この素敵な建物の名は「豊平館」。ほうへいかん、と読みます。

 「道立文学館」と同じ中島公園内にありますが、もともとは市民会館の場所に建っていました。1880(明治13)年竣工。設計は開拓使工業局営繕課安達喜幸。

 

 天皇の行在所(あんざいしょ)~社交場や要人宿泊のホテルの役割を担いつつ、市の公会堂として使われたのち、現在地に移築、博覧会会場~結婚式場、現在は「集客交流施設」、となっています。

 

 私が最初にここを訪れたのは1987年2月。結婚したてで「雪まつり」にやってきたとき。

 解体修理直後だったようで、壁は白く、ブルーも鮮やか。そして今回も2016年の耐震補強工事があったせいで、割ときれいでした。

 入場券には喫茶とのセットがあったので、喫茶室になっている1階のお部屋でココアをいただく。重厚な赤いカーテンから見える外の雪景色が、いい雰囲気です。

 

 照明器具を取り付けた「天井の丸い漆喰飾り」は、部屋ごとに芙蓉や葡萄などの植物をかたどっていて、簡素な中に優美さを感じさせました。他では類を見ないものでしょうか。

 

 36年前に内部を観たときは結婚式場として使われていましたが、現在は「集客交流施設」となり、木造部分に隣接してガラス張りの「エレベーター棟」が増築されていました。

 バリアフリー化として、同様の施設は白金の「東京都庭園美術館」にもあります。