若かりし頃 今のようにCD屋ではなく レコード屋に勤めていた
シャッターを開けて 開店準備のため 店内の掃き掃除をしている時 箒の先を何気なく見ていた視線に女の子の足元が、見えた チェックのミニスカートだ 「あのぅ まだ開店前...」と言おうと女の子の足元から視線を上げて顔を見ると 友人の彼女だ。一度会った事があるので覚えていた
「あれっ〇〇ちゃん どうしたん?」と声をかけると 背の低い〇〇ちゃんは上目使いに俺を見たまま何も言わない
友人とは高校時代からの付き合い。 俺がまだ暴走族をやっている時に 格好いいから入りたいと 毎晩のようにつるんで走り回っていた
〇〇ちゃんは まだ黙っている ふと様子がおかしいことに気付いた
〇〇ちゃんの姿の向こうのレコードの並んでいる棚が透けて見えている!!
あれっと思い他の棚を見て 〇〇ちゃんの方を見ると〇〇ちゃんが居ない。店内のどこにも居ない一瞬の出来事だった。
すぐに 友人の仕事場に電話をかけて 友人を呼んでもらい その話をすると
「バカな事言うな 今 彼女のお母さんから 入院していた病院で手首を切って自殺したって 電話があったから いまから病院に行こうとしてたんだ」との返事が...俺は それ以上なにも言えず電話を切った。1日の仕事を終え自宅に戻り 必ず来るであろう友人を待った。
20分位で友人が来た
話はこうだ
もともと心臓が悪かった彼女は付き合い始めてすぐに入院し 毎日お見舞いに来ていた友人が暴走族に入ってから お見舞いにも来てくれない 友人が彼女のお母さんから預かってきた日記に書いてあった その次のページには 俺の名前がビッシリ書いてあって憎い憎いと何回も書かれていた...
死亡した時間は俺が店を開けて掃除をしていた時間で 病室に掛けてあった服は俺が見たお気に入りのチェックのミニスカートだった
俺が悪いんか?
ほなっ