京都と大阪の境にあるJR
ここサントリー山崎蒸留所の前の踏み切りは「開かずの踏切」。
よって、警報機がカンカン鳴ってる途中でも、電車が来るまでの間隔があけば、
遮断機右の歩道側が一時的に上がる仕組みになっている。
カンカン鳴っているのに上がる遮断機に“故障か?!”とビックリする我々を尻目に、
地元のおばちゃんたちはニコニコニヤニヤしながら、再び遮断機が下りるまでの間に
さっさと渡っていってしまった・・・。
今回の見学は5人できたのだけど1人だけ初めて。Ponkoは2度目。(以前の記事→★★
)
ここはケッコーみんなお気に入りなのだ。
10時から見学開始!ウィスキーの製造工程を見る。
原料の麦をピートを使って乾燥させる。
仕込槽で砕いた麦芽と、
名水と謳われる山崎の水(→このまま使わないけどネ)とで
麦汁にし、酵母を加えアルコールを作り出す(発酵)。
これを蒸溜。12機ある蒸溜釜のうち片側に6機初溜釜が並び、反対側に6機、再溜釜が並ぶ。
それぞれ形の違う釜で香りが変わってくるらしい。
初溜→再溜と2度の蒸溜を経てアルコール度を高くし、
蒸溜されたばかりの若いモルトウィスキーが
取り出される(ニューポット)。
ちなみに初溜のみだと焼酎になるらしい。
そこから樽に詰められ、空調もなにもない空間で、
ただじっと年単位でねかされる。
多くは、北米のオークの樹を材料として作られた樽。
上はミズナラという樽。
日本産のオーク(ミズナラ)で作った樽で、
これで熟成させたウィスキーは“オリエンタルな香り”と楽しまれているんだそう。
面白いのが「シェリー樽」と呼ばれる、シェリー酒を作るために
作られ使われてきた樽。
やっぱりシェリーの風味が入ったウィスキーが楽しめるのだそう。
ずらりと並ぶすごい数の樽たるタル・・・
これらどの樽からいつ、どの程度取り出し、
そしてどの樽とどの樽を組み合わせて味を作ってゆくかは
「ブレンダー」と呼ばれる方達にかかっている。
テイスティングは1日に200~400種を行うけど、
飲まない(下で味を確認し、吐く)から中にはグラス1杯で
赤くなるブレンダーの方もいるのだそう。
味覚、嗅覚に優れ、ウィスキーの味をつくってゆく想像力、構築力が求められる職業。
右が山崎、左が白州(群馬県の駒ケ岳麓の森の中にあるという)。
ちなみにこれらウィスキーはそれぞれ、山崎なら山崎の樽、白州なら白州の樽と、
ひとつの蒸溜所から作られるので「シングル」。
いただいたのは「山崎 シングルモルト12年」。
最も短いもので12年ねかされた樽から取り出した原酒からつくられたウィスキーだ。
山崎の水でつくった水割りは、普段ウィスキーを飲まないPonkoでも十分に美味しい。
素直な山崎の後だと、白州は少しクセがあるが、飲み進むにつれ、その味わいがお気に入りになる。
ご案内いただいた女性は、「お酒が好き」「お話するのが好き」という、
この春入社したというとても爽やかでしっかりされた方。
質問にも丁寧に答えてくださる。
そういや前回見学した折にも、工場内で作業される方を見かけませんでしたが・・・?って訊ねてみたら、
実は見学コースの脇に待機所のような部屋があり、見学中はそこに“隠れ”、
見学者がいなくなると出てきて作業を続行するのだそう。
シャイだけど「我々の仕事をしっかり紹介して下さいね」って
プライドをもって仕事をされる、職人気質の方が多いのだそうだ。