9月21日。5時半起床。3日目の朝である。今日も朝3時ごろから皆さん動き始めた。2時過ぎかな。トイレに行ったときにはすでに北穂や奥穂に向かうヘッドライトの明かりが揺れていた。
で、出発は7時6分。いやね、準備が遅いのはいつものことなんだが今日はトイレ待ちで30分並んだ。いや~漏れるかと思いましたよ。
常念方面。朝から青空がのぞいている。
下る人も続々と出発。
僕が向かうのはあっち。
いや~続々と登ってまんなぁ。
じゃ僕も登ってくるよ。バイバイ涸沢。また後で。
さぁいよいよ戦いが始まる。
急なんだよなぁ。昨日双眼鏡で覗いてたんだがそれはもう見上げる感じで。
涸沢がどんどん小さくなっていく。
無事に帰るよ。
で、一気に高度を稼いでいく。
見上げればこの景色。
あっという間にテントがミジンコみたいになっていく。
向こうを見れば奥穂へ向かう人達。皆さん、頑張りましょう!
ここ、昨日双眼鏡で見てた。下るときはみんな後ろ向きになったりしゃがんだりしてたなぁ。
まぁ登るにはどうということはないです。
で、涸沢を見下ろす。
雲がなくなり空が真っ青。
いや~爽快爽快。
しかし久々に山らしい山に登ってるぞ。去年の富士山以来だな。
で、登りながら来るべき鎖場にビビってる。
いや~アルプスだなぁ。
で、出ました。鎖場。
ここが北穂南稜のとりつきでありこのルートの核心部である。
まぁ手がかり足掛かりはちゃんとある。
ネットの情報通り、まじめにやれば普通に登れた。
振り返って下を見下ろす。つーか帰りはこれを下らにゃなきゃならん。ちょっと気が重い・・・。
そして前を向くと
出ました。梯子。
まぁ梯子はどうってことはない。ただ登ればいい。それだけ。
登りきると救助隊の人がいて僕と入れ違いで下り始める。いやはやご苦労様です!
涸沢から1時間半ほどたった。正直だいぶグロッキー。
背中はアタックザックで中身は軽い。情けなし・・・。
でもご覧の通り急なんですわ。息が上がって後ろからじゃんじゃか抜かされる。
そしてこの雄大な景色を見ながら息を整える。
ヘリの音がして見下ろす。おっ、いたいた。
3000m級のお山に登っているとヘリは上からではなく下からやってくる。事故かね?奥穂の方に飛んでいった。
ぶひぃ~しんどいのぉ~。完全にバテた・・・。
2つ目の鎖。まぁ特に問題なし。
トラバース気味に進む。
急登にあえぎながらも真っ青な青空に「いや~来てよかったなぁ~」と感激する。
おっ!山頂が見えた。
あちらにもルートが。地図には載っていないバリエーションルート、東稜である。ゴジラの背とかそんな名前のついてるルートを通過する。
ぶひ~、急だ。ゾンビのようにゆっくりゆっくりふらふら登る。
向かい側、見にくいけど雲海みたいになってた。
穂高岳山荘、奥穂、ロバの耳からのジャンダルム。いや~すごい。
いや~久しぶりよ。こういう景色。去年の奥穂は終始雨だったからね。
南稜テラスのテン場にとうちゃこ。
皆さん「うわぁ~ここのテン場最高じゃん。」と仰るけど水場もなければトイレもない。まぁトイレはその辺でやってるんだろうな。
あちらは北穂から涸沢岳を結ぶルート。難路である。あのルートを歩いた人はみんな言う「大キレットよりこっちの方が怖い」と。
そんなところには僕は行きません。いや行けません・・・。
僕は死ぬまで一般ルートしか歩きませんよ。
あそこが分岐。右が北穂へ続く天国への道。左が涸沢岳への地獄への道。
いや~ここまでやってきた。
2年越しの念願だった北穂高岳。
ついにそのてっぺんに立てるのだ。
ありんこみたいな涸沢小屋。昨日はあそこからここを眺めていたわけだ。
そして・・・
10時10分、北穂高岳山頂にと~ちゃこ!!!やったー。登ったどー!!!
いや~槍がすごい!!!バテバテのへバりまくりだったけどコースタイムは3時間20分。コースタイムに収まった。いやはやコースタイムが優しいのね。皆さんこんなにかかってない。みんな僕を追い抜いて行ったから。 というわけで念願の北穂に登頂できた。 続く