橘清芒 昭和時代の歌人
1.
六月の 風に揺れるは 若葉たち
そよ風になびき ざわざわ始め
2.
梅雨前線 心を引き裂く 雨の声
どしゃぶり雨も すぐひいてゆく
3.
梅雨明けの 青空の隙間 探すよう
忘れられた 夢のかけらよ
4.
星の夜 湿った空気に 香る花
白くほのかに 咲くゆうがお
5.
梅塩漬け 甘酸っぱい においする
流しの周りを 虫が撫でている
6.
六月の 紫陽花咲き誇る 街角で
見上げる空は 雲忙しく
7.
梅雨の夜 蛙の合唱に 耳傾け
ひとときの静けさ 心にしみる
8.
蒸し暑さ つい忍び寄る 疲れかな
けれど雨上がり 青空見えた
9.
庭木きり 虫たちさえも 踊り出て
命の息吹 感じる季節
10.
六月の 旅路の始まり 思い馳せ
新たな出会いに 胸膨らむ