【映画】永い言い訳*JAPANESE FILM FESTIVAL 2018 | + つれづれ in タイ・バンコク +

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2014年04月からタイ・バンコクに移住しています。
しごとは現地採用、1人暮らしです。
遊園地でも旅行でも1人でどこでも行けちゃう派。
でもインドア。手広くちょっぴりオタクです。

はいはーい、
映画感想をバンバン消化していくよ〜!

求めてる人なぞおらんのは知っているけれど
だからこのブログ、備忘録用なんだってば


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JAPANESE FILM FESTIVAL 2018で上映の
永い言い訳」を観てきました

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◆ 公開日

日本公開:2016年10月14日
タイ公開:2018年02月03日


◆ 関連ウェブサイト

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◆ 公式予告動画






◆ 関連作品



◆ あらすじ

タレント小説家としてテレビにも出る幸夫。
その妻が、バス事故で他界した。

事故の報せを受けた時、幸夫はまさに
不倫行為の最中であった。
幸夫は、妻をすでに愛してはいなかった。

テレビの前では、愛する妻を喪った
悲劇の人物を演じなければならない一方で
不倫の事実が明るみに出る恐怖と、
作家として伸び悩むコトに苦悩する幸夫。

しかしひょんなコトから、彼は
生きる充足感を得るコトとなる。

幸夫の妻と共になくなった彼女の親友が
この世に遺していった、息子と娘を
世話するコトによって。

幸夫は、妻を喪い、
そして人を愛するコトを知る。



◆ 感想



日本映画祭っぽいわ〜、ぽいぽい。

…というカンジの作品。


この、なんていうか、陰鬱としたカンジ。

冒険に出るワケでも、魔法が使えるワケでも
朝ドラ系ひたむきキャラでもなく、
世界も特段、救うコトもなく。

この世に不思議な事など何もないのだよ。
…そういう、世界観。

あくまでも日常の中の、
人々の間で起きた特別な出来事に向き合い、
己を見つめ直し、そして後悔とともに抱いた
決意を胸に、明日へと進み出す物語。

リアリティへの追求とこだわりが顕著で、
淡々と、丁寧に、
役者が吐き出す感情の機微を逃すコトなく。

そういう作品が、日本映画祭では
選ばれやすい気がしています。


そしてこの「永い言い訳」に対しても
そんな印象と感想を抱きました。


なので、好き嫌いが分かれやすいかも。

こういう作品を見慣れていると、このモヤモヤも含めて好きになりやすいかもだけど、わかりやすい面白さを求めるならば、物足りなく感じてしまう可能性は十二分にある。

私は「宿題」のように手渡されたモヤモヤも
好きなので、そういう意味では好きな作品。

たださ、ただね。
「不倫」ってどうにも好きではなくて。

現実の世界はそう綺麗な関係ばかりでないと
わかってはいても、でも、だけどね、
お互いに想い合ってるみたいな、
そういう世界が好きなので。

だからそういうのがリアリティが色濃く
描かれる作品の中で、当たり前のように
描かれてしまうと、ちょっと苦手かな。

しかしそう思わせてしまうほどに、
現実と虚構の境界線を曖昧にしてしまう
だけの静かな力強さを持った作品であった
のだとも思います。


なによりやっぱり、役者陣がよかった。


自己愛にまみれた幸夫。

最愛の妻を突然喪い、その悲しさに浸って
ばかりでいまある現実を放棄した陽一。

母を喪い、夢も失いかけ、それでも泣けず、
物分かりのよい良い子でいようとする真平。

その幼さからワガママで困らせる灯。


どの役も、微妙なバランスで成り立っている
ともすれば嫌悪感を抱かせかねない危うさが
あるようなキャラクター。

だけど、どの1人として、少なくとも私には
愛すべきキャラクターのように思えた。

そのギリギリのバランスを、よくぞ
保ちきったな、なんて感じました。

特に主演の本木雅弘。
カッコよいのに、渋みもあるのに、
なのに何だか放ってはおけないような。
いやあ、こりゃあモテるわ。



今回観た映画祭の中では、1番モヤモヤとした
作品だったかな。

それもまた、心地よく。



それにしても、作中アニメの
「ちゃぷちゃぷローリー」の曲が
頭から離れないんですけどー!!

声が間宮くるみで、へけっ、なのだハムスター