
もう28年も前になるかな、サーフィンをするために沖縄に住み着いてしまった。海でサーファー達と仲良くなり当時のディスコの調理場で働きながら毎日サーフィン三昧だった。
..いつもと同じように仕事を終えて ひめゆりの塔の下にあるスーサイドクリフと云うポイントに早朝四時半位に沖で波待ち。勿論俺一人で波の独占。
あり得ないことだけど岸の崖の上から子供の声が聞こえて来た 波待ちしながら声のする方を見ると崖の上にランニングシャツに短パンの少年が「おーいおーい」と手招きしている 薄暗い朝四時半にだ。ひとしきり波に乗っていた俺は波にがっつくこともなく 何だろうと思い一本の波に乗り岸からボード抱えて崖を登り 少年から2~3メートル位の所迄来たとき その少年ケタケタて笑いながら ピョンピョンと崖の上を俺から離れるように ジャンプしていく。 わざわざ海から上がってきたから 無視する訳にもいかずムキになって後をついて行くと、一段低いところに降りたのか少年の頭がフッと見えなくなった。
ムキになっている俺も一段降りてやろうとした次の瞬間 俺は凍り付いた。いや..凍り付いた様な気がして全身が鳥肌に包まれた。
少年が跳んだその先は二十メートル程の断崖絶壁だった。 そうですその下には皆さんも知っている防空壕の中で米軍兵に女性と子供が火炎放射器で全員が焼かれた場所だったのです。
呼んでいたのてしょうか
寂しかったのでしょうか