巨大恐竜展



第3章 ティタノサウルス類 


 最も大きな恐竜たちのくらし


続きです。








異なる呼吸






パタゴティタンの体は

大量の酸素を必要とした。

特別な肺のおかげで

これほど大きくなったのである。


人間を含むほとんどの動物は

息を吸うときのみ空気から酸素を吸収する。

パタゴティタンは

今日の鳥と同様に

息を吸うときと吐くときに酸素を吸収する。

空気は一連の気嚢から

パタゴティタンの肺に絶えず流れ込んだ。

そこでは、恐竜の強力な心臓によって

酸素が血流に吸収され体中に送り出される。





燃料となる食べ物




パタゴティタンのようなティタノサウルスは

その巨大な体に栄養を与えるために

たくさん食べる必要があった。

何百万年もの時間をかけて

ティタノサウルス類の内臓は

体のサイズとともに大きくなった。

これにより

彼らはますます大規模な生活に必要な

エネルギーを吸収できるようになった。


パタゴティタンは

葉を丸ごと飲み込むことにより

食べ物を噛むための時間を無駄にせず

咀嚼するための筋肉を動かすエネルギーも

節約できたと考えられる。


その巨大な腸内で食物が分解されるまでには

最大10日かかったと見積もられている。

ここで栄養素が血液中に吸収される。

心拍ごとにこのエネルギー豊富な血液が

体中に送られる。



巨体を動かすエネルギー





パタゴティタンが


これほど大きく成長できたのは


胃腸、心臓、肺が連携して


その巨大な体に


エネルギーを供給していたからである。


その腸は毎日約129キログラムの植物、


つまりサラダをボール1,600杯分以上を


消化した。


その強力な心臓は


栄養と酸素で満たされた血液を


鼻から尻尾の先端まで


身体中に送りだす。


その肺は息を吸うときも吐くときも


空気から大量の酸素を取り込むことが出来た。






熱すぎる?寒すぎる?ちょうどいい。




パタゴティタンのようなティタノサウルス類が


巨大なサイズになったのは


温血動物と冷血動物の長所を


兼ね備えていたかもしれない。


現在の爬虫類などの変温動物と同様に


体温を保つために余分な食物をとる


必要はなかった。


腸や筋肉によって生成される熱を


巨大な体内に閉じ込めることで


体温を保っていた。


この熱のおかげで


鳥や哺乳類などの恒温動物と同様に


天候に関係なく急速に成長し


活動することが出来た。










生き残るための戦い




成体のパタゴティタンを攻撃する捕食者は

それほど多くはなかったであろう。

現在のゾウのように

大きさと力が主な防御手段であった。

また、群れが大きいほど安全であった。

群れの若くて小さな個体は

食べられる可能性が高く

他の竜脚類の足跡から

小さな個体が内側を歩き

外側の大きな個体に守られていたことがわかる。

祖先が大型であればあるほど

捕食者にされにくくなり

より確実に子孫を残せる。

これがパタゴティタンの祖先が

何千万年にわたって大きく成長してきた

理由かもしれない。





凶暴な捕食者




パタゴティタンのボーンヘッドから

57本の鋭い肉食恐竜の歯が発見された。

おそらくパタゴティタンの死骸をあさる際に

いくつかのティラノティタンの顎から

落ちたものと考えられる。

パタゴティタンの死骸は

巨大なティラノティタンから

小さな昆虫まで

多くの肉食動物にとって

ごちそうになったことだろう。






巨人の歩行




パタゴティタンはその長い足で

遠くまで歩くことが出来た。

局地的に干ばつや山火事が発生した場合

食料や水を求めて遠く離れた場所に

移動することが出来るが

小型の恐竜は逃げることが困難である。

この利点も

パタゴティタンの祖先が巨大になった理由の

ひとつかもしれない。

しかしパタゴティタンはその巨大な体に

エネルギーを供給するのに

膨大な食物を必要としたため

大規模な災害によって

小型動物よりも絶滅する危険が大きくなる。

現在の大型動物にとっても

生息地の減少は大きな脅威となっている。













葉っぱを食べるチャンピオン




パタゴティタンはその長い首のおかげで

一か所に立って地面近くや

木の高いところにある植物を

食べることができた。

空洞のような口いっぱいに葉を含み

丸ごと飲み込んだ。

食物を咀嚼する動物は

これほど長い首を持つことはできない。

咀嚼にはさらに大きな顎の筋肉が

必要だったからである。









巨体の進化





ティタノサウルス類は

急速な成長、長い首、頑丈な脚、

効率的な肺の仕組みなどの特徴を

組み合わせた結果

地球上に生息する動物としては

最も重い動物に成長した。

パタゴティタンがこれまでに発見されている

他のティタノサウルス類より

大きくなったのはなぜかわかってはいないが

おそらく偶然と環境の影響が

重なったものと考えられる。

発見されたパタゴティタンの化石は

全長37mあるが

これでも完全に成長しきっていないことが

わかっており

より大きな個体が発見されるかもしれない。




パタゴティタンの絶滅後



パタゴティタンがいつ、どのようにして、

なぜ絶滅したのかはわかっていない。

いつか科学者たちがその謎を

解いてくれるかもしれない。

今のところ、一か所から発見された

限られた時代の6体しか

情報が得られていないのである。


ティタノサウルス類は

6,600万年前に

鳥類を除くすべての恐竜が絶滅するまで

地球上に生息していた。

その後、哺乳類は、

絶滅したケナガマンモスや巨大なサイから

今も生きているキリンやゾウに至るまで

地球上で最大の動物になった。

何千万年もの間

これらの草食性の巨大生物は

生態系を形成し、

フンを通じて種子や栄養素を分散させ

森林に新たな植物が成長するための空間を

作る上で重要な役割を果たしてきた。















黒いものと聞いて思い浮かぶのは何?

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先日も丹波篠山で発見された恐竜が

新種だとわかったり

まだまだこれからも新しい発見から

謎が解けていったら、

なんて考えたらわくわくしますね。