隣の瀬戸市とともに古くから窯業が盛んな岐阜県多治見市。
その南部の笠原町の陶ヶ丘(すえがおか)公園内の展望台です。
車で訪問する場合は笠原小学校北側の坂を登って校舎の手前で右折し、体育館裏を抜けると駐車場というか広場がある。
ふもとには近くに車を駐められるような場所はないと思う。
少し離れたモザイクタイルミュージアムから歩くのはありかも。
ということで丘の上からスタートしたので、展望台を見てから下っていく順番になった。
陶ヶ丘公園展望台。コンクリートの擬木製。
登り口の柱には「月待亭」とあり、高欄にも月形の透かしが入っている。
展望台の上。月待亭の名前の通り和風な造り。
北向き。ふもとに見えるベージュの建物がモザイクタイルミュージアム。
上の写真中央の御嶽山。
同右端(北東)の木曽山脈。
うっすら恵那山も見えた。
北西向き。
視界があるのは大体北西~東~南東。参考のパノラマ。
地名に富士とあるから、条件がいいと富士山も見えるのだろうか?
方角的には真東の方になるが…
展望台の下には慶長二十年(1615)笠原に窯を開いた加藤治郎太夫を讃える「陶祖碑」が立つ。
ちなみに隣の瀬戸市の陶祖と伝えられる人物も同姓の加藤景正というが、系譜上のつながりはないようだ。
碑文によると加藤治郎太夫は元は松井興三兵衛清定と名乗っていたというから、後に改名して加藤となったらしい。
サニ夜…じゃなくて廾二夜(にじゅうにや)の月待塔。
月待(つきまち)は地域によって集まる日にちに違いがあるが、二十三夜が広く分布し、二十二夜は女性が行うところが多いようだ。
以前に高遠の天女橋でも二十二夜が祀られているのを目にした。
展望台の月待亭の名前はこれに因んでいるのだろう。
公園内には「方月山払下記念碑」というのも立っていたので、山も月にゆかりがある名前になっている。
また写真では分かり辛いが、説明書きのプレートが陶製なのがいかにも窯業の町らしくてよかった。
その他公園内では窯の煙突のオブジェや…
タイルで飾った擁壁など各所で窯業の町をアピールしていた。