橘 清芒

昭和時代の歌人



11月をテーマにした短歌をいくつかご紹介します。


1.  

忘れじの 手紙の中に 君の姿

冬の冷たさ 心を刺す


2.  

切り取った 思い出の影が  

ひとしずく 涙をこぼして


3.  

色づく葉 最後の輝き  

散りゆく 時の流れに涙


4.  

孤独な夜 月の光さえ  

かたち変え 影を連れてくる


5.  

冷たい雨 窓の外に人影

思い出だけが 語る悲しみ


6.  

秋風に 舞い散る記憶に

忘却の彼方 君はどこに


7.  

冬の足音 静けさに浸る  

過ぎ去った時間 幸せだった


8.  

ひと粒の 涙も出ない

失った日々 心の中で


9.  

紅葉の道 一人歩き

君を探す 影はもう見えず


10.  

心の奥 閉ざされた扉  

あの日の君の 影を映して