『桃井的ことば』インタビュー 前編 2023.11.21 LIFESTYLE CULTURE
日本を代表する俳優として順調にキャリアを重ねつつも、50歳を過ぎてLAに拠点を
構え、ハリウッド映画業界に本気で踏み込み、64歳で幼馴染と結婚――いつの時代も独特な存在感を放ち続ける桃井かおりさん。俳人の種田山頭火にちなみ信念を貫いた生き方で多くの人々に感動を与えた文化人・表現者を顕彰する「第6回 種田山頭火賞」を10 月に受賞し、11月2日には新刊『桃井的ことば』(KADOKAWA)を
リリース。以前から “心に刺さる” と人気の “桃井語録” を1冊にまとめた本だ。
彼女の独特でいて核心をえぐるような言葉は、いったいどこから生まれるのか?
インタビューに応えること自体が稀な桃井さんにLAからたっぷりと語ってもらい、
前後編でお届けする。前編では、独特な “桃井語録” へのこだわりについて伺う。
音で表現する俳優ならではの言葉へのこだわり
――桃井さんの言葉に対するこだわりは、かねてから誌面などを通して感じて
いましたが、今回、本の制作をご一緒して、そのハンパない強さを痛感しました。
それはいつから、どのように培われたのでしょう?
台本だと普通なんだよね。「よい」というのと「いい」というのは、私の中では全然意味が違う。セリフの影響かもね。シナリオライターはものすごくこだわるから。「いい子じゃない?」というのと「よい子だもの」というのとじゃ全然違う。「悪い子だと思ってたけどいい子じゃない?」っていうニュアンスが「いい子」に入ってくるし、「よい子と悪い子をはっきり分けて、こっちは正義の人ですよ」っていうような推しが「よい子」には入ってくる、みたいな。
「よいご飯」と「いいご飯」なら、「よいご飯」は体にいいだけって気がするけど、「いいご飯」っていうとみんなにとって心地いいご飯っていう感じ。「体に」を前に付ければ意味ははっきりするけど、「いい」「と「よい」だけだと「うん」と「はい」ぐらいの違いがあるかな。
初めて作家の先生と話をした時に「一番売れてる時で今忙しいんでしょ?」って
言われていい気なもんだったから、「私生活はどんななの? 普段何してるの?」って聞かれて「何もしてないです」「何もしてないわけないでしょ。どんな感じなのよ?」「しんと寂しい花盛り、って感じ?」って言ったら、すごいウケたのよ。本当に“しん”って感じだったの、寂しさが。山頭火の俳句に「まっすぐな道でさみしい」っていうのがあるんだけど、「なんでまっすぐだとさみしいの?」って聞く人は
俳句ではいないじゃない? だから「しんとさみしい」って言えばいいかと。
言葉を使って表現する人間は、特にセリフを言う時は音で表現するから、
それは非常に重要なことで、そこにこだわるのはものすごく普通のことだと思う。
『桃井的ことば』(KADOKAWA)
監督さんで「あ、まだ20分もあるわ↘」 って下げる人がいて、「あるわ↗って上がらないんだ」って私が教えた監督がいるのね。清純な少女は「そうなの↗」って上がるように。私は「そうなの↘」って下がってたけど(笑)。私はセリフと演じる役の
人生を“音”で表現してたと思うのね、言葉は変えちゃいけないし変えられないから。
だからその音とか、文章のどこで行を切るとかいうのはかなり大事。今回ね、言葉を切らないでずっと繋げたらどうなるかとか、こことここはわざと繋がり悪くしようっていうのもやってみたんだけど。だからなんとなくごちゃごちゃにはしたのね。
いい文章だと思って書いてるふうには絶対思われないように。
『桃井的ことば』(KADOKAWA)
そもそも本を作り始める時に「言葉は嫌」って言ってたんだけど、言葉を面白がってくださる方が結構多いじゃない? でも「がんばれ自分」とか「嘘から出た真嘘」とかさ、そういうような言葉で、自分がすごく嘘つきであることとか裏切り者である
こととかを笑い話にして、どうにか生き抜いてきちゃってるから、言葉を本にされると傲慢というか、かました私の腕だけが写っちゃうだろうな、というのがあって、
それですごい怖がってたのね。だから習字とかビジュアルみたいなものがジョークで入っててくれないと、本気だと思われるとちょっと怖いな、と。そんなところを
注意しながら、私は抵抗しながら作ってたのよ。
サインから生まれた桃井流毛筆フォント
それともうひとつ、女優さんだとサインとか言葉書いてくださいって言われるじゃない? でもこっちにはなんの得もないわけ。それに絶対いつか捨てられるんだよね。だから私は自分のために少しはなるように、墨で書くようにしよう、とある日思ったわけ。「墨じゃないと書けないんですよ〜」って言って相当嫌われてるけど(笑)。それで書かないで済んでることも随分あるし、楽屋とか泊まってる部屋に色紙や
なんかがいっぱい置かれることもあるのね。それが結構すごい数なわけですよ。
それってさあ、なんでやらなきゃいけないのかと思ったらおしまいだから、やらなきゃいけないメリットを見出だすようにしたのよ。「墨を磨る」という作業もよかったし、墨で書くといろんな紙を経験できたのね。できあがりの感じがみえるくらい
紙の質は知っている(笑)。だからこの書風はサインが原因だね。
筆ペンが出てきてからは、筆ペンにも墨をつける。筆ペンも段々よくなっちゃって、マジック化してきてるわけよ。筆先がまばらだったり硬くなったりして書けないっていう作業が入るから面白いのに。変に硬い筆とか柔らかい筆とか、反対に筆先をトントン叩いて全部ばらしちゃってとか、墨をつけたままちょっと置いてから書くとか。
文章もそうだけど、私は1回しか書かないって決めてるのね。書き直していくとどんどんいい文章になっていくだけなのよ。いい文章になったってしょうがないじゃない? その時書いていた熱というか息はどんなもんだったかっていうことのほうが、どんな意地悪な気持ちで書いてたかっていうことのほうが大事なわけね、私には。
だから1回書いて終わり。今回も、字は1回しか書かないって決めてほとんど
書いたのね。相当悪いからもう1回やらせて、っていうのは2個ぐらいあったかも
しれないけど、ほとんど1回しか書いてないと思う。
セリフも覚えた時にはほんとに上手になるだけで、腐ってるのね。だから「覚えた
時は腐る時」って言ってんだけど。人のセリフもなるべくなら本番の時まで聞きたくないわけ、私は。それから絶対やっちゃいけないんだけど、セリフの最中に言いたいことがあったら、セリフに書いてないことも言うからね。それが体を通すってこと
だし、今生きている人間がやることだ、っていう感じなの。私はこの時代に生きてた自分を表現する以外の芸はないのよ。だから今の私はこんなです、っていうのが
一応の“売り”。売れるものはそれしかないのよ(笑)。伝統芸能でもないし。
昭和の私とか、平成の女だった私とか、その時代の語り部っていうか映り部?のように映していくっていうのが、私が考えている、私ができる俳優の仕事なのね。そう
いった意味で、音がない言葉には字が必要だったんじゃないかな、って思ってる。
『桃井的ことば』(KADOKAWA)
「”あの子” は、私の人生の中で一番正当な人」桃井かおりが語るパートナーの存在 桃井的ことば』インタビュー 後編
木津 由美子 プロフィール ビューティ・ジャーナリスト。
20歳で映画デビューしてからというもの、唯一無二の独特な存在感を放ち続ける
桃井かおりさんは、生き方も独創的だ。女優として順調なキャリアを重ねながらも、50歳を過ぎて突然渡米し、LAを拠点に活動。さらに、64歳で幼馴染と結婚。
俳優だけにとどまらず、監督、プロデューサーなど活躍も多彩だ。
そんな桃井さんの “桃井語録” を1冊にまとめた本、新刊『桃井的ことば』(KADOKAWA)を11月2日にリリースされた。
後編では、どんな生活を送っているのか謎に包まれる桃井さんの私生活と、
“あの子” と呼ぶ幼馴染のパートナーについてもお話を伺った。
「あの子」は、私の人生の中で一番正当な人
―本の中で、64歳で結婚された「あの子」について触れられている部分があります。短い言葉なのに、とても穏やかで、そして日常を感じさせる優しいものが多いように思います。桃井さんにとって、「あの子」は人生の中でどのような存在なので
しょう? 特にあの子がどういう子なのかというと、まあ、正当な人なんですよね。
私が見た中で一番正当な考え方をする。真っ当。人間として正しい。
正義感は私にもあるけど、番長みたいな正義感で(笑)。彼のはね、ちょっと天使に近いやつだよね。人の悪口を言わない、仕事の愚痴をこぼさない、誰も嫌わない。
だから私もようやく嫌いな人とご飯食べられるようになってきたからね。
『桃井的ことば』(KADOKAWA)
女優としての正義感やルールは間違っていなかったと思う。間違ってはいないが、
私はロボットじゃなくて人間だから、最後は人間で死ななきゃいけない。
桃井かおりっていうキャラクターというか、桃井の正義はAIに習得させてホログラムで残すんでしょ、たぶん。それはどうぞお使いください、っていう感じなんだけど、それはあくまで私の作品のひとつ。私はどういう人間なのかっていうことを死ぬまでに完成させなきゃいけないので、そういう意味ではそこの修行ができてなかった
からね。その辺を気づかせてくれたのは「あの子」なのよね。
心底生き延びたい我ら」ロス在住の桃井かおり”
一時帰国”で幼馴染夫と「大人デート」の「その後」
2024 / 配信 FRIDAYデジタル 一部抜粋
「’05年、ハリウッド映画『SAYURI』への出演をきっかけに、桃井さんはロサンゼルスに生活の拠点を移しました。’15年に結婚を発表した幼馴染の宇都宮氏は、伝説的
ロックバンド『ニルヴァーナ』を見出した敏腕音楽プロデューサーで、米国では
『 カズ・ウツノミヤ 』の名前で広く知られています」(在米音楽ライター) 独特の
スタイルで人生を謳歌する桃井は、女優としてだけでなく、映画監督やクリエイターとしても活動し、日米を行き来している。本誌が目撃したこの夜は、夫と ”一時来日” し、一緒にディナーを楽しんだ後だったのだろう。「どこか寄る? それともこのまま家に向かう?」 そう夫に語りかけ、微笑む桃井。変装もしていないだけに、
彼女に視線を送る通行人もいたが、まったく気にしていない様子だった。
二人はしっかりと手をつなぎ、自宅のほうへと歩いて行った。 桃井の知人が明かす。 「二人が初めて知り合ったのは、小学生だった桃井さんがバレエ留学していた
ロンドンだったと聞いています。彼女いわく、宇都宮さんは『9歳からの幼馴染で
初恋の人』だそうです。桃井さんが米国移住したことをきっかけに、二人は再会。
出会いからおよそ半世紀の歳月を経て、結婚に至りました。酸いも甘いも噛み分けてパートナーになった二人は、米国で悠々自適な生活を送っていますよ」
’23年1月に出演したバラエティ番組で桃井は、宇都宮氏との結婚について、
「思いもよらぬ人と最後に再会することもあるし、出会いもあるし。すぐにわかり
ましたよ、この人と死ぬまで一緒にいたいなって」 としみじみと語っている。
恋多き人生を送ってきた大女優はアメリカで「初恋の人」と再会し、「最後の恋」にたどり着いた。手をつなぎ、笑い合い、見つめ合いながら歩く二人の表情には、
「大人の夫婦」の幸せが溢れていた。
◆「心底生き延びたい我ら」と綴ったインスタが大反響
桃井は毎日のように自身のインスタグラムを更新し、セレブ生活を報告している。
’23年11月4日には、MLB選手の前田健太投手(35)の自宅で開催されたハロウィンパーティーに参加したことを報告。《 ハロウィンナイトは前田健太さん家のハロウィンパーティーに参加してたンよ~B’zの松本さんにも会えて嬉し~ 》 とコメントし、前田や『B’z』のギタリスト・松本孝弘とのツーショットを投稿した。しかし、
’23年12月5日には、『X JAPAN』YOSHIKI(58)の米国マネジャーで、
夫の40年来の親友だったフィル・Q氏が癌で亡くなったことを報告。そして、
《 埋葬しながら “もう誰だって死んでゆく” と旦那は言った。旦那の涙はまだ止ま
らず今朝はPhilの好きだったにんじんと生姜(ショウガ)のスープ “美味しいけど
寂しい” 味だったと。》 とスープの写真を添えてつづっている。 「’23年12月12 日にもインスタを更新し、モデルナワクチン5回目を接種したことを報告しています。そして、『忘れそうだがまだコロナはいる、、心底生き延びたい我ら』と、
思いをつづっています。 友人の死がよほどショックだったのかもしれません。
この投稿は大きな反響を呼び『生き延びたい』という桃井の決意に同意するコメントが多く寄せられています」(芸能事務所幹部) メディアにほとんど登場することのない桃井だが、その影響力は今でも大きい。その生き様はかっこいいとしか言えない。
生前、占い師の母が「人を殺すのに武器は要らない!」と言っていましたが、
それがウイルスなのか、目に言えないもの? 液体という化学兵器のこと?
母が言っていた通り、武器はなくても人は死ぬ(殺せる)と分かりました
桃井かおりさんは、独特の言い回しが面白く、生き方がカッコいいです。
奇遇にも初恋の人と再会をして、縁があって最後の恋をして結婚、素敵すぎ~
そして、自分らしく生き、やりたいことが出来ている人って輝いていますね。
誰かに邪魔をされない、のびのびと暮らし、美味しいものを食べ、天命を悔いなく
全うしたいですね。これからも、心身ともに健康で家族仲良く楽しくお幸せに
ブログや他のことをしている時に邪魔をしないで。頭に入って来ない!
思考低下、執着しないで、人に嫌なことをしてこないで
忘れさせないで、転ばさないで。目の錯覚や老眼にしないで、トイレ関係
臭い口臭を持って来ない、理性を失わさないで!プレッシャーを感じさせないで
記憶を消さないで。言葉が出ないようにしないで。中枢神経を触らないで
人をコントロールしてこないで。自分の言葉を人に言わさないで。
人の後ろに憑かない、憑依しない。水晶を使って人を脅さない。マウントを取らない
いつもありがとうございます。
最後までお読みいただきありがとうございました