橘 清芒


昭和時代の歌人


10月を題材にした短歌


1.

 バナナ一本 頼まれて巡る

一本だけは 手に入らず  

やっとコンビニで 買い求め  

孤独な客の 影に気付く



2.

焼き芋の  香り漂う

地下売り場

心もあたたか  秋の幸せ  


3.

紅葉散る  道をぽつぽつ

歩む時  

足元に広がる  秋のキャンバス  


4.

ハロウィンの  カボチャのお化け

裂けた口

子どもたちの声  夜空に羽ばたく  



5.

寒さ増し  袖は長くなり

日は短し  

思い出の詩が  胸にこだます  


6.

ゆっくりと  季節は移り  

冬へ向かう  10月の名残  

切ない