副題「メイキング・オブ・ムナカタ」。

 ヴェネチアビエンナーレでの受賞など、世界のムナカタとして評価を受けた版画家棟方志功(1903~1975)。
 青森県に生まれ、東京で活動し、戦時中に疎開、そのまま富山に住んだ棟方志功。生誕120年を記念した展示で、その足跡を辿っていました。

 彼は最初画家を目指し、川上澄夫の作品を観て、版画の魅力に気づく。その後彼独特の文字と絵が一緒に彫られた作品が誕生、裏彩色は彼の作品を特徴的に彩っています。

 それにしても。

 彼独特の版木にへばりつくように彫る姿は一度見たら忘れられない印象を残します。
 ヴェネチアでの受賞は1956年、その後の没するまでの国際的な活躍をリアルに覚えている世代には刺さる名前ですが、職場の40代の方に名前を出しても、即座に版画家には結びつきませんでした。

 私が訪れたのが平日午後だったせいもありますが、会場内には還暦以降の方が多かった印象です。みんな懐かしそうに往時の棟方志功の動画を眺めていました。

 下書きなどは無く、版木から命を掘り出しているように見える天才、棟方志功。

 お菓子の包装紙のデザインも幾つも手がけ、埼玉でも「うまい、うますぎる」で馴染みがあります。
 件の40代のかたも、これはよくご存じでした。

 会期は今日まででした。