているので、無理して読む必要はありません。

山本篤選手は、なんと4年ぶりの100m自己記録更新です。常に順風満帆のような彼ですが、この4年間は長くつらかったと思います。不調の時代が続き、彼は様々な変化を求めました。足部(板バネ)を変えたり、膝継ぎ手を変えたりしました。もちろん私の知らないところではトレーニングを変えたり、走行フォームや意識を変えたりしたことでしょう。そしてそして、やっと今までの変化が良い方向へ向いたようです。この勢いにのって、12秒前半を目指して、そして達成して欲しいと思います。

木村寛選手、このタイムは不服だと思います。それはなぜかと言いますと・・・。そうです、膝継ぎ手が破損したのです。START動画を見ていただけると分かると思いますが、50m地点で大きくバランスを崩し、転倒しかけているのが伺えます。この時、彼が使用している膝継ぎ手(3R45)の油圧が破損し、ほとんど曲がらなくなったようです。これでは記録はでませんよね。しかし、よりによって本番に破損するとは・・・。ちなみに、100mの前日の練習中に足部(板バネ)が破損しました。予備の板バネを持ってきていたので、夜にホテルで交換を行い、なんとか事なきを得ました・・・。今度は膝継ぎ手が壊れるとは・・・。次回に期待です!!

野田隼平選手も不服でしょう。練習では何度も30秒を切っていただけに、40m付近の転倒は悔やまれます。しかししかし、私の知る限りではⅠPC公認大会で股義足の選手が走ったのは初だと思います。日本初ではなく、世界初です!!彼がパイオニアとなり、股義足単独のクラスができれば、それは凄いことです。今後の活躍に注目です。

春田純選手、念願の11秒台突入です!!これで一気にロンドンパラリンピックが近づいてきました。働きながら家庭を支え、仕事後の練習を週5回こなし、努力と苦労の土台があってこその、この記録です。しかし、私はまだまだ伸びると思います。いや、伸びないとパラリンピック100m決勝にはいけません。11秒5を切るタイムを叩き出さないと難しいでしょう。是非、11秒中盤の走りを見せて欲しいものです。

佐藤圭太選手、実に惜しい・・・。A標準まであと0.03秒・・・。されど0.03秒・・・。距離にして30cm弱・・・。これが陸上競技の難しさでもあり、奥深さでもあるんですよね。彼は最近は200m、400mをメインにしているようです。5月下旬のヨーロッパ遠征で記録を出すことでしょう。

藤嶋大輔選手、ここにきて記録を伸ばしてきました。かなり良い素質を持っています。その素質を活かして、陸上競技一本に絞って、しかも毎日練習しさえすれば、彼にも11秒台が見えてくることでしょう。非常に良い素質も持っているだけに、練習しないのはもったいない!宝の持ち腐れです!!

堀口順也選手、三重県から参戦です。陸上競技の大会へは初の参加で、100mの他に槍投げにも参加しました。元高校球児です。しかし、彼の義足も破損しました・・・。しかも100mのウォーミングアップ中に、足部(板バネ)が破損してしまいました。しかも予備の板バネは木村寛選手に使用してしまったため、破損したままのレースでした。そりゃあ本気では走れませんよね。次回は100mを全力で走り、さらに槍投げの助走もしっかりと走る姿を見てみたいものです。

うーん、義足、破損しますね・・・。どんなにメンテナンスをしていても、破損するときは何の前触れもなく、一気に壊れます。予備部品の重要性を再認識しました。