今年の課題図書(小学校高学年の部5・6年生)です。櫛田理絵訳。
図書館が舞台なら読んでみよう、と借りてきました。
児童向けなので活字も大きめで電車内でも読みやすい。車内が混んでくると若干暗くなり、文庫本はつらくなってきました→老眼、ですね。
さて。このお話は第二次大戦中、ロンドンから疎開する3きょうだい(兄・弟・妹)が主人公。
彼らには両親は既に亡く、唯一の肉親の祖母の葬儀のとき、お手伝いさんと後見人の弁護士が、疎開先で受け入れてくれるお宅が良かったら、そこにずっとお世話になれたら…という、いわば見切り発車で疎開に向かいました。
長男12才、弟11才、末の妹は9才。特にお兄ちゃんは可哀想なくらい責任感があって…。
辿り着いた田舎町では、彼らを受け入れれば3人分の配給が増えると、一見歓迎されますが、その家の兄弟からは嫌がらせをされる。
2軒目は貧しく、家は寒くて雨漏りがするという劣悪さ。
ロンドン時代から本好きだった彼らは、足しげく村の図書館に通い、司書さんとすぐに親しくなりますが、彼女は村人たちとの間の「溝」があるように感じました。
あまりの劣悪さに疎開先から逃げ出した3人を温かく迎えてくれたのは、司書さんでした。
日本に限らず、あの時代は世界中の子どもたちが疎開を強いられ、寂しい思いをしていたのでしょう。
平和でなくては子どもが幸せになれません。それはあの頃も、現在も同じです。
今年この本を読んだ小学生がどんな感想文を書くのでしょうか。