京都のんだくれ道 サントリー山崎蒸留所 | ぽんこからのエアメール

ぽんこからのエアメール

愛媛から出てきてはや○年!
京阪神を中心に、日々の出来事をつづっていたら2011年春に
〝花のお江戸〟にお引越し。
しかーし!2012年3月にふたたび阪神間に舞い戻ってまいりました。
Ponkoの目を通した日常を、どうぞお楽しみくださいませ☆


ぽんこからのエアメール-サントリー山崎1 ぽんこからのエアメール-サントリー山崎2

京都と大阪の境にあるJR山崎駅の付近は、線路が5本も走ってて、

ここサントリー山崎蒸留所の前の踏み切りは「開かずの踏切」。

よって、警報機がカンカン鳴ってる途中でも、電車が来るまでの間隔があけば、

遮断機右の歩道側が一時的に上がる仕組みになっている。

カンカン鳴っているのに上がる遮断機に“故障か?!”とビックリする我々を尻目に、

地元のおばちゃんたちはニコニコニヤニヤしながら、再び遮断機が下りるまでの間に

さっさと渡っていってしまった・・・。

今回の見学は5人できたのだけど1人だけ初めて。Ponkoは2度目。(以前の記事→★★

ここはケッコーみんなお気に入りなのだ。ぽんこからのエアメール-サントリー山崎6

10時から見学開始!ウィスキーの製造工程を見る。

原料の麦をピートを使って乾燥させる。

仕込槽で砕いた麦芽と、

名水と謳われる山崎の水(→このまま使わないけどネ)とで

麦汁にし、酵母を加えアルコールを作り出す(発酵)。



これを蒸溜。12機ある蒸溜釜のうち片側に6機初溜釜が並び、反対側に6機、再溜釜が並ぶ。

それぞれ形の違う釜で香りが変わってくるらしい。ぽんこからのエアメール-サントリー山崎3

初溜→再溜と2度の蒸溜を経てアルコール度を高くし、

蒸溜されたばかりの若いモルトウィスキーが

取り出される(ニューポット)。

ちなみに初溜のみだと焼酎になるらしい。

ぽんこからのエアメール-サントリー山崎4


そこから樽に詰められ、空調もなにもない空間で、

ただじっと年単位でねかされる。


多くは、北米のオークの樹を材料として作られた樽。


上はミズナラという樽。


日本産のオーク(ミズナラ)で作った樽で、

これで熟成させたウィスキーは“オリエンタルな香り”と楽しまれているんだそう。ぽんこからのエアメール-サントリー山崎5
面白いのが「シェリー樽」と呼ばれる、シェリー酒を作るために

作られ使われてきた樽。

やっぱりシェリーの風味が入ったウィスキーが楽しめるのだそう。

ずらりと並ぶすごい数の樽たるタル・・・

これらどの樽からいつ、どの程度取り出し、

そしてどの樽とどの樽を組み合わせて味を作ってゆくかは

「ブレンダー」と呼ばれる方達にかかっている。

テイスティングは1日に200400種を行うけど、

飲まない(下で味を確認し、吐く)から中にはグラス1杯で

赤くなるブレンダーの方もいるのだそう。

味覚、嗅覚に優れ、ウィスキーの味をつくってゆく想像力、構築力が求められる職業。


ぽんこからのエアメール-サントリー山崎7
山崎で作られるシングルモルトウィスキー。


右が山崎、左が白州(群馬県の駒ケ岳麓の森の中にあるという)。

ちなみにこれらウィスキーはそれぞれ、山崎なら山崎の樽、白州なら白州の樽と、

ひとつの蒸溜所から作られるので「シングル」。

いただいたのは「山崎 シングルモルト12年」。

最も短いもので12年ねかされた樽から取り出した原酒からつくられたウィスキーだ。

山崎の水でつくった水割りは、普段ウィスキーを飲まないPonkoでも十分に美味しい。

素直な山崎の後だと、白州は少しクセがあるが、飲み進むにつれ、その味わいがお気に入りになる。

ご案内いただいた女性は、「お酒が好き」「お話するのが好き」という、

この春入社したというとても爽やかでしっかりされた方。

質問にも丁寧に答えてくださる。

そういや前回見学した折にも、工場内で作業される方を見かけませんでしたが・・・?って訊ねてみたら、

実は見学コースの脇に待機所のような部屋があり、見学中はそこに“隠れ”、

見学者がいなくなると出てきて作業を続行するのだそう。

シャイだけど「我々の仕事をしっかり紹介して下さいね」って

プライドをもって仕事をされる、職人気質の方が多いのだそうだ。