「ヒュルルルルル~・・・」「ヒョロロロロロ~・・・」
文字に出来ない不思議な響き。
だんだん音が下がりつつフェードアウト。余韻が響き渡る。
まるで花火の落ちてくる音の様。
「アカショウビン」知ってるかい?
珍しい。これだけ長く田舎に住んでいるのに
一昨年初めて聴いた。いや、きっと
今まで意識していなかっただけだろうな。
最初は山の上の方の電線か何かが緩んで、風で音が
鳴るようになったのかもしれないと心配した。
しかし、風が全く吹いていない時にも音はする。
すぐ近くには保育所、幼稚園小学校、運動公園もある。
誰かが笛の様なものを吹いているのかも?
犬笛?動物や鳥に向けて呼んでいるの?
そういえばこんな音のするおもちゃがあったような?
もしや山の墓地公園で亡くなった人に向けて追悼で演奏を!?
妄想が段々エスカレートする。
ちょっと外へ。畑を抜け少し山の手に行ってみる。
間隔を開けて不思議な音は続く。
山に近づくほうが音が大きくなる。
墓地公園の近くまで来た。やはり鳴き声だ。
山の中腹から聞こえてくる。
家へ戻りPCで「野鳥・鳴き声」と調べる。
よく聞く鳥のばかり乗っていて見つからない。
「ふしぎ」と入れて調べると、ついに出てきた!
やっと見つけた不思議な鳴き声の主「アカショウビン」
カワセミ科というだけあって大きなくちばしと体の
バランスはよく似ているが、カワセミは青いのに対して
こちらはくちばしまで赤い。
うっわ~こんな赤い鳥がいたなんて!!
珍しい!見てみたい!夏に来る渡り鳥。
声は聞こえるがなかなか姿は見られないとある。
せっかく来てくれた?のに、よりによって去年の秋から
砂防ダムの工事で畑をつぶして新しく道を作り
我が家の横を流れる谷川の上流の山の中腹を
木を広く切り倒して結構大がかりな工事を始めてしまった。
もちろん谷川は流れがほとんど無くなっている。
来年からはもうこの声は聴かれないかもしれない。
私が中学に上がる頃にはまだキレンジャク、ヒレンジャク等
今はほとんど見かけない鳥がたくさんいた。
小さい頃はこの谷川も結構水量があり、夏になると
どこからとなく蛍もチラホラ見られたし、墓地公園の
上の谷のちょっと深いところでは結構大きなナマズや
大きなカニや周りにはオニヤンマやオオミズアオなども
たくさん見られていた。
鳥も、虫も、色んな生き物が姿を消している。
セメントになった水路には何も住めなくなるだろう。
そうなっても変わらずに夏の夜は谷川(跡)からの涼しい風が
我が家のリビングには吹き通ってくれるのかな?
便利さや安全と秤にかけても仕方のないことではあるが
災害が起きた時のことを考えると仕方がないのだろうが
あの「谷川」のでこぼこの石の間を流れる独特の癒される
チョロチョロと言った水音が無くなるのは寂しい限りである。
我が家の日中はこんな感じで鳥の音が絶えることはない。
都会の人が聴いたら朝方はCDなのかと思うかも
しれないくらい鳥の声がうるさい。
庭に出ればチャボ共がいつも騒いでいるし
メジロもウグイスも、山鳥もたくさん見かけるし
夜になればフクロウが鳴いている。
そうだな、まだまだ野生のみんなは頑張っているな。
せめて私が元気なうちはこの声が続きますように。
「アカショウビン」YouTubeで聴いてごらん?