2024.01.05 02:51   2019.01.24 21:00 作家の宮崎学氏(撮影=佐々木和隆)


 1997年8月に発生した五代目山口組の宅見勝若頭の射殺事件【※1】から

20年あまり。平成最後の年を目前にした昨年12月、事件のキーマンとされていた

元五代目山口組若頭補佐の中野太郎氏が著書『悲憤』( 講談社 / 中野太郎著、

宮崎学監修 )で事件の真相を明かしたことが注目されている。

 1月22日付記事『 宅見勝射殺事件、五代目山口組・渡邉芳則組長の指示だった!

21年目の真相告白 』では、同事件の裏側について、療養中の中野氏に代わって

本書の監修を務めた作家の宮崎学氏に話を聞いた。今回も、警察の捜査動向や

同様に謎が多い八幡事件などについて、引き続き宮崎氏の話をお伝えする。

ヤクザ社会しか “居場所” がない者たち


――「週刊現代」(12月22日号/講談社)の書評欄で、社会学者の宮台真司さんが『悲憤』を「ギリシャ悲劇のよう」と評して話題になりました【※2】。

宮崎学氏(以下、宮崎) まさに理不尽な悲劇ですね。うまいことを言うなぁと

思いました。『 仁義なき戦い 』の名セリフにもあるように、ヤクザの仕事とは

ほぼ「間尺に合わない」のですが、ヒットマンは特にそうですね。

 

 

 

 

それでも、今もヤクザ社会にしか居場所がない者も多い。

そういうところも、行間から読み取っていただければと思います。

――なるほど。「ヤクザにならざるを得ない者たち」の気持ちについては、宮崎さんは以前から書かれていますよね。『悲憤』には、中野会のちょっとおもしろい

エピソードも書かれていて、ヤクザ組織が「居場所」であることもうかがえます。

宮崎 特に中野さんは怖いけれど若い衆に慕われていたから、おもしろい話は

けっこうあるんです。

 

 

 

時代も、それを許していましたね。

――一方で、宅見事件では警察の動きも気になりました。

捜査が後手に回っていたのは不思議ですね。

宮崎 そうですね。事件当日、現場となったホテルの監視カメラにも

実行犯の姿が残されていたのに、実行犯の指名手配は半年後でした。

しかも、詐欺など別件での容疑です。

 

 

 

さらに、1人目の逮捕は事件から約1年もたってからでした。また、実行犯は

中野会の組員だったにもかかわらず、中野さん自身は逮捕されませんでした。

私は「中野さんを逮捕しろ」と言っているわけではありません。

今は療養中で取り調べも厳しいでしょう。しかし、別の事件ではトップに責任が

及んでいるのに、なぜ逮捕されなかったのか。これはおかしいと思っています。

 

 



 たとえば、宅見事件の後に司忍六代目を含む山口組の幹部がボディガードに

拳銃を持たせていたことで逮捕、起訴され、六代目は懲役にも行っています。 

これについて、宅見事件以降に拳銃所持の取り締まりが厳しくなったという

見方がありますが、では八幡事件はどうでしょうか。宅見事件の約1年前に、

京都府八幡市の床屋で中野さんが銃撃された事件です。所持どころか、

中野さんの目の前で中野さんのボディガードがヒットマンを射殺しています。

でも、中野さんは逮捕されていません。ボディガードだけが長い懲役に行きました。

 

 



――確かに八幡事件は謎が多いですね。ヒットマンは会津小鉄系の組員でした。

宮崎 そうです。詳しくは『悲憤』と『ヤクザと東京五輪2020 巨大利権と

暴力の抗争』(徳間書店/宮崎学、竹垣悟)を読んでいただきたいのですが、

山口組は田岡一雄三代目時代に京都の会津小鉄と「不可侵条約」のような

約束をしていたといわれます。

 確かに京都の中心地である旧市街には、表向きは山口組は入ってきていません。

でも、実際には中野さんほか多くの山口組関係者が事務所を構えていました。
ただ、八幡市に中野さんが住むようになると、さすがにトラブルが増えるんですね。中野会と会津小鉄の若い衆がケンカを繰り返すようになります。死者も出てしまったことで、会津小鉄としては中野さんを亡き者にしたいというのはあったと思います。

 

 


ただ、そうした背景があっても、山口組の二次団体を会津小鉄が襲撃するのは腑に

落ちません。これについては、中野さんが宅見さんの「関与」を感じていました。

ヤクザの世界ですから、私もそれはあるかもしれないと思います。

『悲憤』にも書かれていますが、事件の直後に大阪にいるはずの宅見さんから安否を気遣う電話があったそうです。現場は京都ですし、中野さん自身も何が起こったのかわからない状況のなかで、なぜ宅見さんは事件を知り、連絡してきたのでしょうか。こうした「謎」について、中野さんはひとりで考えてこられたのです。
暴力団とは何か、暴排とは何か…


――2018年は、宮崎さんは本書のほかに書き下ろしと対談を手がけられました。

宮崎 書き下ろしも前から準備していて、もっと早く出せればよかったのですが、

体調の都合のほかに資料を読み直したりして、時間がかかりました。

 以前に書いた『近代ヤクザ肯定論』(筑摩書房)は、私なりにヤクザを歴史的に

分析したかったのですが、「難解すぎる」というご指摘も多かったので、『山口組と日本 結成103年の通史から近代を読む』(祥伝社)は時系列でわかりやすくまとめ

ました。最近の「貧困暴力団」などのテーマについても書いているので、ぜひお読みください。また、対談は徳間書店の編集者から「暴排を推進している元暴力団員」の竹垣悟さんと議論してほしいと言われたんです。私はもともと「反・暴排」なので、白熱しておもしろい議論になりました。話してみると、竹垣さんの主張もヤクザの

世界の嫌な部分をたくさん見てきたからこそですから、それは一理も二理もあるわけですよ。もちろん、竹垣さんも私の反論に納得してくれるところもあって、

あらためて「暴力団とは何か」「暴排とは何か」という議論ができました。

 そういう視点から、50年前と今回の東京オリンピックについて話し合ったんです。まぁ50年前は、竹垣さんは中学生、私は大学生だったので、

いずれにしろオリンピックの利権にはあずかれていませんけどね。

――竹垣さんは、もとは四代目山口組の竹中正久組長率いる竹中組の直参で、

四代目の射殺事件後に中野会に移籍されています。

宮崎 はい。中野さん襲撃事件と宅見さん射殺事件も経験されています。

特に中野さん襲撃のときはボディガードとして現場にいたそうで、

本書も興味深く読んでいただきました。

 対談のときに「中野会長の本を出すなら、いろいろ協力したのに」とも

言われましたが、取材をしている頃は知り合いではありませんでしたから。

ただ、竹垣さんは「元暴力団員のくせに暴排とはけしからん」と一部で批判されて

いるため、『悲憤』では竹垣さんの名前を出すのは自粛しています。 

たとえば、中野会と横山やすしとの関係などついては、竹垣さんの著書『極道ぶっ

ちゃけ話 「三つの山口組」と私』(イースト・プレス)に詳しく書かれているので、読んでみてください。

――今年もご健筆を期待しています。

宮崎 ありがとうございます。ひとまず対談本の企画をひとついただいていますが、あとは未定です。まだまだ書きたいことはあるので、生きているうちは

がんばりたいですね。(構成=編集部)

【※1】
1997年8月、神戸市内のホテルのラウンジで五代目山口組・宅見勝若頭が射殺され、居合わせた一般客も流れ弾に当たって死亡した事件。国内最大組織のナンバー2の殺害と一般客の犠牲に「暴力団」への批判が高まった。事件当日から、山口組執行部は

中野太郎会長率いる中野会の犯行と断定したが、警察の捜査はなぜか遅く、

実行犯の指名手配と別件逮捕は半年後になる。絶縁処分を受けた中野会長は、

自ら「うち(中野会)はやっていない。いずれ(山口組に)復帰する」とだけ語り、あとは沈黙を守った。

【※2】
『「義理よりカネ」の不条理に翻弄された、元組長の悲劇』

●宮崎  学(みやざき・まなぶ)
1945年京都生まれ 監修を務めたベストセラー『悲憤』(講談社)のほか著書・

共著多数。月刊『週刊実話ザ・タブー』で「宮崎学のブッタ斬り時報」を連載中。

 

私の見解ですが、渡辺組長と中野組長の電話や会って話では、渡辺組長が

宅見若頭のことをよく思っていなかった、早く何とか・・・とよく言っていたと。

そして「親分(中野元会長)は酒飲んだらワケがわからなくなるタイプで、ある酒の席で、中野会風紀委員の吉野和利と一緒にいる時に、“宅見を殺せ”と言ったのが真相ではないでしょうか。その吉野が総指揮者となって、宅見若頭は銃撃されました。

親分はなんでそんなこと言うたんかなぁと思ってしまいますね。親分は物欲も出世

欲もなく、カネにもそこまで執着しない人間で、男の中の男だっただけに残念です。酒が入ってよくわからないまま口走ったことが、独り歩きして実行されてしまった

のか……。2日前のブログにupしましたが、上記の意味がやっと分かりました 物申す

あの三女が2人に憑依して、そう言わせたことが プンプン おばあちゃん パンチ!パンチ!

 

宮崎学さんは、この時、体調の都合と書かれていましたが、体調でもが悪かったん

ですか? そして、資料を読みなおしていたとありますが、忘れていたこともあり、

その確認作業? 本当に、この事件は謎が多いですが1つづつ謎を解いていきます パンチ!パンチ!


 

「内臓と血液をぜんぶ抜き取った」遺体も! 

ヤクザ界「平成最大の謎」を元極妻が語る サイゾーウーマン

「内臓と血液をぜんぶ抜き取った」遺体も! ヤクザ界「平成最大の謎」を元極妻が語る

 

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る

極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

謎また謎の射殺事件
 最近は、毎日のように「平成最後の……」とか「平成のうちに……」という

フレーズにふれますよね。ちょっと飽きてきましたが、不良業界(?)で

一番の「平成問題」は、前回でもご紹介した若頭射殺事件です。

 日本最大組織の若頭という事実上のナンバー2の射殺事件なのに、

今も謎が多すぎるのですが、「平成のうちに」ご本人の著書を含め

関連書籍が2冊も出版されるとは……。すごい動きです。

 今のところわかっている若頭の「襲撃グループ」は、皆さん、中野太郎会長

率いる中野会系の組員でした。事件当日から山口組執行部は、それをわかっていた

いわれていますが、警察が犯人を特定して指名手配するのに半年かかっています。

しかも当初は詐欺などの別件でした。

 ここでもう「警察はナニをやってるのか」的な謎がありますが、

トップの中野会長は今日まで逮捕されていません

(もちろん「逮捕してほしい」と言っているわけではないです)。

 この襲撃グループのメンバーはホテルの射撃犯と見届け役、指示役の合計6人で、

このうち2人は遺体で発見されています。1人は滞在先の韓国で「病死」とされましたが、韓国の当局が「内臓と血液をぜんぶ抜き取った状態」で日本に返してきたそうで、これも謎です。おなかには綿が詰められていたそうで、一体何のために

そんなことをしたのか、さっぱりわかりません。もちろん病死ではなく、

若頭を殺された宅見組のカエシ(報復)ではないのかとか、中野会による

口封じではないのか……というのも不良の間では話題になりました。

 もう1人は「通報」で発見されました。警察官が指定された場所に行くと、

ご遺体が衣装ケースに入れられていたそうです。糖尿の持病があったそうで、

ガリガリに痩せて、足は壊死していたと報道にありました。
そして、最後に逮捕された見届け役は、事件から17年にわたって逃亡を続けていて、逮捕された時は「ほっとした」そうです。判決は無期懲役でした。

 元極妻が言うことではないですが、やはりヤクザは哀しいですね。

 

 

 この襲撃グループの逃亡資金は、どうしていたのでしょうか。

中野会系の組員なのですから、中野会長がご存じないとは思えません。

 以前の中野会長は「日本一のお金持ちヤクザ」や「元ヤクザで同和事業の大物」の皆さんと交流があったので、お金も何とかなっていたのだと思います。

今はこのお2人も亡くなっていますが、事件直後は何とかなっていたのでしょうか。

ただ17年も逃げるって大変ですよね。報道では、見届け役さんは逮捕された時も

現金をかなり持っていたそうで、「お財布さん」がいたはずです。

 一方で、山口組執行部は、事件のあとに中野会関係者への襲撃を禁止する通達を

何度も出しています。これは中野会を守るためでも、ご近所さんの迷惑を考えてのことでもなく、暴力団対策法で「抗争状態」となると事務所が使えなくなるからです。もっとも宅見組は事実上容認されていて、バンバンやっていました。

このあたりを中野さんは、どう語られるのでしょうね。

 一説には、渡邉芳則五代目が中野さんに若頭の銃撃を命令したとも言われています。でも、若頭は当時かなり体調を崩されていて、引退もほのめかしていました。

たとえ対立していたとしても、銃撃までする必要があったのでしょうか。

 ちなみに若頭は前から肝臓が悪く、フランスにも治療に行っていますが、

フランスに着いたとたんに入国拒否されて帰国したことがありました。

実は、若頭のような大物ヤクザがフランスまで行けたのは安倍晋三総理のお父さんのおかげ……と、亡くなられた田中森一元弁護士が『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』(幻冬舎)に書かれています。今では考えられませんね。こんなのを書いて

しまった田中元弁護士は、やっぱり有罪判決を受けて服役しました。


 本当に謎の多い射殺事件、中野さんは何を語られるのか、興味津々です。

山平重樹先生の評伝とも併せて楽しみです。

【補足】

事件後、山口組が出した「通達」

 

 高山宅銃撃事件の翌日となる2020年2月3日、山口組本部は

傘下組織に対して次のような通達を電話で伝えた。

「公共施設などでは暴力沙汰を起こさないこと」
「対立組織との間でもめ事があっても返し(報復)をしないこと」

 

 警察の取り締まり強化が予測されるため、「当面は静かにしていることが得策」

との判断をしたものとみられる。

しかし、この通達を受けたある山口組幹部は独自の見解を披露する。

「通達の中で『返しをしない』というのは、中途半端な返しはしないと解釈した。

例えば、相手の事務所に火炎瓶を投げるとか、ダンプで突入するとか。こうしたつまらない返しはしない。自分の解釈は、やるなら相手の『体に入れること』をやる。

入れるとは銃弾を相手の体に命中させることだ」

 

 神戸山口組側に対して何かしらの事件を引き起こした際には、「若頭宅の事件の

返しだとの大義名分が立つ」とも正当性を主張する。警察の締め付けなどが

あろうとも、対立抗争はまだまだ収束させるつもりはないようだ。

 

 宅見若頭を射殺した犯人が韓国ソウルへ行き、潜伏先で病死。

韓国の当局が「内臓と血液をぜんぶ抜き取った状態」で日本に返してきた。

お腹には綿が詰められていたと、書かれていましたが、どう考えてもおかしい。

なぜ、この状態で病死なのか?ライブドアの経理担当者が沖縄で起きた殺人事件。

殺された被害者は、発見当初、内臓が出ていたと警察が発表していましたが、

この犯人は、ヤクザの犯行だと言われていますが・・・。どちらにしても、

人間のやることではない。残忍極まりない出来事です 叫び おばあちゃん パンチ!パンチ! 

 

早く、この事件の真相が分かればいいのですが、組長が亡くなられているので・・物申す

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

いつもありがとうございます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました 愛飛び出すハート