【映画】さよならの朝に約束の花をかざろう*日本アニメ | + つれづれ in タイ・バンコク +

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つれづれなるままに。

2014年04月からタイ・バンコクに移住しています。
しごとは現地採用、1人暮らしです。
遊園地でも旅行でも1人でどこでも行けちゃう派。
でもインドア。手広くちょっぴりオタクです。

感動系アニメ「あの花」「ここさけ」の
脚本家による脚本・監督作品
さよならの朝に約束の花をかざろう」を
観てきました

通称、「さよ朝」。
タイでも、「SAYOASA」。




◆ 公開日

日本公開:2018年02月24日
タイ公開:2018年06月28日

2018年07月14日現在、
・Quartie Cineart
・Paragon Cineplex
など、タイ各地のMajor系列で上映中。




◆ 関連ウェブサイト




◆ 公式予告動画

日本向けオリジナル予告。




タイ向け予告(タイ語字幕付き)




◆ 関連作品


◆ あらすじ

人間とは異なる長い長い寿命を持ち、
若い姿のまま成長を止めるイオルフの民。

彼らは日々の出来事を布に織り込みながら
穏やかに暮らしていた。

そんな静かな里を突然人間が襲う。
イオルフの長寿の血を王の血筋に混ぜるため
イオルフの少女を攫い強引に娶った。

からくも逃げ延びたイオルフの少女マキアは
戦に巻き込まれて亡くなった母に抱かれる
人間の赤子をひとりぼっちの自分と姿を重ね
自らの手で育てるコトを決意する。

逞しく成長していく人間の少年・エリアルと
成長が止まったイオルフの少女・マキア。

いつかやってくる
さよならの朝に、約束の花をかざろう。


◆ 感想

めちゃくちゃ綺麗だね、映像。
綺麗というか、美麗?

背景も、人物も、タッチも、表現も。

まるでイラスト集をずっと眺めているような
繊細さと美しさ。儚さがすごい。


以下、いちおうネタばれ注意。


この作品を観ながら、
頭の片隅をずっと占領していた作品が2つ。


1つは、おジャ魔女どれみドッカ〜ン!の
「どれみと魔女をやめた魔女」。
今でこそ有名な細田守が演出を担当した回。

魔女見習いの少女どれみが
魔女をやめ人間と暮らすコトを選びながらも
永遠に生き続けなければならない魔女と
出会う物語。神回。

または、同シリーズで、人間と恋をし、
魔女界の女王を引退して人間界で生きるも
寿命の違いによる葛藤と不幸により
強い呪いをかけたまま悲しみを抱えて
眠り続ける「先先代の女王」の存在。

寿命の違う人間と暮らすマキアの葛藤が、
思春期の頃に見たおジャ魔女シリーズの
あの何とも言えなかった感情を
強く揺さぶってくるような感覚。

どれみの土台があったからこそ、
「さよ朝」での感じ方も
少し違ったように思う。


息子として育ててきたエリアルが老いていき
この世を去っていくのを見送るマキアと、

親だと思ってきたマキアが歳をとらずに
自分だけが成長を続け、
周りと違うコトや生活拠点を転々とする
日々に行き場のない不安や怒りを抱える
思春期のエリアル。

1人ぼっちと1人ぼっちとが送る
たった2人だけの関係と生活。

外での新しい関係を持つコトに憧れながらも
それはマキアとの別れを意味するワケで。

なんとなんと、儚くて強い関係だろう。



もうひとつ、頭をよぎっていたのが、
「獣の奏者」という作品。



闘蛇、王獣といった神話の生き物を
人間のエゴで飼い慣らし、
戦の道具とするような世界が舞台の物語。

長寿を持つイオルフや、
人間に囚われ使役される神獣レナトを
自分勝手なエゴで弄ぶ人間の愚かさ。

人間の愚かさが実に厭らしく描かれ、
同時にエリアルを通じて人間の素晴らしさも
描かれているそのギャップが
とてもうまかった。

人間の厭らしさも美しさも
どちらのバランスもステキでした。