映画「この世界の片隅に」を観てきました
JAPANESE FILM FESTIVAL 2017の上映全14作品踏破リレー・13作品目
◆公開日
日本:2016年11月12日〜 全国公開
タイ:
映画祭:2017年02月12日(日) 16:10〜 他
本公開:2017年02月23日(木)〜
映画祭と本公開とで2回鑑賞しました
本公開でも上映館が少ないから、あまり長くは上映しないのかしら…
JAPANESE FILM FESTIVALの中でも目玉のような扱いで、予約時点で見た限りでは、事前のチケット予約が1番多かったのもこの作品。
エムクオーティエの土曜午前回は、日本人の家族連れの姿も普段より多く見えたなあという印象でした。
◆公式予告動画
◆関連書籍・DVD
◆あらすじ
昭和20年、広島・呉。
わたしはここで生きている。
広島・江波に生まれた、少しばかりぼーっとしている女の子の「すず」。
幼少時代に出会った4歳上の周作に望まれて、軍港の街・呉にある北條家へ18歳で嫁ぐこととなる。
戦争はいよいよ激しさを増し、呉にも毎日空襲警報が鳴り響く。
何も考えなくてよいあの時のままでいられたらよかったのに。
この世界の片隅で、激動の時代を生きたとある女性の物語。
◆感想
すごく良い作品だったと思う。
2回観て、2回とも泣いた。
2回観に行って、本当によかった。
冬乃@バンコク・04/06〜13日本@poohka_27やっぱり泣く。こわくないのに、こわい。日付と地名だけで何が起こるかわかるから。在りし日の建物の今の姿を知っているから。「この世界の片隅に」を観てきました。2回目。2回観てはじめて自分の中で繋がった物語があった。行ってよかったと思う。
2017年02月25日 16:10
コレは、戦争アニメでも、ましてや反戦アニメでもないと、そう自分は思っています。
その時代に生きた人々の日常が、等身大に描かれているような、そんな作品だなあと感じました。
その日常の中に「戦争」があるという非日常の世界。
そんな非日常のような日常の中で、どこにでもありえる話だったと思うし、だからこそ身近に、リアルに感じられて、その感覚こそが「こわい」と感じて涙が止まらなかった要因だったのだと思います。
空襲のシーンなんかの描写もありはするものの、抽象的な表現が多いので、いかに想像力を巡らせるか、いかに知識と紐づくかで、受け取り方も少しばかり違ったのではないかとも思います。
たとえばすずが広島を発つときに描いていた「広島県産業奨励館」。
今では「原爆ドーム」と名前が変わったその建物の今の姿を知っているから、その後に起きることを頭の中で予測して、辛くなってしまう。
たとえばすずの幼馴染が乗艦していた「青葉」。
何度大破しても戻ってくるエピソードが背景にあっての、幼馴染と2人っきりで過ごす夜とエンディングの印象は、若干異なるのではないかと。
青葉以外にも、大和をはじめ、武蔵や利根、天城、龍鳳…といったあたりの名前も出てくるのですが、特に大和については乗員数などわりと詳細な説明があったりもして、でもねえ…大和ねえ…あああ…となるせいで、海軍将校さんたちを見るにつけ不安になるというか…。
私はあまり詳しくはないけれど、「提督さん」あたりだと、この辺りはもっとグッとくるのでは?
「8月6日に広島でお祭り」というセリフが出てきた時点で、息が止まらざるを得ないし、でも「その」描写は呉の側からは実に淡白で、そうした感覚こそがリアルなように思えてつらかった。
個人的な点で言うと、過去に出演した舞台のシーンで何度も何度も玉音放送を聞いていたので、玉音放送が流れるだけで身体がこわばるし、そもそも「広島」な時点でかなりの鬼門なので、余計に苦しかった。
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<戦争は終わらない―原爆詩集からのコラージュ>
コレが戦争一辺倒な作品であればそうでもなかったハズだけど、あくまでも「日常」の中に潜むそれらの事象が、かえってとても恐ろしかった。
でも、決して敬遠するものでもなくて、むしろ好ましくて、抽象的ではあるものの見やすい作りになっていて、もっとたくさん観てもらえたらよいなあって思う。
映像というか、描写もすごいよかった!
絵画的な手法がところどころに入る演出も見事だったし、構図の取り方なんかはさすがとしか言いようがない。
相っ当の調査をした上での描写だというのが、素人目から見てもわかるほどに細かくて、リアルで、だからこそ現実感のある身近な物語に感じられたと思う。
素直に絶賛しちゃう。よかった!
声も合っててよかった〜!
主演ののんちゃん(能年玲奈)がハマリ役すぎて、独特の間合いやペースにすごく好感が持てて、ステキ。
ほそやん演じる旦那の周作とか惚れる以外なくない!?ってカンジだったし、小野Dが幼馴染とか本当ズルい。本当ズルい。小野Dだもん、そりゃあ淡い恋心も抱くわ…
細かいトコロまで、誰かと感想を語り合いたい作品でした。
コレは、観てほしい。
そう願うばかり。