大井川の中空重力式コンクリートダム三連発のトリを飾る畑薙第一ダムです。
ちなみにここまで来ても静岡市葵区。さらに北へ30㎞以上いってもまだ葵区。
このダムのウリはなんといってもこの形式としては世界一の堤高125mを誇ること。
今から50年以上も前にこんな山奥によく造ったと感心します。
天端は広く車がすれ違える幅。この角度だと高さが分かりにくいですね。
もう一つの見どころというかチャームポイントは洪水吐下部のスカートのような膨らみ。
畑薙第一・第二ダムは揚水発電を目的としたダムでこちらを上池としているんですが、この膨らみに発電機を入れることで平坦地の少ない地形での用地確保の問題を解決する、中空重力式ならではのデザインとなっています。素晴らしい。
美しいだけでなく中身もある才色兼備のダムです。
上流側から。畑薙第二ダムのゲートを一基増やした、といった風。
上流側の、斜めになった柱が並んだような構造もこの型式の特徴。
ここにはダム本体以外にも気になるものがいろいろあって…
バス停。
近くに集落もない山奥になぜバス停があるのか不思議でしたが、南アルプスへ登山客に向けてしずてつが夏季限定で運行しているようです。キレイな自販機もありました。
これ以外にも東京から夜行バスの直行便もあるみたいなので、登山者の間ではこのダムは有名なのかもしれません。
また、管理棟の横に南アルプスで遭難して亡くなった方の慰霊碑もありました。
まだ雪の残る山並み。3月中旬。
左岸に残る謎の遺構。建設時の軌道跡でしょうか。
前回書きませんでしたが、畑薙第二ダムの左岸にも同様の遺構がありました。
途切れた橋を見るとなんかドキドキしてしまうのは僕だけではないはず。
ダム右岸にあるモニュメント兼展望台(?)
登ってもあまり視界に変化が無いのが残念。
今回ここまで来るのに掛かる時間を読み違えてちょっと焦っていたのと下調べ不足で、畑薙第一・第二ダム共にあまりじっくり見られなかったので、準備をしてまた来たいと思います。
…さらに上流にもダムがありますが、徒歩または自転車でしか近づけないところなので難しいかなー。