ツアーの名前は「苦難の画家たちの心動かされる5つの美術館めぐり」。
最初に訪れたのは「原爆の図丸木美術館」。
埼玉県東松山市の郊外に有り、最寄りの駅から遠く、なかなか足を運べないでいました。
やっと…実物を見ることが出来たのですが、想像していたよりも大きい作品に息を呑みました。
丸木位里(1901~1995)、丸木俊(1912~2000)夫妻の、位里氏の故郷が広島県。
原爆投下の報を知って投下後間もない広島に駆けつけ、懸命の捜索、救助作業を行う中で見聞きしたことを作品にしたと、初めて知りました。
最初の作品の発表は1950年。戦後5年しか経っていなくて、まだ占領下、原爆の実態は報道されていない中の、このリアルな絵画(屏風)の公開は大変な反響を巻き起こし、屏風を担いで各地を巡回、時には展示責任者が検挙されたこともあったそうです。
原爆や公害、原発問題に至るまで、15の連作があり、直視できないような惨たらしさもある中、澄んだ眸の静かな佇まいの人も居て。
屏風のほか、大きな壁画作品もあり、原爆から公害、世界平和へとテーマは広がっていきました。
実物の迫力。それに尽きます。観られて本当に良かった。
晩年をこの地で暮らした夫妻の書斎や自宅(非公開)も残されていました。

